• ハイシーズンは3月、4月と10月
    • 訪日イギリス人の約45%がリピーター
    • 宿泊費が総支出額の約46%を占めている

インバウンドにおけるイギリス市場の特徴とは

2018年の訪日イギリス人は33万人を超え、2014年と比較すると約1.5倍に増加しています。2018年、訪日イギリス人は一人あたり220,929円を訪日旅行時に使いました。2018年に訪日したイギリス人を年齢・性別ごとに見てみると、男性は30代、女性は20代が大きな割合を占めています。また、訪日イギリス人のインバウンド市場で特筆すべき点は「ハイシーズンは3月、4月と10月」「約45%の高リピーター率」「宿泊費が消費額全体の約46%を占める」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。

訪日イギリス人インバウンド市場、3つの特徴を解説

1. ハイシーズンは3月、4月と10月

訪日イギリス人数を月別に見てみると、2018年は3月、4月と10月に多くのイギリス人が訪日しています。最も多かった10月には36,850人のイギリス人が訪日し、次に多かった3月には36,398人、その次に多かった4月には36,185人がそれぞれ訪日しました。これらの数字を足すと2018年度訪日イギリス人全体の約33%となり、多くの訪日イギリス人がこの時期に集中していることが分かります。インバウンド対策をする場合、3月、4月と10月の計3か月間をハイシーズンとして捉え、集中してイギリス人向けインバウンド対策を行うことが望ましいでしょう。

2. 訪日イギリス人の約45%がリピーター

2018年の訪日イギリス人は、全体のうち約45%がリピーターでした。ロンドン・東京間は約11時間半かかり、9時間の時差があるにも拘らずこれだけ多くのイギリス人が日本に2回以上来ているという事実は、留意しておくべき点だと言えます。中には業務目的で日本とイギリスの往復を繰り返す人もいますが、日本が好きで何度も日本に来ているイギリス人向けに、既存の定番観光ルートに囚われないような商品やサービスを提供できれば効果的なインバウンド対策となり得るでしょう。

3. 宿泊費が総支出額の約46%を占めている

2018年、訪日イギリス人が訪日旅行中に最も支出した費目は宿泊費で、約10万円となりました。次に多かった支出は飲食費で、約6万円となりました。イギリス人は滞在期間を長く設定する傾向にあるためこのような結果となりましたが、ホテル業界や飲食業界はイギリス人をターゲットにしたインバウンド施策をすることで、より多くのイギリス人に消費をしてもらえる可能性があります。具体的には、英語で接客のできる環境を整える、SNSや各種メディア等でイギリス人に向けたプロモーションを行うなどの方策が考えられます。特に英語環境の整備は、イギリス人だけではなくアメリカ人やオーストラリア人など他の英語圏からの訪日客にも対応できるため、優先して行うべき事項だと言えます。

イギリス人の特徴

イギリス人の性格・国民性

イギリスは紳士の国とも言われるように、男女共に紳士淑女のような振る舞いが良いとされています。そのため公共の場では多くの人がマナーを守り、電車で年配の方に席を譲るのはもちろん、扉を後ろの人が来るまで開けたまま待ったり、重い荷物を持っている人を見かけたら手伝うなど、常に周りに気を配る人が多くいます。
しかし、イギリス人はパブ好きな一面もあり、気軽にビールが飲める店として主に若年層を中心にパブは人気を集めています。その結果、夜になると飲みすぎてしまった人が道端で倒れてしまったり、昼間の紳士的なイギリス人とは様子が一変してしまうこともあるようです。
またイギリスは日本と同じく立憲君主制国家であり、国民は女王陛下に対して大きな敬愛の念を抱いています。

イギリス人と接するうえで気を付けておきたいマナー

イギリスは世界でも有数のマナーを重視する国家です。イギリス人も礼儀正しい人が多いため、マナーを知っておくことでイギリス人と接する際に役立つでしょう。
レディーファーストなのはもちろん、直接的な言い回しが好まれるアメリカ等の国とは異なり、イギリス人は否定を行う際には肯定から入る(I understand what your opinion is, but...等)、列に並ぶ、扉を開けたら次の人が来るまで開けておく等のマナーが存在します。
また食事の際には、手は常にテーブルの上に出しておく、麺類は啜らない、フォークは左手で用いる、トーストは切り分けて食べる等多数のマナーがあります。イギリス人と食事をする際には改めて確認をすると良いでしょう。

イギリス人の親日度・日本語学習者数

電通「ジャパンブランド調査」によると、イギリスは2018年時点で「親日度ランキング」ランク外となっており、親日度が特別に高い訳ではないことが分かります。(*1)
国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によると、イギリスには2015年時点で364校の日本語教育機関と704人の日本語講師が存在し、20,093人が日本語を学習しています。(*2)

<参照>

  • (*1)電通 チーム・クールジャパン「ジャパンブランド調査2018」
  • (*2)国際交流基金 2015年度 海外日本語教育機関調査

イギリス人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

イギリスはiOSがAndroidより人気で、約52%のシェアを持っています。しかし、AndroidスマートフォンとiPhoneでシェアを2等分していると見ることもできます。人気のSNSアプリはiOS・Android共にWhatsAppとFacebook Messengerがランクインしています。これらは共にアメリカ企業のSNSアプリです。また、ロシアのTelegramもAndroidの第3位に入っており、広く使われているようです。

イギリスのイベント・祝日カレンダー(2019年・2020年)

2019年2020年
新年1月1日(火)1月1日(水)
グッド・フライデー4月19日(金)4月10日(金)
イースター・マンデー4月22日(月)4月13日(月)
5月銀行休業日5月6日(月)5月4日(月)
春季銀行休業日5月27日(月)5月25日(月)
夏季銀行休業日8月26日(月)8月31日(月)
クリスマス12月25日(水)12月25日(金)
ボクシング・デー12月26日(木)12月26日(土)

イギリスの歴史

紀元前55年、共和政ローマがグレートブリテン島への侵略を企て、紀元43年にはローマの属州として編入されました。その後4世紀頃になると異民族の侵略によりローマはグレートブリテン島から引き上げ、7世紀頃にはアンゴロサクソン人の王国が支配するようになります。
9世紀から10世紀頃にはノルマン人の動きが活発になり、イギリスもノルマン人の支配を受けるようになります。ウィリアム1世により開かれたノルマン王朝はプランタジネット王朝へと続き、立憲君主制の元となるマグナカルタが誕生します。その後1455年の薔薇戦争を経て宗教改革が起こり、現在のイギリスというまとまりが形成されることになります。
スチュアート朝、ハノーヴァー朝と続いた王朝は現在のウインザー朝へと続くこととなり、大航海時代には多くの植民地を獲得するも1776年にはアメリカ合衆国がイギリスより独立します。その後、アイルランドの独立を恐れたイギリスはグレートブリテン及び北アイルランド連合王国を設立させ、これが現代へと続いています。
18世紀には世界に先駆けて産業革命が起こり、大きく文明化が進むと同時に労働者の地位が問題となりました。植民地を多く取得したイギリスは帝国主義を実行し、第一次世界大戦、第二次世界大戦ではそれぞれ勝利を収めました。
戦後の世界では多くの植民地が独立したものの、イギリスは現在でもヨーロッパにおいて大きなポジションを担っており、現在ではEUを脱退する「Brexit」が話題となっています。

イギリス宗教観

イギリスで最も多く信仰されている宗教はキリスト教です。イギリスでは信仰の自由が保障されているため、合わせてイスラム教、ヒンドゥー教、シーク教、ユダヤ教、仏教など多くの宗教が信仰の対象となっています。
イギリスの街ではキリスト教の教会をよく見かけますが、これ以外にもモスクや寺院などが存在し、各宗教の信徒たちの礼拝の場となっています。
なお、国民の祝日はクリスマスやイースターなどキリスト教に基づいているため、キリスト教中心の社会が成り立っていると言えます。