欧米豪のニーズを捉えた観光体験とは?大阪を拠点にローカルツアー・ガイドを提供する「Osaka JOINER」に学ぶ【アーカイブ動画公開中】

THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ- アーカイブ無料配信中
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「訪日ラボ」を運営する株式会社movは、8月5日にインバウンドカンファレンスTHE INBOUND DAY 2025」を開催しました。

会場には、インバウンド事業に携わる企業・団体・自治体・個人などが来場し、多くの講演が満席となる盛況ぶりを見せました。

本記事では、当日行われた講演「欧米豪に刺さる『ローカルイマーシブ体験』。旅行者と地域を『つなぐ』コンテンツの仕組みとガイド像」の様子を特別にご紹介します。

▲欧米豪に刺さる『ローカルイマーシブ体験』。旅行者と地域を『つなぐ』コンテンツの仕組みとガイド像:訪日ラボ撮影
▲欧米豪に刺さる『ローカルイマーシブ体験』。旅行者と地域を『つなぐ』コンテンツの仕組みとガイド像:訪日ラボ撮影

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「THE INBOUND DAY 2025」とは?

訪日ラボが培ってきた業界ネットワークを活かし、各領域のトップランナーや第一線で活躍する事業者が一堂に会するカンファレンスです。初開催となる今回は、TODAホール&カンファレンス東京にて行われました。

基調講演では、元大阪府知事 橋下 徹氏と現大阪観光局理事長 溝畑 宏氏の初対談が実現。そのほかにも、アパグループやUber Japan、大衆点評など、多彩な顔ぶれが登壇しました。

→「THE INBOUND DAY 2025」のレポートを詳しく見る

欧米豪旅行者のニーズを捉えた、ローカルイマーシブ体験の最前線

株式会社大阪メトロアドエラ インバウンド事業部 部長の吉田瑛仁氏と佐々木美恵氏が登壇したセッションでは、日本のインバウンド市場で注目される「ローカルイマーシブ」な観光体験がテーマとなりました。

吉田氏からは同社が運営する「Osaka JOINER」の概要や仕組みについて、佐々木氏からはそれを活用した具体的な事例が紹介され、他地域にも応用できる最新の知見が共有されました。

「Osaka JOINER」の3つの価値

欧米や豪州からの旅行者ニーズに応えるガイド体験を企画・運営する「Osaka JOINER」。訪日旅行者と地域をつなぐ交流型スキームで、多様な事業者やガイドが参画し、「当日申し込み可能なローカルイマーシブ体験」を提供しています。

吉田氏は、日本の観光業界が従来プロモーション主導の「売り手目線」に偏り、旅行者の実際のニーズから離れていた点を指摘。その課題を踏まえ、大阪メトロアドエラは地域活性化を目的に「Osaka JOINER」を展開し、旅行者視点を重視したプログラムを実現しました。その結果、高付加価値を求める旅行者からも高い評価を得ています。

以下では、「Osaka JOINER」の3つの価値についてご紹介します。

1. ローカル

旅行者の消費行動は「モノ消費」から「コト消費」、そして「イミ消費」へと進化しています。いま注目されているのが「イマーシブ」、つまり対象や世界観に没入する体験です。

「Osaka JOINER」が特に注力しているのは、この中でも「生活没入」の分野です。地域の暮らしに溶け込み、歴史や文化を肌で感じる体験を指します。たとえば地元の市場やレストランを訪れて食文化を体感したり、住民から地域のストーリーを聞いたりすることがその代表例です。

2. 直近対応

吉田氏は観光庁のオープンデータをもとに、欧米豪の旅行者は旅の途中で情報を集め、フットワーク軽く行動する傾向があると分析。そのためターゲットにする際は「旅マエ」だけでなく、旅行中のプロモーションが重要となります。

実際、当日の予約データを見ると、観光は早朝、バーホッピングは深夜といったように、旅先で突発的なニーズが多く生まれていることが分かります。

そこで「Osaka JOINER」では、直前や当日でも予約できる即応性を備えています。

3. パーソナライズ

日本のガイドは通常、決まった工程を案内しますが、吉田氏は「旅行者と常にコミュニケーションを取り、柔軟に対応することが満足度に直結する」と話します。

これについて「Osaka JOINER」では、画一的なパッケージではなく、旅行者のニーズに応じて柔軟にアレンジしています。

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▲株式会社大阪メトロアドエラ インバウンド事業部 部長 吉田 瑛仁氏
▲株式会社大阪メトロアドエラ インバウンド事業部 部長 吉田 瑛仁氏

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ローカルと旅行者をつなぐ「JOINER」

「Osaka JOINER」では、所属するガイドを「JOINER」と呼び、ローカル(地域)と旅行者をつなぐ存在として位置付けています。未経験者や副業・兼業人材も積極的に採用し、育成プログラムを通じて、特定の人材に依存せず質の高いサービスを提供できる仕組みを構築しています。

講演では佐々木氏が育成プログラムの内容を紹介。まずは「旅行者と地域をつなぐことがJOINERの使命である」というマインドセットを学び、旅行者を盛り上げる技術やツアー運営の工夫を、約30時間の短期間で実践的に習得できます。

JOINERベースがつくるインバウンドの輪

旅ナカインバウンド拠点であるJOINERベースは、地域の事業者との交流の場としても活用されています。佐々木氏によれば、SNSなどカジュアルなツールを通じ、インバウンド対策に悩む事業者に対して、欧米豪旅行者と接する中で得られた知見を積極的に共有しているとのことです。

特定のプレーヤーだけでなく、地域や中小、個人事業者も巻き込み、インバウンドの取り組みを広く展開していくことを目指しています。

▲株式会社大阪メトロアドエラ営業本部 インバウンド事業部 佐々木 美恵氏
▲株式会社大阪メトロアドエラ営業本部 インバウンド事業部 佐々木 美恵氏

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大きな可能性を秘めた「ローカルなインバウンド対策」

講演の最後に、吉田氏は「インバウンドはポテンシャルだ」と述べ、対策の方向性を旅行者・マーケット・ローカルの3つに向ける重要性を強調しました。情報は入手しやすくなったものの、一般論ではなく、自分たちのターゲットや地域に応じて分析し、方向性を緻密にすり合わせることが必要だと語ります。

また、地域に良い影響をもたらすインバウンド市場では、旅行者との接点を一つひとつ大切にし、ホスピタリティあるコミュニケーションを行うことが求められています。佐々木氏も、インバウンドを「身近な存在」と捉え、市場が拡大する中でもローカルな視点を持って取り組む意義を強調し、講演は締めくくられました。

詳しくは動画で公開中!

講演では、実際の資料を用いてJOINERの研修内容が紹介されたほか、提供するツアーの詳細についても取り上げられました。

さらに詳しい内容を知りたい方は、ぜひアーカイブ配信をご覧ください。

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「THE INBOUND DAY」では、他にも豪華ゲストが登壇

THE INBOUND DAY 2025」では、このほかにも豪華ゲストによる多彩な講演が行われました。その他のアーカイブ配信についてもぜひご覧ください。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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