京阪神3者そろったセッションも!「観光クロスオーバーサミット」8/1開幕に向け、プレイベント「前々夜祭」が開催

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8月1日に開催される「観光クロスオーバーサミット 2025」。観光産業の未来を担う人々が一堂に会し、観光の可能性を共に広げていく共創の場です。

サミットの開催へ向け、前々日の7月30日に「観光クロスオーバーサミット前々夜祭」が開催。イノベーション、地方創生万博後の未来の観光をテーマに3つのセッション、各社ブース出展が行われました。

京阪神3者そろったセッションも!「観光クロスオーバーサミット」8/1開幕に向け、プレイベント「前々夜祭」が開催
▲京阪神3者そろったセッションも!「観光クロスオーバーサミット」8/1開幕に向け、プレイベント「前々夜祭」が開催

関連記事:「観光クロスオーバーサミット2025」大阪・関西万博会場にて8/1開催

「観光クロスオーバーサミット 前々夜祭」現地の様子は?

大阪の街を一望できる展望施設「WowUs(ワオアス)」で行われた本イベントには、観光事業者、地方自治体、若手起業家やスタートアップなど、200名超が集まりました。

「観光クロスオーバーサミット」8/1開幕に向け、プレイベント「前々夜祭」が開催
▲セッションの様子

「観光クロスオーバーサミット」8/1開幕に向け、プレイベント「前々夜祭」が開催
▲出展ブースの様子

「観光クロスオーバーサミット」8/1開幕に向け、プレイベント「前々夜祭」が開催
▲出展企業紹介の様子

出展企業の中には、高校生以下の学生のみで運営している団体も。観光業界における若手の活躍にも期待が高まるイベントとなりました。

左がCG・J代表。現役高校生でありながら地域を盛り上げるボランティア活動に取り組んでいるという
▲左がCG・J代表。現役高校生でありながら地域を盛り上げるボランティア活動に取り組んでいるという

セッション1. 「観光のイノベーションを考える」

イベントでは、業界のキーパーソンを招いたセッションも行われました。

1つ目のセッションは「観光のイノベーションを考える」。大阪観光局 マーケティング戦略部長 牧田 拡樹氏、Vpon JAPAN ディレクター 鮎澤 貴氏、政策渉外ドゥタンク・クロスボーダー代表取締役 新経済連盟渉外アドバイザー 小木曽 稔氏が登壇しました。

観光のイノベーションを考える
▲セッション1. 「観光のイノベーションを考える」

牧田氏は、「行政は2年か3年で担当が変わるため『自分の任期中にダメなことがあったら困る』というバイアスがかかり、マーケティングまではいくが、なかなかその先に行かない」と問題提起。また、「インバウンド大阪市内に一極集中している。どう分散させるかがミッションで、大阪府宿泊税を使って市町村と連携しているところだ」と、今話題の宿泊税の使途についても言及しました。

鮎澤氏は観光に関わりたい、イノベーションしたい人に向けてのヒントを問われると、「自分で地方に飛び込んでみるのが一番いい」とした上で、「地方の人の流れ・お金の流れ・情報の流れがデータとして可視化されていないと、とっかかりが全くない。最初はデータが揃っている地域に入ってから飛び込むといいのではないか」としました。また、それに対して地域側がやるべきことは「データを揃えて安心して飛び込める環境を整えることではないか」と述べました。

小木曽氏は観光業界の課題について、「異分野間で連携し、裾野を広げる『クロスオーバー』の概念をどう導入するか。いろんな関係者をまとめ、マネジメントする『コーディネーター』が今後の日本の観光業界に必要となる。今回のクロスオーバーサミットの開催は、まさに象徴的だ」と語りました。

セッション2. 「観光で描く地方創生」

2つ目のセッションは「観光で描く地方創生」。企画屋かざあな 番頭・スタイルプラス 代表取締役 川口 洋一郎氏、下関市観光スポーツ文化部次長 永岡 裕治氏、積水ハウスホテルマネジメント株式会社 フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト マーケティング部 マネージャー 豊崎 竜也氏が登壇しました。

観光で描く地方創生
▲セッション2. 「観光で描く地方創生」

川口氏は「地域を根っから好きな人がやるのが大事」と地方創生に関わる人材像を語ったほか、「観光地は『自分たちの商品を売る』という意識の人が多いが、観光する人は『自分探し』とか『リフレッシュ』のために来ていたりする。観光客が何を求めて来ているのかを知ることが重要」と語りました。

豊崎氏は、「道の駅プロジェクト」として全国各地に旅の拠点を置き、各地域への旅を盛り上げてきた経験から、「(地域を無視して)強引に進めると、継続して取り組みができなくなる。地域とWin-Winの関係を作るのが重要」と強調しました。

永岡氏は「若い人のチャレンジを応援したいという思いで、このセッションにも参加した」と経緯を語ったほか、「観光は地域のことを大事に思ってくれる地域住民がいないと成立しない」と住民理解の必要性を主張。また、「下関市にはまだオーバーツーリズムの悩みはないので、ぜひ来てほしい」と呼びかけました。

セッション3. 「観光の未来を万博から」京阪神3者そろったセッションが実現

3つ目のセッションは「観光の未来を万博から」。大阪観光局MICE政策統括官 田中 嘉一氏、京都市 東京事務所 所長 竹内 清氏、神戸市 経済観光局 新産業創造課 課長 出口 幸治氏が登壇し、京阪神の3者がそろった「夢のセッション」が実現しました。

「観光の未来を万博から」京阪神3者そろった「夢のセッション」が実現
▲セッション3. 「観光の未来を万博から」京阪神3者そろった「夢のセッション」が実現

まずは、万博後も見すえた各地域の取り組み・重視することをテーマにディスカッション。田中氏は、「万博では、世界中から160の地域を受け入れる中で『多様性』『多文化共生』がテーマ。留学生、LGBTQなど、誰が来てもあたたかく迎える場所にしたい」と語りました。

竹内氏は、「任天堂や京セラなども京都にある。観光都市だけじゃなく、文化都市・産業都市としての京都も知ってほしい」と述べました。

出口氏は、「万博は皆さんが思っている以上に各国からいろんな人が来ている。海外からの注目度が高い」とその影響力を改めて強調。神戸市としては、4月に神戸空港が国際化されたことを大きな転換点として挙げました。

続いて、議論は「京阪神の連携」がテーマに。田中氏は「たとえば神戸空港の国際化は、大阪にも大きなメリットがある。神戸も大阪の一部、というと語弊があるが(笑)、この関係性で“連携”という(消極的な)言葉はナンセンスだ。できるだけ顔を合わせ、議論をし、共通のプロジェクトをやりたい」と足並み揃えた取り組みの実施に意欲を示しました。さらに「京阪神には日本の文化財の7割が集中している。日本文化体験したかったら、絶対訪れなきゃいけないのが関西だ」と魅力をアピールしました。

竹内氏は、「(京都は)大阪と特に仲が悪いと思われてそうだが(笑)、京阪神は電車で30分の距離であり、コンパクトに大きな経済圏があるのが特徴。京阪神が一体となって、それぞれの特色を守りながらいいところを寄せ集めて周遊していただき、経済を回していく必要がある」と述べました。また、「行政もこうした取り組みを行うが、本当のプレイヤーは民間。新しいことをやるのはスタートアップだ」と民間起点の革新的なアイデアに期待を寄せました。

出口氏は、「関西全体のGDPを合わせると、オランダ一国に匹敵すると言われている」として、経済圏としての規模の大きさを強調。

※編集部注:オランダのGDPは世界ランキング18位とEU内でも上位に位置。国民一人当たりGDPが高いことで知られる

また、竹内氏が言及したスタートアップについても「関西はスタートアップの取り組みを支援する『グローバルスタートアップエコシステム』の拠点として、京阪神一体で登録している。世界で勝負するスタートアップを支援するには、地域間の競争に気を取られていては仕方がない」と、京阪神が一致団結することの重要性を語りました。

【8/1】観光クロスオーバーサミット、万博会場内で開催

8月1日、大阪・関西万博会場のフェスティバルステーションにて、「観光クロスオーバーサミット2025」が開催されます。

スタートアップや若者などが一堂に会し、「新しい観光のかたち」を議論する場として、今年は合計1,000名以上の来場を予定しています。また、基調講演には、元観光庁長官・大阪観光局理事長の溝畑 宏氏が登壇します。

イベント概要

  • イベント名:観光クロスオーバーサミット2025
  • 開催日時:2025年8月1日(金)12:45~18:45
  • 開催場所:大阪・関西万博会場(夢洲)フェスティバルステーション
  • 主催:観光クロスオーバーサミット2025実行委員会
  • 公式HP:https://kankou-xoversummit2025.com/
  • 想定来場者数:1,000名以上(うちU30:200名)
  • 参加費:無料(万博チケットが別途必要となります)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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