香港はインバウンドにおける主要市場の一つであり、国・地域別の訪日数の割合では常に上位に位置しています。祝日や連休の時期には、多くの観光客が日本を訪れる傾向があるため、香港の祝日を把握しておくことは、インバウンド対策として重要なポイントです。
本記事では、2026年の香港の祝日・連休をまとめて紹介し、香港市場における最新のインバウンド動向についても解説します。
- 2026年の香港の祝日・連休一覧
- 1月1日(木) 元旦
- 2月17日(火)〜19日(木):旧正月【3連休】
- 4月3日(金)〜7日(火):イースター(復活祭)・清明節【5連休】
- 5月1日(金) 労働節(メーデー)【3連休】
- 5月25日(月):釈迦誕生日(仏誕)の翌日【3連休】
- 6月19日(金) 端午節【3連休】
- 7月1日(水) 香港特別行政区設立記念日
- 9月26日(土) 中秋節翌日
- 10月1日(木) 国慶節
- 10月19日(月) 重陽節翌日【3連休】
- 12月25日(金) 〜26日(土)クリスマス、ボクシング・デー【3連休】
- 企業や学校の休暇制度について
- 2024年の訪日香港人数は国・地域別で第5位
- 香港人の訪日消費額は国・地域別で5位
- 香港の祝日・連休を把握し、集客チャンスを逃さない
目次
2026年の香港の祝日・連休一覧
香港の祝日は中国本土と一部異なり、独自の歴史や文化を反映したものが多くあります。中国文化と西洋文化が融合している点も特徴です。
また、香港では祝日に休暇を組み合わせて連休を作り、海外旅行を計画する人が多い傾向があります。とくに旧正月、イースター、クリスマスの時期は日本への旅行需要が集中しやすいため、観光関連事業者にとって重要な商機となります。
1月1日(木) 元旦
西洋暦で新年を祝う国際的な祝日です。2日(金)に休暇を取得すれば、週末とつながり4連休となります。
2月17日(火)〜19日(木):旧正月【3連休】
香港で最も大きいお祭りの一つで、ランタンや獅子舞、縁起の良い料理などで祝います。祝日は17日(火)〜19日(木)の3連休ですが、前後の16日(月)と20日(金)に休暇を取得すれば、最大9連休となります。
4月3日(金)〜7日(火):イースター(復活祭)・清明節【5連休】
イースターはキリスト教の重要なお祭りです。香港はかつてイギリスの統治下にあったため、イースターの連休が定着しており、旅行に出かける人も多くいます。
清明節は、先祖のお墓参りをする日で、中国文化に根ざした伝統行事です。
2026年の清明節は日曜日にあたるため6日(月)を振替休日とし、さらにその日はイースターマンデーに当たるため、7日(火)を振替休日としています。さらに、8日(水)〜10日(金)に休暇を取得すれば、最大10連休となります。
5月1日(金) 労働節(メーデー)【3連休】
労働者をたたえる祝日です。土日を組み合わせて3連休になります。
5月25日(月):釈迦誕生日(仏誕)の翌日【3連休】
仏教行事で、釈迦の生誕を祝う日です。当日は日曜日に当たるため、翌日を振替休日としています。土日を組み合わせて3連休になります。
6月19日(金) 端午節【3連休】
祖先を祀り、ちまきを食べる習慣があります。またこの日は「龍船節(ドラゴンボート・フェスティバル)」とも呼ばれ、ボートレースが開催されます。土日を組み合わせて3連休になります。
7月1日(水) 香港特別行政区設立記念日
香港がイギリスから中国へ返還され、「特別行政区」になったことを記念する日です。記念式典やセレモニーなどが開かれます。
9月26日(土) 中秋節翌日
中華圏での三大節句「中秋節」の翌日です。中秋節当日の夜には、月見をしながら月餅を食べる習慣があります。
10月1日(木) 国慶節
中国の建国記念日です。中国本土では大型連休となりますが、香港では当日のみが祝日になります。
10月19日(月) 重陽節翌日【3連休】
2000年以上続く伝統的な祭日で、先祖の墓参りをする日とされています。当日は日曜日に当たるため、翌日を振替休日としています。土日を組み合わせて3連休になります。
12月25日(金) 〜26日(土)クリスマス、ボクシング・デー【3連休】
香港はかつてイギリスの統治下にあったことから、クリスマスが祝日となっています。ボクシング・デーもキリスト教由来の祝日で、クリスマス後の最初の平日を指します。香港の商業施設では、この時期に大規模セールが行われます。
1月1日(金)の元旦と組み合わせて休暇を取得する人も多く、12月25日〜1月3日で10連休とする人もいると予想されます。
※2026年の香港における祝日日程は、香港特別行政区政府のページを参照しています。
企業や学校の休暇制度について
香港では、7日間に少なくとも1日の休息日を設けることが規定されています。多くの企業では週休二日制を導入し、土日を休みとしています。土曜日が祝日と重なった場合でも振り替え休日は設けられません。
また、労働基準法により、傷害・病気休暇や慶弔休暇とは別に、年次有給休暇が雇用年数に応じて付与されます。勤続1年以上3年未満の被雇用者には7日、以降、勤続1年ごとに1日ずつ加算され、最長で年14日まで付与されます。
学校では旧正月休暇(1月〜2月頃)、イースター休暇(3月〜4月頃)、夏季休暇(7月〜8月頃)、クリスマスおよび正月休暇(12月〜1月頃)があります。最も長い夏季休暇は1か月〜1か月半ほど、旧正月やイースター、クリスマス・正月休暇はそれぞれ10〜13日ほどあります。
2024年の訪日香港人数は国・地域別で第5位
香港は、海外旅行者のほとんどが訪日経験者である成熟市場です。9割がリピーターで、6回以上の訪日旅行経験者は半数を超え、そのうち10回以上の経験者も35%と多くなっています。そのため、いかにリピーターを取り込むか、地方都市への周遊促進を図るかが鍵となっています。
ここでは、2024年と2025年の訪日外客統計のデータをもとに、香港市場の動向について解説します。
関連記事:6月の訪日香港人数16.7万人、「地震予言」で減少傾向に:香港市場の最新インバウンドデータを徹底解説【2025年上半期】
2024年の訪日香港人数は268.3万人
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2024年の訪日香港人客数は268.3万人で、国・地域別では第5位でした。コロナ禍前の2019年比で17.1%増、2023年比で26.9%増となり、年間の訪日客数としては過去最高を記録しています。地方路線を含む新規就航や復便、増便などが訪日客数の増加に寄与したと考えられます。
2025年に入ってからは、4月に航空便の新規就航や増便、清明節に伴う連休やイースターなどによって前年比で大きく伸長し、前年比42.9%増となりました。しかし、「7月に日本で大災害(震災)が発生する」という噂がSNSで拡散された影響で、6月は前年比33.5%減、7月は同36.9%減と大きく落ち込みました。
予言の日とされた7月5日が無事に過ぎてからは、香港の観光業界は一斉に訪日キャンペーンを開始しています。直近8月の訪日数は、同8.3%減と、その減少幅は小さくなりつつあります。
一般的に、旅行の検討から実際の訪日までは一定の時間がかかります。香港市場は依然として重要なインバウンド市場であるため、直近の状況だけで判断せず、今後の動向を見極める必要があるでしょう。
関連記事:8月の訪日客数、香港は前年比減が続くも「状況はかなり改善」【観光庁長官会見】

訪日ピークは7月と12月
香港人の訪日ピークは、夏休みのある7月とクリスマスのある12月に集中しています。
2025年は地震の噂の影響で訪日数が落ち込みましたが、2024年7月の香港人訪日客数は27.9万人、12月の香港人訪日客数は28.6万人と、この2か月で年間訪日数の2割を占めました。ほかにも、イースター休暇がある3〜4月も訪日需要が高まる傾向があります。

香港人の訪日消費額は国・地域別で5位
ここでは、2024年と2025年のインバウンド消費動向調査のデータをもとに、訪日香港人客の消費動向について解説します。
2024年の消費額は6,606億円
2024年年間の訪日外国人消費額は、8兆1,257億円でした。そのうち訪日香港人観光客の消費額は6,606億円で、全体の8.1%を占め、国・地域別の消費額では第5位となりました。
また、2019年比で87.4%増、2023年比較で37.6%増と、過去最高を記録しています。
1人当たりの消費額は24万8,882円
訪日香港人の一人当たりの消費額は24万8,882円でした。全市場の平均(22万6,851円)と比較すると2万円以上多く、2019年比で59.6%増、2023年比で9.5%増加しています。
費目別に見ると、買い物代が35.7%と最も多く、宿泊費(29.7%)、飲食費(21.6%)、交通費(9.2%)、娯楽等サービス費(3.6%)と続きます。買物代は、全市場で中国の次に多く、2019年比で3万円以上、2023年比で1万円以上増加しています。
一方、直近(2025年4-6月期)の1人当たり消費額は、円高の影響もあり前年同期比で18.1%減少しました。

香港の祝日・連休を把握し、集客チャンスを逃さない
訪日のピークに合わせて需要を取り込むためには、受け入れ体制の強化が重要です。例えば、多言語対応の整備や、キャッシュレス決済への対応、香港人が好む体験の導入などが挙げられます。
リピーターが多く、日本に精通した旅行者が多い香港市場。そのため「新しい体験」「まだ知られていない地域」へのニーズを取り込むことが、今後の差別化につながります。需要が増加する時期に合わせて、適切なプロモーションとサービス強化を行うことが重要です。
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<参照>
日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計
観光庁:インバウンド消費動向調査
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