成田空港、2027年度までの経営計画を発表 総旅客数4,700万人目指す

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成田国際空港株式会社(以下、NAA)は5月29日、2025〜2027年度のNAAグループ中期経営計画を発表。前中期経営計画の振り返りと、今後の成長に向けた構想を取りまとめました。

2024年度は多くの項目で目標を達成しており、2027年度は航空総旅客数4,700万人の目標を掲げます。

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2027年度は総旅客数4,700万人目指す

まずは前中期経営計画の総括として、2024年実績の振り返りがまとめられました。2024年度は、多くの項目で目標を達成しています。(目標達成した項目:太字)

  • 航空機発着回数:24.5万回(目標 25.1万回)
  • 航空総旅客数:4,077万人(目標 3,990万人)
  • LCCシェア:47.6%(目標 47%)
  • 連結営業利益:422億円(目標 200億円以上)
  • 空港内免税店・物販店・飲食店売上高:1,950億円(目標 1,300億円以上)

また2027年度の経営目標としては、航空機発着回数29.0万回(2024年度実績24.5万回)、航空総旅客数4,700万人(2024年度実績4,077万人)、国際線外国人旅客数2,650万人(2024年度実績2,273万人)を掲げています。

今後3年間を「進化の加速期間」に

本中期経営計画では、2030年にありたい姿として、「クリエイション(需要対応空港から価値創造空港への進化)」「サステナビリティ(次世代に向けた持続可能な空港づくり)」「レジリエンス(柔軟で強靭な企業グループへの変革)」の3つの実現を引き続き目指すとしました。

航空需要の回復期から再成長期に転じた今、これからの3年間を「新時代の成田空港に向けた変革の加速期間」と位置づけ、“価値創造空港”への進化に向けて加速していきます。

▲本中期経営計画の位置づけ: NAAグループ中期経営計画より
▲本中期経営計画の位置づけ: NAAグループ中期経営計画より

本計画における経営の軸は、「空港将来像の具現化」「航空ネットワークの充実」「経営資源の強化」としています。

特に「航空ネットワークの充実」では、全国のインバウンド需要が拡大している中で、2030年の訪日外国人目標6,000万人に向けて、日本の玄関口としてのネットワークを拡充します。

また「空港将来像の具現化」では、“空港をつくる”は“国をつくる”として、海外での空港建設・拡張や、旅客ニーズの多様化を踏まえ、具体的な将来像の提示が必要だとしました。

▲本中期経営計画における経営の軸:NAAグループ中期経営計画より
▲本中期経営計画における経営の軸:NAAグループ中期経営計画より

本計画では、これまでの進捗と環境変化を踏まえ、3つの軸に結びついた12の施策テーマについて一部アップデートを行いました。

▲3つの軸と連携する12の施策テーマ:NAAグループ中期経営計画より
▲3つの軸と連携する12の施策テーマ:NAAグループ中期経営計画より

インバウンドに関わる3つのテーマを紹介

今回は、12の施策テーマの中から、特にインバウンドと関係するテーマを3つ取り上げて解説します。

インバウンド取り込みに向け航空ネットワークを拡充

2030年の訪日外客数目標達成に貢献するため、インバウンドの着実な取り込みに向けた取り組みを推進します。「航空ネットワークの拡充」の観点では、具体的に以下が行われます。

  • アジア・北米・中東へのネットワーク拡充と、乗り継ぎ機会の創出
  • 旅行代理店などの関係機関と連携したインバウンド・マーケティング活動
  • アウトバウンド(日本人の海外旅行)需要の喚起
  • 国内線ネットワークの維持・拡大

訪日客が日本各地へスムーズに乗り継ぎできる環境を整備することで、地方誘客への貢献も期待されます。

関連記事:JALとJTB、万博を契機にインバウンドの地方周遊を促進 国内地方路線を活用

▲パートナーとの共創による航空ネットワークの拡充:NAAグループ中期経営計画より
▲パートナーとの共創による航空ネットワークの拡充:NAAグループ中期経営計画より

機能強化の推進と「新しい成田空港」構想の具現化

発着容量の拡大を図るため、B滑走路の延伸およびC滑走路の新設に関して、着実な整備推進や対応準備を行います。

また、中長期的な国際競争力確保に向け、「新しい成田空港」構想におけるマスタープランの策定や、関係事業者との連携を行います。

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▲更なる機能強化の着実な推進と『新しい成田空港』構想の具現化:NAAグループ中期経営計画より
▲更なる機能強化の着実な推進と『新しい成田空港』構想の具現化:NAAグループ中期経営計画より

「成田ならでは」の特別な体験を提供

旅マエから旅アトまで、「成田ならでは」の特別な体験を提供し、日本の玄関口としての魅力を高めます。

旅客プロセス効率化の促進

旅客手続きの自動化プログラム「Fast Travel」の推進のため、機器の追加整備、Face Express(顔認証)のモバイルアプリ導入を行います。また、エニタイムチェックイン実現に向けて、早期手荷物保管システム(EBS)の整備を行います。

NAAでは2030年までに、搭乗にかかる手続きの待ち時間を平均10分、降機から到着ロビーまでの手続きの待ち時間を平均30分にすることを目指しています。

関連記事:入国手続きを効率化「共同キオスク」4/1から関空・羽田・成田で運用開始

商業施設のさらなる充実

インバウンド旅客を軸に、商業施設の充実を図ります。2026年春供用に向けた第1ターミナル4階・5階のリニューアルでは、日本の文化や自然をテーマにした空間演出が推進されます。

空港アクセス改善と旅客体験価値の向上

交通事業者と連携した駅の混雑対策や、VOC(Voice of Customer)収集によるPDCAサイクルの構築を行います。

ビジネスジェットの利用促進

ビジネスジェット専用ターミナル「Premier Gate」の改修・増設による処理能力向上や、運用ルールの見直しによる利便性向上を目指します。

▲「成田ならでは」の次世代型旅客体験の創出:NAAグループ中期経営計画より
▲「成田ならでは」の次世代型旅客体験の創出:NAAグループ中期経営計画より

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<参照>

成田国際空港株式会社:2025~2027年度 NAAグループ中期経営計画

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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