PESOモデルとは、企業が集客に活用できる以下4つのメディアの頭文字を取ったモデルです。
- ペイドメディア(Paid Media)
- アーンドメディア(Earned Media)
- シェアードメディア(Shared Media)
- オウンドメディア(Owned Media)
商品やサービスを効果的に消費者にアピールするにあたって、これらのメディアを組み合わせて活用することが求められます。インバウンド需要が高まる中、このモデルを活用することで、訪日外国人への効果的な情報発信が可能になるでしょう。
本記事ではPESOモデルについて、それぞれのメディアが持つ意味や役割に触れながら、具体的な活用方法について解説します。
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PESOとは
PESOメディアとは、含まれる4つのメディアの頭文字をとったものです。これに含まれる4つのメディアは以下です。
- P…「ペイドメディア(Paid Media)」
- E…「アーンドメディア(Earned Media)」
- S…「シェアードメディア(Shared Media)」
- O…「オウンドメディア(Owned Media)」
近年これらの4つのメディアを組み合わせたメディア戦略がとられるようになってきています。
トリプルメディアとの違い

従来、ペイドメディア、アーンドメディア、オウンドメディアの頭文字にメディアの頭文字を加えPOEM(Paid, Owned, Earned Media)と呼ばれており、これを日本では「トリプルメディア」と呼んでいました。
しかし近年SNSの利用者が増加し、SNSや口コミによる集客力や購買意欲の大きくなったことを受け、アーンドメディアの中でもテレビや新聞といったメディアに関するパブリシティ活動とSNSの情報発信を分けました。
この中でSNSでの情報発信についてシェアードメディアと呼ぶようになり、トリプルメディアからPESOへ変化したという経緯があります。
PESOは、近年のユーザーの消費行動におけるSNS・口コミの重要性を反映させた、新しいメディア戦略といえます。
関連記事:トリプルメディアとは?効果的な広告やWeb上での宣伝戦略について解説
「PESO」それぞれのメディアの意味と役割とは?
前述のようにPESOには4つのメディアが含まれており、それぞれのメディアには異なる意味と役割を持っています。それぞれのメディアを有効活用するには、まず特徴を把握しておかなければなりません。
そこで4つのメディアの持つ意味と役割について、その違いに着目しながら解説します。
P…ペイドメディア(Paid Media)とは
ペイドメディアとは、「Paid(支払う)」という意味を持っており、企業が費用を支払って情報を発信するメディアです。具体的にWeb広告や、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞の4つのマスメディアで打ち出される4マス広告などがあります。
ペイドメディアは商品やサービスに対する情報をアピールすることや、オウンドメディアへ誘導することが目的です。ほかのメディアと比較して多くの人へ迅速に情報を訴求できる、Web広告やSNS広告ではターゲティングして配信できるといったメリットがあるものの、コストがかかるという特徴があります。
関連記事:ペイドメディアとは?広告の種類、効果的な活用方法について解説
E…アーンドメディア(Earned Media)とは
アーンドメディアとは、「Earned(獲得する)」という意味を持っており、第三者からの信頼の獲得により第三者目線から情報が発信されるメディアです。
SNS投稿やブログといったメディア、さらにはマスメディアやWebメディアによる報道・取材などがアーンドメディアに含まれています。
アーンドメディアで発信される情報が第三者目線の情報であり、実体験を伴うため信憑性が高いことや、ペイドメディアよりもコストをかけず情報を拡散できることが特徴です。一方でその特性上、企業の意図通りの情報を発信できないことや、効果が出るまでに時間がかかるというデメリットもあります。
S…シェアードメディア(Shared Media)とは
シェアードメディアとは、「Shared(共有する)」という意味を持っており、SNS上で第三者から発信される情報が拡散、共有されるメディアで、元々アーンドメディアに含まれていました。
InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどのソーシャルメディア上で情報発信され、それが消費者によって拡散されることで情報が多くの人に届きます。
SNS上などで第三者が発信する情報という特徴からリアルな意見が集まるため、集客力や購買意欲の向上に期待できます。またSNSには「いいね」やコメント機能があるため消費者のリアルな反応がわかりやすいことも特徴です。
デメリットはアーンドメディアの項目で述べた通り、企業の意図通りの情報を発信できない、効果が出るまでに時間がかかるといった点にあります。
O…オウンドメディア(Owned Media)とは
オウンドメディアとは、「Owned(所有する)」という意味を持っており、企業が自社で運営し情報を発信するメディアです。
自社ホームページやブログ、公式SNSなどが含まれます。発信するコンテンツやその内容を自社で決められることから、商品やサービスのアピールや、企業のファンやリピーターの獲得に期待できます。
コストが比較的低く抑えられ、ブランドイメージの構築に役立つ一方で、信憑性を得ることが難しかったり、効果が表れるまでに時間がかかるということが特徴です。
PESOモデルの活用方法
PESOモデルはそれぞれにメリットとデメリットがあり、4つのメディアを組み合わせてメリットを活かしデメリットを補うことで、相乗効果が期待できます。
このようにメディアを組み合わせることを「メディアミックス」といいます。うまく活用するためにはそれぞれのメディアの活用方法を理解しておきましょう。
1. ペイドメディアの活用方法
ペイドメディアの活用方法として、広告費を支払ってSNSやWebサイト、マスメディアなどで商品やサービスの情報を掲載することが挙げられます。
オウンドメディアやシェアードメディアは効果が出るまでに時間がかかるため、ペイドメディアと組み合わせることでさらなる効果が期待できます。
またシェアードメディアのうちSNSで広告を発信すると、ユーザーにより再度拡散してもらえる可能性があります。
関連記事:
- Facebook広告の費用の目安は?2種類の料金形態とメリット・デメリットを解説
- Instagram広告の費用は?課金方法やインバウンド集客につなげるポイント
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X(Twitter)広告の出し方や費用は?初心者にもわかるように徹底解説
2. アーンドメディアの活用方法
アーンドメディアの活用方法として挙げられるのが、インフルエンサーによるSNS投稿や、テレビ・新聞といったマスメディアでの情報発信です。
インフルエンサーやマスメディアが取り上げる情報は、大きく拡散されます。特にインフルエンサーはファンとの結びつきが強く、商品・サービスの投稿に対して共感してもらえる割合が高いといえます。
3. シェアードメディアの活用方法
シェアードメディアは、InstagramやX(旧Twitter)などソーシャルメディアで情報を拡散します。シェアードメディアで認知を獲得し、オウンドメディアへ誘導してより多くの情報を届けます。
さらに、Googleマップやグルメサイトなどの口コミプラットフォームでユーザーの声を集める活動も重要です。
4. オウンドメディアの活用方法
オウンドメディアは、自社のホームページやブログ、SNSの運用です。商品やサービスについて企業が消費者にアピールしたいことを掲載することで、ファンやリピーターを獲得できるほか、企業の情報を掲載することで企業のファン獲得にも期待できます。
またSEO施策により検索結果画面において上位に表示させ、サイトへのアクセス数を増やし多くの人に情報を届けられる可能性が高まります。またコンテンツをしっかりと作ることで資産として継続的な集客が見込めることも特徴です。
PESOモデルそれぞれを有効活用して効果を最大化
従来のトリプルメディアから派生し、シェアードメディアが加わったPESOモデルは、企業の集客・認知度向上におけるSNSや口コミの重要性を反映しています。
ただし、シェアードメディアは第三者の実体験が含まれる情報として重要な一方で、企業側が伝えたい情報が含まれなかったり、意図するものと違う方向に拡散されてしまったりといった問題も生じる可能性があります。シェアードメディアにおいて、自社の商品・サービスがどのように拡散されているのかは監視しておくべきでしょう。
そして、オウンドメディアやペイドメディアを用いた情報発信、大手報道機関などに向けたパブリシティ活動を行うことによるアーンドメディアでの訴求も組み合わせ、シェアードメディアで拡散させることにより効果を最大化させていきましょう。
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