訪日中国人観光客が常用するアプリとしてWeChat(微信)とQQを取り上げましたが、Weibo(微博)も忘れてはなりません。「微博」は中国語で“ウェイボー”と読み、ミニブログ、マイクロブログという意味です。中国では、数年前に一世風靡し、これまで4大ポータルサイトである新浪(SINA:シナ)、捜狐(SOHU:ソフー)、網易(Net Ease/163:ネットイース)、騰訊(Tencent/QQ:テンセント)がサービスを提供してきましたが、いまではWeibo(微博)といえば、通常、新浪微博(SINA Weibo)のことを指します。新浪微博の側でも、2014年3月27日を機に元々の「新浪微博」のロゴから“新浪”の2文字を取り外してしまいました。Weibo(微博)は140字以内を基本とする“つぶやき”の発信をコンセプトとしている点で俗に「中国版Twitter(ツイッター)」と呼ばれています。しかし、Weibo(微博)には、サービスの提供が始まった当初(2009年8月)から、ユーザー同士でシェア、コメントを残したり、「いいね」やブックマークといった機能が用意されていたりしたほか、絵文字や画像、動画などの投稿が可能でした。いわば、Twitter(ツイッター)と同じく中国のネット規制の対象となっていたFacebook(フェイスブック)の機能の良いところどり取りしていた内容となっていたといえます。
訪日中国人観光客が利用するミニブログ

Weibo(微博)は大別すると、誰もが開設できる一般アカウント(非公式)とWeiboに必要書類を提出し、承認された場合に限って取得できる公式アカウント(企業・個人)があります。公式アカウントを取得すると、Weibo(微博)上でアカウント名とともに「V」の字が表示されます。企業であれ個人(有名人や企業の役員クラス)であれ、オフィシャルのアカウントから情報が発信されることで、初めてユーザーやファンからの信頼につながることから、中国では多くの有名企業や行政機関が、「V」マークのアカウントから情報を発信しています。以上のように、機能の充実さやリアルタイムでの情報拡散、そして認証作業による情報の確度の向上といった措置がネットユーザーから歓迎され、Weibo(微博)の登録者数は順調に増加し、2013年2月には5億の大台に達するまでになります。行政面での活用も進みました。2016年年初に発表された「2015年人民日報・政務指数微博影響力報告」によると、2015年末の時点で行政機関が設置したWeibo(微博)アカウントは15万2390個に及び、3億3000万もの問合せメッセージが寄せられ、そのうち回答がされたのは1642万件という結果となっています。ちなみに、日本には2011年6月に進出し、提携パートーナーを通したアカウント登録の受付を始めています。AKB48を筆頭に有名人、観光局、企業などによる公式アカウントを通した情報発信が行われています。
この続きから読める内容
- Weibo(微博)が流行した背景
- 転換期を迎えたWeibo(微博)
- 訪日中国人観光客ユーザーに台頭する「個人メディア」

