観光庁の秡川 直也(はらいかわ なおや)長官は6月18日、定例会見を実施。同日発表された日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計について報告しました。
2025年5月の訪日外客数推計値は369.3万人で、5月として過去最高を記録。また出国日本人数は107.7万人で、前年から14.3%増加しました。
さらに長官は、香港市場の動向や、新たな観光立国推進基本計画などについても所感を述べました。
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訪日外客数、5月として過去最高 「これほど順調な1年はない」
秡川長官は、5月の訪日外客数が同月で過去最高になったことについて、「国によって訪日シーズンに特色はあるものの、全体的に勢いが増している」とコメントしました。
また、観光庁長官就任から1年が経過したことについて、「これほどまでに順調だった1年は過去なかったと思う。今まで行ってきた様々な取り組みがうまく噛み合い、成果として現れている」と振り返りました。
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地震予言、影響は限定的 正確な情報発信を推進
また5月の訪日香港人数については、すべての国・地域のなかで唯一前年比で減少しており、特徴的な点であると述べました。
秡川長官は、香港国内において「7月に日本で大災害(震災)が起きる」という噂が広まっていることについても言及。
香港の旅行会社の中には実際に予約が減少しているところがあるものの、中国や韓国、台湾など、他の国においてはこうした影響は見られていないとしています。
気象庁は「日時を特定しての震災の予見は科学的に不可能」と明言しており、JNTO香港事務所では正確な情報を参考にするよう旅行者に発信するとともに、現地の旅行会社との連携を行なっているということです。
また、韓国の李在明(イ・ジェミョン)新大統領の就任については、今年が日韓国交正常化60周年という節目の年であること、そして今年5か月間の訪日韓国人数が過去最多となっていることに触れ、「引き続き、数字を伸ばしていけるよう取り組んでいきたい」と述べました。
新たな「観光立国推進基本計画」策定に向けて議論中
政府では、2030年訪日客数6,000万人・消費額15兆円という目標達成に向け、新たな観光立国推進基本計画について検討を行っており、先日発表された「経済財政運営と改革の基本方針2025」(骨太方針2025)でもその内容が盛り込まれています。
秡川長官は、今後どのような政策が必要になるか議論を進めているとしたうえで、先日石破首相が言及した出国税を含め、必要な財源の確保についても今後議論されるだろうと述べました。
また、廃止案が報道されている免税制度に関しては、現在の基本計画の中でショッピングツーリズムを推進する制度として位置付けられており、引き続き重要であるとコメントしました。
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地域支援により、高付加価値旅行市場が拡大
先日のJNTOの発表において、2023年の訪日高付加価値旅行市場が、2019年から大幅に増加したことがわかりました。
秡川長官はこのことについて、観光庁はこれまで、モデル観光地に対してコンテンツ開発やプロモーション、体験コンテンツ造成などを支援しており、そうした取り組みの成果が現れたと述べました。
また、コロナ禍で減少したクルーズ船については、ピークであった2017年の6割まで回復していると言及。クルーズ見本市への出展や旅行会社向けのセミナー開催などで、引き続き誘致拡大を推進したいとしました。
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