マレーシアと日本は、長年にわたり多方面で友好関係を築いてきました。マレーシア人の日常生活には日本食やアニメなどが浸透しており、日本文化が広く親しまれています。
本記事では、マレーシアの基本情報から日本との関係、マレーシア人が抱く日本のイメージまでわかりやすく解説します。
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マレーシアの基本情報
まずはマレーシアの基本情報を見ていきましょう。日本からの距離やインバウンドデータについてもあわせて解説します。
基本情報
面積 | 約33万平方キロメートル(日本の約0.9倍) |
人口 | 約3,350万人(2023年、マレーシア統計局) |
主要都市 | クアラルンプール(首都)、ジョホールバル、ペナン、コタキナバル、クチンなど |
言語 | |
宗教 | イスラム教(64%)、仏教(19%)、キリスト教(9%)、ヒンドゥー教(6%)、その他(2%) |
1人当たりGDP | 1万3,382米ドル |
訪日客数 | 50万6,883人(2024年) |
マレーシアは東南アジアに位置し、マレー半島とボルネオ島の一部から成る連邦国家です。面積は約33万平方キロメートルで、日本の約0.9倍。人口は約3,350万人(2023年時点)で、東南アジアの中でも比較的安定した経済成長を遂げています。
公用語はマレー語ですが、中国語やタミール語も広く話され、英語もビジネスや教育の場で使用されています。宗教はイスラム教が64%を占めているほか、仏教やキリスト教、ヒンドゥー教も信仰されており、多民族・多文化国家としての特徴があります。
経済面では、1人当たりGDPが1万3,382ドル(2023年)と東南アジアの中でも比較的高く、ASEAN諸国の中ではシンガポール、ブルネイに次ぐ水準です。
日本との距離
マレーシアの首都クアラルンプールと日本の間では、成田空港、羽田空港、関西国際空港など主要な空港から直行便が運航されています。フライト時間は出発地によって異なりますが、6時間半〜8時間程度となっています。
マレーシアと日本の時差は1時間で、日本の方が進んでいます。例えば日本が正午のとき、マレーシアは午前11時です。マレーシアではサマータイムを採用していないため、年間を通じて時差は変わりません。
このように、フライト時間が比較的短く時差も小さいため、マレーシアから日本への旅行は身体的な負担が少ないといえます。
インバウンドデータ
2024年の訪日マレーシア人数は50万6,883人でした。コロナ前2019年比で1.1%増、2023年比で21.9%増と、過去最高を記録しました。

また、訪日旅行消費額は1,092億円でした。2019年比で64.3%増、2023年比で17.2%増と、こちらも過去最高を更新しています。

1人当たりの消費額は21万6,437円で、全市場平均(22万6,851円)と比較するとやや低くなっています。また2019年と比較すると62.4%増加していますが、2023年比では3.4%減となっています。
関連記事:2024年の訪日マレーシア人数は50.7万人で過去最高【最新インバウンドデータを解説】
マレーシアと日本の関係をわかりやすく解説
日本とマレーシアは、長年にわたり良好な関係を維持しています。ここでは、両国の関係についてわかりやすく解説します。
「東方政策」をきっかけに絆が深まる
日本とマレーシアの政治関係は長年にわたり良好であり、1982年にマハティール首相(当時)が提唱した「東方政策」をきっかけに、両国の人的交流や相互理解が深まりました。「東方政策」とは、日本人の労働倫理、学習・勤労意欲、道徳、経営能力などが日本の発展の原動力と考え、これらを学ぶことで、マレーシアの経済・社会発展を目指す施策のことです。
2015年には、地域や国際社会の幅広い課題について、より協力を強化する「戦略的パートナーシップについての日マレーシア共同声明」を発表し、2023年には両国関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げしました。
また2025年1月には、石破首相が総理大臣就任後初の二国間訪問としてマレーシアを訪れ、アンワル首相と会談。両国の強固な関係を再確認し、今後の協力強化にも意欲を示しました。
日本は主要な貿易相手国の一つ
マレーシアにとって日本は主要な貿易相手国の一つであり、2023年の貿易統計では輸出入ともに5位にランクインしました。
特に、日本はマレーシアにとって天然ガスや石油の主要な輸出先であり、エネルギー資源の供給が貿易関係の大きな柱となっています。また日本からは電気機器、輸送用機器、一般機械などが輸出され、マレーシアの製造業やインフラ整備を支えています。
また、近年では日本産食品の輸出も急成長しており、マレーシアへの農林水産物・食品の輸出額は過去10年で約3倍に増加しています。
マレーシアで日本のさまざまな文化が浸透
マレーシアでは、日本食やポップカルチャーも人気を集めています。ここでは、マレーシアで親しまれている日本文化について紹介します。
日本食が食文化のひとつに
外務省が2023年に実施した対日世論調査では、マレーシア人の83%が和食に関心を持っていることがわかりました。
日本食はもはやブームを超えて、日常的に楽しまれるマレーシアの食文化の一部になりつつあるようです。かつては高級料理とされていた日本食でしたが、ラーメンや回転寿司の普及によって中間所得層にも浸透しています。クアラルンプールには日本の百貨店も進出しており、寿司や惣菜などが販売されています。
このようにマレーシア人は日本食に親しみを持っており、訪日旅行の際の楽しみとして「日本食を食べること」が多く挙げられています。
日本のアニメが日常的に放送
マレーシアでは、日本のアニメがNetflixや地上波など、さまざまなチャネルで放送されています。
「ドラえもん」「ポケットモンスター」やスタジオジブリ作品は人気アニメとして定着しており、「NARUTO」「ONE PIECE」「鬼滅の刃」なども若者を中心に高い人気を誇ります。
またアニメ・漫画・ゲームのイベントも開催されており、数万人のファンが集まるほどの盛り上がりを見せています。
若年層は日本のサブカルチャーを体験したいという希望も強く、漫画やアニメが訪日旅行の目的にもなっているようです。
関連記事:聖地巡礼によるインバウンド集客の可能性は?ポイントや事例も紹介
マレーシア人が日本に抱くイメージ
マレーシア人の多くは、日本に対して好意的な印象を持っています。ここでは、マレーシア人が抱く日本のイメージについて紹介します。
日本に対しては若者を中心に好印象
外務省の調査では、マレーシア人が日本に対して抱いているイメージとして、「経済力・技術力の高い国」「豊かな伝統と文化を持つ国」「生活水準の高い国」「自然の美しい国」などが挙げられました。
また、日本のことを「信頼できる」と回答した割合は84%、日本と「友好関係にある」と回答した割合は88%となっています。
特にマレーシアの若者は、日本に対して好意的であるとされています。
自国にはない自然に惹かれる
マレーシア人にとって、自国では見られない日本の多様な自然景観は、大きな魅力です。特に桜鑑賞やスキー・雪遊びなど、季節を満喫できる旅行商品の人気が高くなっています。
また日本の日常生活にある最新技術を探すことも、訪日旅行の楽しみであるようです。訪日マレーシア人が見つけた最新の家電製品は、口コミで広がり、マレーシア国内で注目されることもあるといいます。
言語は訪日旅行の障壁の一つではあるものの、近年は英語表示が進んでいるため、英語に慣れている若年層にとっては旅行しやすい環境が整いつつあります。
また、マレーシアの人口の約6割はムスリムであり、豚肉やアルコールなどを口にすることができません。安心して食事を楽しめるよう、飲食店では使われている食材を明記するなどの対応を行うことが望ましいでしょう。
関連記事:宗教別の食べてはいけないものを一覧で紹介!押さえておきたいタブーと飲食店での対策とは
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ここまで、マレーシアと日本の政治・経済的なつながりをはじめ、現地に根付いた日本文化や、日本への印象について解説しました。
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<参照>
- 外務省:
- 首相官邸:日・マレーシア共同記者発表
- 農林水産省:日本産食品の輸出が大きく伸長しているマレーシアに輸出支援プラットフォームを設置!
- 日本政府観光局(JNTO):
- 観光庁:インバウンド消費動向調査
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