中国のマーケティング・ソリューション会社であるDragon Trailは、2025年7月の中国人海外旅行者調査の結果を公表しました。
同レポートによると、2025年上半期における中国の海外旅行市場は好調であり、また中国の旅行事業関係者が積極的にファムトリップやオフライン研修へ参加していることがわかりました。
なお同レポートは、6月17日から23日にかけて、海外旅行を販売している280人の中国人旅行業界関係者を対象に実施された調査結果に基づいています。
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旅行代理店の61%が「2024年よりも好調」と回答
調査対象となった旅行代理店の61%が、2025年上半期は2024年と比較して好調だったと回答しました。
2025年上半期に成長した旅行商品については、以下が挙げられています。
- 家族旅行
- 研修旅行
- 新しいニッチな目的地
- パーソナライズされたテーマ別の旅行商品
また、旅行代理店によるツアー販売数が最も多かったのはアジア、次いでヨーロッパという結果になりました。アジアの中では東アジア、ヨーロッパの中では西ヨーロッパが人気を集めました。
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ファムトリップ先トップは日本
中国の旅行業界関係者の傾向については、海外の観光地との協業として、オフラインイベントが好まれることがわかりました。
なかでも、オフラインでの研修や、観光業界の関係者を招いてプロモーションを行うファムトリップに参加する関係者が多い傾向にあります。
中国の経済活動再開以降に、回答者の90%が海外旅行のファムトリップに参加しました。また、81%は海外旅行ブランドの研修活動に参加し、そのうち約4分の3はオフライン研修に参加しました。
特に日本は、過去2年間のファムトリップと研修の両方がトップ国となっており、中国人旅行者にとっても最も人気のある海外旅行先でもあります。
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82%が自社でAI活用 旅行アシスタント・言語サポートなど
同レポートでは、中国の旅行代理店のAIテクノロジーの活用についても調査され、82%が自社でAIテクノロジーが導入されていると回答しました。
具体的な使用場面としては、旅行アシスタントや翻訳、言語サポートなどが多く挙がりました。
同社は調査を通じて、中国人旅行者は画一的なアプローチに満足していないと分析しており、カスタマイズされた旅行商品は、業界にとってビジネスチャンスであると同時に、最大の課題でもあるとしています。同社は、細分化する需要への対応策としてAIの導入を挙げており、AI活用の重要性が増している様子がうかがえます。
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<参照>
Dragon Trail International:Chinese Outbound Travel Trade Survey: July 2025
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