【連載:マーケティング用語・施策の基礎解説】 |
※本記事は、2022年12月22日に掲載した記事を一部修正の上、再掲しています。
デジタル化が進む中、実店舗の集客施策として注目されているのが、Googleマップ上の店舗情報をオーナーとして管理できる無料ツール「Googleビジネスプロフィール」の活用です。
Googleマップの情報を定期的に更新することで、店舗の最新情報や魅力を正しく伝え、来店につなげることができます。特に、訪日外国人観光客(インバウンド)の増加が見込まれる今、営業時間や対応言語、決済方法などを正しく掲載することは、集客の面でも重要です。
しかし、日々の業務に追われる店舗経営者やスタッフの中には、Googleビジネスプロフィールの更新が後回しになっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパートの永山卓也氏監修のもと、まず整理しておくべき4つのポイントをご紹介します。
この機会に、Googleマップ上の情報を見直し、国内外のお客様にとって分かりやすい店舗ページを整えてみませんか。
永山卓也 - Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパート/「口コミコム」テクニカルアドバイザー&「訪日ラボ」アドバイザー
ローカルビジネスコンサルティング、店舗マネジメント業を行い、 デジタル、アナログ両面で小売・飲食・宿泊業、観光業に豊富な経験。各都道府県の地方自治体、地域団体などを中心にセミナー、講演実績多数。観光庁 インバウンドの地方誘客促進のための専門家。Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパート。Google Maps, Google広告プロダクトエキスパート。東京観光財団 観光おもてなしアドバイザー。株式会社movが運営するお客様の声のDXサービス「口コミコム」テクニカルアドバイザー&インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」アドバイザー。
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1. 店舗と関係のない写真を整理しよう
1つ目のポイントは、写真です。写真は、視覚的に店舗の魅力を伝えられる重要な情報の1つです。
写真はどこに表示される?
Googleマップの写真は、PC画面においては、以下の画像の位置などに表示されます。
検索画面においてもマップ上においても、目に入りやすい位置に表示されることから、写真の管理は重要なポイントとなります。
写真にはオーナーが投稿したものとユーザーが投稿したものがある
写真は主に、「オーナー投稿」(お店側が投稿した写真)と、「ユーザー投稿」(ユーザー側が投稿した写真)に分かれます。
オーナー側で入れている写真に古いものが無いか確認しましょう。オーナー側の写真の確認は管理画面の写真項目にある「オーナー提供」のタブで確認できます。
そのうえで、現在取り扱っていない商品や、既に店舗外観が変わる前の写真、あっても来店、利用を促さない写真がないかチェックします。
期間限定の商品・サービスにまつわる写真の整理がポイントに
ここでポイントになるのが、季節商品など、期間限定の商品・サービスにまつわる写真です。
季節限定で取り扱っている商品は、掲載時期によっては「今取り扱っていないもの」として誤解を招く可能性があります。
しかし、単純に写真を削除するだけでは、かえって機会損失につながる可能性も考えられます。
シーズン前からどのようなメニューを取り扱っているかを事前確認するような検索意図もあるため、そのまま削除するのではなく、その写真に画像編集アプリなどを用いて画面隅に「この商品は夏季限定になります」と言った文字を加え、再度アップロードしておくといいでしょう。
ただし写真の中心部分に画像編集でテキストを入れることはポリシーに抵触してしまいます。
ヘルプに書かれている「テキストは画面隅に10%ルール」があることに気をつけて編集、投稿して下さい。
<参照>
マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーヘルプ:各フォーマットに適用される要件
さらに写真の編集でいうと、料理や商品、イベント写真だけではなく、宿泊施設であれば「どのグレードのお部屋の写真なのか」であるとか、施術サービスであれば「どのプランの写真なのか」などの説明があれば非常にわかりやすくできます。
手間にはなりますが、写真一覧から検索者が得られる情報が豊富になります。
普段はなかなかそこまでの編集が難しいかもしれませんが、業務に余裕がある際にぜひトライしてみてください。繁忙期でお忙しい場合は、落ち着いてから取り組むことをお勧めします。
ユーザー投稿の写真の管理も
次に、ユーザー投稿の写真です。
これはお店側の投稿と仕組みが異なり、オーナー権限があっても自由に削除できないシステムになっています。あくまで「Googleに問題を報告する」というもので、確実に削除されるわけではありません。
ですが、問題になりそうな写真は可能な限り報告しておくといいでしょう。
なお、写真が問題として削除される基準は「ポリシーに違反していないか」になります。
また、明らかな問題であってもGoogleが機械的に解決できず、サポートでも審議判断できない場合、削除されないケースも非常に多いです。
その場合、投稿機能や写真を活用し、定期的に情報発信したり、可能な限りテキストで説明を加えた写真をアップロードしたりすることで、悪影響をある程度防げます。
まとめると、利用者からの投稿写真は玉石混交ではありますが、先述したとおりシステム的な面で全ては削除できません。
むしろユーザーから写真を投稿していただけているという状態はGoogleも評価対象にしています。あくまで「明らかにマイナスしか生まない写真」の問題を報告し、削除されなかった写真に関しては、店側の写真で誤解を生まないようにする投稿を行い、影響を少なくすることが大事です。
2.「属性」情報を整理しよう
2つ目のポイントは、属性です。そもそもGoogleビジネスプロフィールにおける「属性」とは何か、また属性情報を編集する方法について解説します。
「属性」とは?
Google の施設情報における属性とは、店舗・施設の特徴や、対応しているサービスをチェックの選択で「何に対応していて何に対応できないのか」を表示できる機能です。
例えば「テラス席の有無」や「Wi-Fiの有無」「車いす対応」「ペット不可」などの情報を示すことができます。
この仕組みは、店舗のメイン業種カテゴリで項目が決定されます。業種設定によってかなり項目が変わりますのでご注意ください。
関連記事:Googleビジネスプロフィールの属性とは?設定する方法・訪日客の集客につながる理由を紹介
なお、ポイントとして、この属性情報はGoogleビジネスプロフィールからの設定だけでなく、GoogleMapsのアンケートや、利用者からの情報修正提案でも変化するため、気づかないうちに意図しない設定になっていることがあるので注意が必要です。
関連記事:Googleビジネスプロフィールの属性とは?追加する方法・メリットを紹介
3. 昔の口コミ・口コミ返信を見直そう
3つ目のポイントは、過去の口コミやそれに対する返信です。
画像や属性などの基本情報だけでなく、顧客による口コミで発信された情報や、返信した内容がすでに古い情報となっている場合もあります。
これもなかなか普段は行えないので、誤解を生まないためにもまずは過去の口コミ、返信を確認してみましょう。
4. 特別営業時間を設定しよう
4つ目は営業時間です。
営業時間は、様々な事情により変更されることがあります。例えば、特定の期間やイベント時には、通常とは異なる時間で営業する店舗もあるでしょう。
顧客が店舗の営業時間を正しく把握するためには、Googleビジネスプロフィールの設定が不可欠です。
「特別営業時間」を活用しよう
Googleビジネスプロフィールには、休日や祝日、イベントなどの特殊な日に、一時的に営業時間が変わることを告知できる機能があります。それが「特別営業時間」です。
特別営業時間の設定を行うことで、臨時休業や変則的な営業時間を正確に伝えることができます。
応用する形で、投稿記事やビジネスの説明などにも投稿、明記しておくといいでしょう。
「臨時休業設定」もあるのですが、基本的に無期長期にわたって休業するわけでなければこの特別営業時間を使うほうがおすすめです。理由としては、臨時休業設定をすると、まれに反映に時間がかかり、営業しているのに臨時休業から戻らなかったりするトラブルがかなり多いためです。
なお、特別営業時間の編集内容はGoogleのシステムによって審査される仕組みがあり、設定したもののすぐに反映されるとは限りません。早め早めの設定を心掛けるようにしましょう。
関連記事:Googleビジネスプロフィールで「特別営業時間」を設定する方法とは?休日や祝日に対応
Googleビジネスプロフィールの情報を整理して、集客アップにつなげよう!
本記事では、Googleに表示される写真や属性、口コミや営業時間の編集方法について解説しました。
顧客がGoogleマップ上で最新の情報を把握できるようにすることは、店舗のデジタル集客において欠かせない要素となってきています。
店舗のデジタル集客を強化するこの機会に、「Googleビジネスプロフィールの情報整理」に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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