観光庁は2025年3月、宿泊施設の経営改善・高付加価値化に向けた「旅館向け インバウンド受入ポイント集」を公表しました。
同資料は、観光庁が行うメディアファム事業の中で得られた外国人記者からの旅行体験フィードバックと、それらに基づいた対応推奨案をまとめたものです。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
日本食が喜ばれると思いがちだが…
食事では、「コーヒーや洋朝食などのオプションがあると安心感がある。」「2泊目に洋朝食を選べたのは◯」などの声がありました。日本食も人気ではあるものの、訪日客が普段食べている洋食を選べることが、安心感につながるといいます。
また、食事の量が多いという声もあり、量を抑える代わりに「おかわり自由」「追加可能」の導入も推奨されています。
「旅館のシステムに驚く」の声、説明不足が課題に
サービスや部屋・設えにおいては以下のような声が挙がりました。
- 旅館のシステムに驚く
- 着物の着方や靴を脱ぐ場所がわからない
- 英語での説明や案内、説明書きなどがあまりない
これらの声を受けて、インバウンド観光客が受け取りやすい情報発信や、説明・案内不足解消の重要性が指摘されています。
温泉においても、訪日客がルールやマナーがあることを感じ取っているケースが見受けられた一方で、「温泉の入り方がわからない」「入り方のインストラクションがあると良い」という声も。
解決策として、ルールやマナーの図解案内、モニターでの案内動画などの導入が提案されています。
関連記事:「観光ピクトグラム」観光庁が公開 マナー啓発目的で
独自の文化体験や「箸チャレンジ」が人気
文化については、「提灯作り体験は海外の人々にも人気が出そう」「金継ぎ体験は人気がある」など、地域独自の文化体験への参加を望む声が挙がりました。
また、訪日客があまり慣れていない箸を使用する「箸チャレンジ」も文化体験の1つとして好まれる傾向に。
これらの文化体験コンテンツは、旅館が提供できるものであることに加え、旅館のお土産や地域ブランディングとしても活用できると紹介されています。
関連記事:インバウンドに人気のアクティビティ、1位はシュノーケリング 欧米豪では文化体験が人気
インバウンド向け情報発信は「期待値調整」が重要
さらに同資料では、旅館での対応に加えて、インバウンド観光客向けの情報発信に関する対応推奨案も紹介されています。
まず、旅館から発信する情報はシンプルなものが好まれる傾向がある一方で、同時に情報が不足している可能性が指摘されています。実際に以下のような声が挙がっています。
- 英語の公式HPは必須。予約サイトが英語対応していても、情報が少なすぎる場合が多い
- OTAだけでは信頼性を得られない可能性がある
英語での情報発信は旅行のブランド力向上に繋がり、インバウンド観光客から選ばれる上で重要な役割を果たすと紹介されています。
加えて、「旅館の期待値を正しく調整する必要がある。サービスをインバウンド用に変えてほしいわけではない」という声も。
いわゆる「盛り過ぎた」写真ではなく、旅館と周辺環境や文化などを合わせたストーリーを正確に発信することが集客に繋がるとしています。
関連記事:旅館の集客にトリップアドバイザーは効果的?メリットや予約数アップの施策を紹介
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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