焼肉もとぶ牧場は、農業生産法人 株式会社もとぶ牧場が運営している焼肉チェーンです。自社牧場で「もとぶ牛」というブランド和牛を育てており、品質と地域性を武器に人気を博しています。
同社は、訪日外国人がどのように情報を調べお店を選んでいるのかに着目し、インバウンド対策を緻密に設計。その結果、インバウンドの売上が大きく伸び「3年連続で前年比150%以上の成長」を実現しました。
今回は、焼肉もとぶ牧場のマーケティングを担っている岸田 鉄兵氏にお話を伺いました。

もとぶ牛に惚れ込み、マーケティングの道へ
ーーご経歴を教えてください。
以前は10年以上ウェディング業界にいました。もとぶ牧場との出会いは、沖縄県に旅行した際、バーベキューでもとぶ牛の美味しさに感動したことです。もとぶ牛に惚れ込んで焼肉もとぶ牧場でアルバイトをはじめ、コロナ禍後の市場の回復にあわせてCMOとしてマーケティングを担うようになりました。
売上を3年連続で前年対比150%を実現した3つの取り組み
ーー早速ですが、ここ数年の成果を教えてください。
わかりやすい成果は3つあります。「3年連続で前年対比150%の成長を実現」、「予約の9割をGoogleマップと自社HPで獲得」、「Googleマップの評点は各店舗★4.5超え」です。
ーーすごいですね!成果を上げられたポイントをお聞きしたいです。
取り組んだことは大きく3つあります。インバウンド対策の強化、人材基盤とオペレーションの確立、デジタル化による生産性向上です。なかでもインバウンド対策の強化と人材基盤についてご紹介できればと思います。
戦略的に「お客様に選ばれる店づくり」を遂行
ーー具体的な取り組みをお聞きしたいです。
前提として、沖縄県は海外からも大勢の観光客が来られます。そのため、インバウンド対策は不可欠だと考えていました。ただ、訪日外国人は頻繁に来店されるわけではないので、「国内外のお客様に選ばれる店づくり」もテーマに掲げました。
ーーどのように進められたのでしょうか?
まず、ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略(※)を参考に、注力する部分と業界水準をクリアする部分を明確にしました。
軸は「味」「雰囲気」「価格」「サービス」「予約のしやすさ」の5つに設定して、競合店との比較も踏まえて選択と集中を行うことにしたんです。
※企業が提供できる価格を5つに分類し、それぞれの軸においてどこに注力するかを戦略的に決定する考え方
ーー注力する軸は何を選択されたのでしょうか?
予約のしやすさとサービスの2つです。まず、訪日外国人を獲得するには、予約のしやすさが重要だと考えました。多言語対応や予約システムの使いやすさ、何日前から予約できるかといった点で競合店を上回ることができれば、集客が伸びると判断したためです。
訪日外国人の予約は1か月ほど前から入りますし、旅ナカの食事ということで客単価も平均を上回ることが多いので、売上の見込みが立ち、実績としても伸長しています。
ーー「サービス」を選択された理由も気になります。
サービスはお客様に見えやすい部分ですし、スタッフにとっても自分事として取り組みやすいと考えました。サービスに満足していただけると口コミに書いてもらいやすく、その口コミを見て訪日外国人が予約するというサイクルにつながれば、という良い循環を意図したんです。
ちなみに、味・雰囲気・価格は業界水準をベンチマークとしています。そのため、手を抜くことはありません。一方で、5つすべてで満点を目指すと高コスト体質になってしまうため、2つに注力しています。
ーー「サービス」において、口コミも重要な要素だったのでしょうか?
そうですね。海外の人はGoogleマップやブログ、SNSで観光地の情報を調べます。口コミが増加すればGoogleマップで表示されやすくなりますし、「沖縄 焼肉」のキーワードなど間接的な検索での露出も増加します。口コミが増えてからもとぶ牧場の認知が広まっているという実感もありますね。
訪日外国人は母国語のレビューを信頼する傾向があるため、外国語の口コミは広告よりも強力な来店動機になると感じています。
ーー口コミの効果をどのように把握されたのでしょうか?
店舗ごとに口コミの件数と評点を定点観測し始めたところ、予約数と相関していることがわかったことがきっかけです。そのため、効率的に現状を把握し、口コミを分析していきたいと思って口コミコムを導入しました。
店舗の評点が★4.5を超えると、予約数が目に見えて増加しました。それだけでなく、クチコミの件数も増え、新たに投稿された口コミの評点も高止まりするという好循環になったんです。
関連記事:口コミコム、「多言語フードメニュー」機能を実装しインバウンド対応の“当たり前”を支援
口コミの重要性を社内で共通認識に
ーー満足度向上はどのように進められたのでしょうか?
口コミが投稿されると、社内のチャットツールで全社員に通知がいくようにしています。経営層や店長は口コミを目にする機会があります。お客様の声は飲食業にとって重要だからです。
一方で、店舗のスタッフやアルバイトは意図的に目にする仕組みを作らなければ、なかなか口コミを見る機会がありません。そのため、良い内容も悪い内容も、まず全スタッフに知ってもらうことがスタートと位置づけました。
ーー口コミの獲得を伸ばすための取り組みもされたのでしょうか?
評価制度に紐づけました。店長は店舗の評価項目に口コミ関連の指標を盛り込み、アルバイトは時給査定の要素に入れるといった形です。良い評価をもらう、口コミの獲得は得意・不得意があるので、インセンティブ設計としています。
店舗に関わるスタッフの評価制度に組み込むことで、口コミに対する意識を醸成できていると思います。実際、数か月でGoogleマップの評点を★4.3から★4.8にした店舗もありました。
もちろん、本部側でも口コミを投稿してもらいやすいようにサポートしています。口コミコムで店舗ページをつくり、口コミを投稿しやすいようにQRコードで導線を用意しました。
ーーちなみに、どれくらいの目標を設定しているのでしょうか?
平均すると、1日に1〜2組のお客様に口コミを投稿いただくような目標設定です。スタッフと話が弾むお客様は一定いますので、そういったお客様を狙って口コミの投稿を依頼すると達成できる感覚ですね。
ーー他にも取り組まれたことはありますか?
口コミの返信部分ですね。口コミコムを導入して、カスタマーサクセスに全件返信しましょうと言われてやり始めました。
ただ、件数が多いので手動だと工数が厳しかったので、ツールを活用して工数を削減しつつ、返信漏れが起きないよう仕組み化しました。特に、★4以下は何かしら満足に至らなかった部分があるので、店長が内容を確認して個別に返信という形をとっています。
口コミの返信に漏れがないかは、口コミコムを使って返信率100%になっているかチェックしています。
ーー口コミの内容はどのように活用されていますか?
例えば、メニューの構成を変えたり、サービスのオペレーションを調整したり、口コミ内容から現場で改善したことは多々あります。あるメニューのレシピを変えたら、前のほうが好評だと口コミから判明し、戻したケースもありましたね。
この辺は、口コミの返信をしている店長が月次でレポーティングしていますし、改善点の洗い出しと改善活動も主導しています。
アンケートと口コミが経営戦略につながる
ーー今後の展望についてもお聞きしたいです。
来店いただくお客様の国別ポートフォリオを分散しようとしています。一極集中だとどうしても外的要因などでリスクも大きくなってしまうためです。
予約時に、国やお店を知った場所などを口コミコムのアンケート機能で取得しています。日本人はLINEも活用していますね。アンケートで得られた情報と口コミを言語別に分析して得られた情報をかけ合わせて、どの国の人が、どこでお店を知り、どれくらい前から予約し、どこに満足・不満を覚えるのかなどがわかります。
こうしたデータから、欧米豪、台湾、韓国、東アジア、日本とそれぞれに対して、いつ・どのようなサービスを提供するか、メニューやキャンペーンを展開するか戦略を練っていきます。
ーー口コミとアンケートからそこまで分析しているんですね!
もとぶ牛をまるごと一頭使えるので、国ごとに人気の部位を提供することで余すことなく牛を使えますし、満足度も上がります。そういった意味でも、分析するようにして良かったです。
他には、焼き方をレクチャーして自分で焼くという体験を楽しむ欧米豪、映えが話題となって口コミが広がっていく韓国、といった特徴は口コミからわかりました。
今後、既存店舗のメニューやキャンペーンだけでなく、新業態の開発や出店にも口コミ分析を活かしていきたいと思っています。
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