• 団体旅行の割合は全国籍中2番目の高水準
    • 訪日マレーシア人は暑くない時期に集中
    • ムスリム対応がカギ

インバウンドにおけるマレーシア市場の特徴とは

訪日マレーシア人数は2019年には約50万人でしたが、2022年には約7万人でした。

2022年、訪日マレーシア人は一人あたり20万9,550円を訪日旅行時に使っています。

2023年第1四半期に訪日したマレーシア人を年齢・性別ごとに見てみると、男女共に30代が大きな割合を占めています。

また、訪日マレーシア人のインバウンド市場で特筆すべき点は「団体旅行の割合の高さ」「ハイシーズンは3〜4月と12月」「ムスリム対応の重要性」の3つです。

それぞれ詳しく解説していきます。

訪日マレーシア人インバウンド市場、3つの特徴を解説

1. 団体旅行の割合は全国籍中2番目の高水準

2023年第1四半期の訪日マレーシア人の旅行形態をみると、およそ4人に1人ほどが団体旅行を選択していることがわかります。

これは全国籍中でもベトナムに次ぐ第2位の高水準となっています。

コロナ禍の日本の観光業界において、個人旅行以上に団体旅行は「消滅」してしまっていたため、団体客を受け入れるための設備やノウハウが失われている現状もあります。

訪日マレーシア人を受け入れるためには団体客の受け入れ態勢を早急に立て直す必要があるといえます。

2. 訪日マレーシア人は暑くない時期に集中

コロナ前の訪日マレーシア人観光客数の遷移を月別に見てみると、12月にかけての時期に人気が集中していることがわかります。

年間を通して気温の高いマレーシアに住む人々にとって、日本の冬は魅力的に映るようです。

逆に最も訪日客数が落ち込むのは8月となっていますが、その前の春季には一定の訪日数があります。

冬だけでなく桜の季節の誘客もさらに強化できれば、訪日マレーシア人市場の規模を底上げすることができそうです。

3. ムスリム対応がカギ

マレーシアではイスラム教が連邦の宗教となっており、国民の6割以上がイスラム教徒となっています。そのため、訪日マレーシア人の受入環境整備においては、ムスリム対応が重要になります。

食事のハラル対応や、礼拝できる場所の案内など、ムスリムの観光客の受け入れに特化した取り組みが必要です。

マレーシア人の特徴

マレーシア人の性格・国民性

マレーシア人の性格・国民性には、一般的に以下のような特徴があるといわれています。

  • 話好きである
    • ベトナム人は基本的に話好きです。気さくでフレンドリーな国民性であるということができます。
  • NOといえない
    • 日本のように、インドネシア人はものごとを断りづらい傾向にあります。
  • 時間にルーズである
    • フィリピン人は基本的にマイペースであり、時間をあまり守らない傾向にあります。

マレーシア人と接するうえで気を付けておきたいマナー

マレー系の人たちの間では、左手は不浄とされています。そのため、マレーシア人と接するときは基本的に右手を使うことを心がけましょう。マレーシアはイスラム教徒と仏教徒が多く、宗教に対して敬虔な国です。喫煙や飲酒も良い顔はされません。その他には特に以下のことに気を付けましょう。

  • 失礼にあたるため、他人の頭を触らない
  • 不機嫌な様子を意味するため、両手を腰に当てるポーズは控える
  • リスペクトを欠いていると受け取られるため足を組まない
  • 不浄の部位とされているので足の裏を見せない
  • 基本的にイスラム教徒が多い国なので豚肉はNG

マレーシア人の親日度・日本語学習者数

電通「ジャパンブランド調査」によると、マレーシアは2019年時点で「親日度ランキング」全20か国のうち同率4位となっており、高い親日度を持っていることが分かります。(*1) 国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によると、マレーシアには2015年時点で176校の日本語教育機関と430人の日本語講師が存在し、33,224人が日本語を学習しています。(*2)

<参照>

(*1)電通 チーム・クールジャパン「ジャパンブランド調査2019」 (*2)国際交流基金 2015年度 海外日本語教育機関調査

マレーシア人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

マレーシアはAndroidがiOSより人気で、約76%のシェアを持っています。

マレーシアは中進国とも言われる東南アジアでは成長率の高い国のひとつですが、平均月収は823.43米ドルとなっており、100米ドル程度から購入できる手頃なAndroidスマートフォンが人気のようです。

また、スマートフォン使用率が88%と非常に高いことも特徴です。

人気のSNSアプリはiOS・Android共にTelegramとWhatsAppがランクインしています。WhatsAppはアメリカ製、Telegramはロシア製のアプリで、それぞれ世界中で利用されているチャットアプリの一つです。合わせてFacebookやFacebook Messengerも多く利用されているようです。

マレーシアのイベント・祝日カレンダー(2022年・2023年)

2022年2023年
元日1月1日(土)1月1日(日)
タイプーサム(ヒンドゥー教祭日)1月18日(火)2月4日(土)
連邦区祭日2月1日(火)2月1日(水)
旧正月2月1日(火)2月2日(水)
旧正月1月23日(月)1月24日(火)
みいつの夜(コーランの啓示の日)4月19日(火)4月8日(土)
メーデー5月1日(日)5月1日(月)
ハリラヤ・プアサ(断食明け祭日)5月3日(火)4月22日(土)
ハリラヤ・プアサ(断食明け祭日)5月4日(水)4月23日(日)
ハリラヤ・プアサ(断食明け祭日)4月24日(月)
ウェサック・デー(釈迦誕生日)5月15日(日)5月4日(木)
国王(アゴン)誕生日6月6日(月)6月5日(月)
ハリラヤ・ハジ(メッカ巡礼祭)7月10日(日)6月29日(木)
イスラム暦新年7月30日(土)7月19日(水)
独立記念日8月31日(水)8月31日(木)
マレーシア・デー9月16日(金)9月16日(土)
ムハンマド生誕祭10月9日(日)9月28日(木)
ディーパバリ(ヒンドゥー教光の祭典)10月24日(月)11月12日(日)
クリスマス12月25日(日)12月25日(月)

(参照)日本政府観光局(JNTO) 訪日旅行データハンドブック 2022年より

マレーシアの歴史

1396年に現在のマレーシアにあたる「マラッカ王国」が成立します。朝貢貿易を通じて中国との関係を深め、パメスワラ王が明国皇帝を自ら表敬訪問します。

1414年にはイスラム教を国教と定め、以後、マラッカ王国はアジアやアラブ諸国とスパイス・絹・麻・陶器などの交易の中心地となり繁栄を極めます。その後、ポルトガルの植民地となり、大航海時代にあたる16世紀に突入すると、マラッカは東西の交易には欠かせない極めて重要な中継地となります。ここで宗主国にあたるポルトガルは利益を独占しようと試みます。

マラッカ王国はポルトガルからの激しい攻撃が原因で南に遷都。国名を「ジョホール王国」と変え、18世紀にイギリスに支配されるまで勢力を保ちます。

イギリスの支配がはじまったのち、1824年の英蘭協定締結によってマラッカ海峡をはさんで英蘭の分割統治が始まります。こうした支配体制も1896年頃には終わりを見せ、マレー半島全域が英国植民地となります。

太平洋戦争に突入すると、日本軍はマレーシアを占領。日本の敗戦後、再びマレーシアはイギリスの植民地となりますが、マラヤ共産党の反乱をきっかけに独立の機運が高まります。そして1957年、「マラヤ連邦」として完全独立を達成します。1963年にマレーシア連邦が成立すると2年後にシンガポールが分離独立。現在のマレーシアがかたちづくられました。

マレーシア宗教観

マレーシアの国教はイスラム教です。2010年の時点で、人口の60%をイスラム教徒が占めるかたちになります。

マレーシアでは、イスラム教を信仰しているか否かは、マレー系であるか中国系であるかをわける重要な要素になります。中華系のマレーシア人は儒教や仏教などを信仰しているためです。

マレーシア人のうち仏教徒が占める割合は19.8%にあたります。数こそ少なくはなりますが、キリスト教徒やヒンドゥー教徒もマレーシア人の中には混在しています。(それぞれ人口の9.2%、6.3%)


<参照>

- Encyclopædia Britannica, Inc.:Religion in Malaysia