観光庁長官、中国市場は「堅調」 ビザ緩和による交流拡大の可能性を示唆

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観光庁の秡川 直也(はらいかわ なおや)長官は11月20日、定例会見を行いました。

同日に日本政府観光局JNTO)が発表した訪日外客統計10月分の結果について、331.2万人で単月過去最高となり、1〜10月の累計が3,000万人を突破したことなどを報告しました。

観光庁の秡川 直也長官 定例会見
▲観光庁の秡川 直也長官 定例会見:訪日ラボ撮影

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10月の訪日客数は単月過去最高の331.2万人

10月の訪日外客数は、331.2万人で単月過去最高となりました。例年ピークであった7月を超える異例の状況となっています。また1〜10月の累計で3,000万人を超え、2019年実績の3,188万人に迫る数値を記録しました。

秡川長官は訪日客数の推移について「順調」だとした上で、「例年9月からは夏季休暇が終わり(訪日客数が)落ち着く傾向にあるが、10月後半から紅葉のシーズンもあって増えたのだろう」としました。

なかでも欧米市場は、全体の数字としてはアジアよりも少ないものの、2019年10月と比較して増加率の高い市場が多く「伸びが顕著」と評価。全体としては「引き続き今のトレンドをキープできれば」と述べました。

中国市場は「堅調」、今後はビザ緩和による国家間交流拡大の可能性も

10月には国慶節連休もあった中国訪日客数は58万2,800人で、2019年比で79.8%まで回復している状況です。

これまでは不動産業を中心とした景気の悪化などで旅行を控える動きがあったのではないかとした上で、「9月くらいから数字がよくなってきている」「短期ビザについても、中国との首脳会談が行われているのを契機に規制が緩和されるのではないかとの報道もある」として、まだ確定ではないものの、ビザ緩和によってさらに国家間交流が促進される可能性を示唆しました。

一方で、国慶節の影響については「一つのチャンス、きっかけにはなると思う」としたものの、「もう少し期間を置いてみないと(正確な動向は)わからない」と述べました。ここ数か月のトレンドでは「好調」とまではいかなくとも「堅調」に推移しているとの見方で、今後の数字についても注視していく姿勢を示しました。

アウトバウンドは伸び悩み 年末年始の連休に期待

アウトバウンド(日本人の海外旅行)については、1〜10月累計で2023年超えを記録したものの、コロナ禍前と比較すると未だ伸び悩みが続いています。

これについて秡川長官は、「安定的な国際環境を維持する上で、(実際に現地に行ってみることで)その国のことがよくわかるようになる、というのは重要」「航空ネットワークの維持として、ニーズがあったら路線も張れる」と、国家間関係や航空路線の維持という視点でのアウトバウンドの重要性について述べた上で、「為替は我々でコントロールできないところもあるが、できるところはやっていく。修学旅行でも海外に行くところがあると思うが、これについては文科省と協力する。直近では年末年始の連休が長いので、数字が増えてくれれば」と述べました。

初となるG7観光大臣会合に秡川長官が出席

11月13日~15日、初となるG7観光大臣会合がイタリア・フィレンツェで開催され、秡川長官が出席しました。所感について問われると、「宮殿で会合が行われるなど、ユニークベニューの活用としても注目していた」「各国と意見交換して、持続可能な観光、人材、AIなど、どの国も悩みが似ているという印象を受けた。G7が観光という側面でも率先してやっていこうという話になった」などと述べました。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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