• ハイシーズンは春〜夏、その前後の時期は大きく落ち込む
    • 95%以上が個別手配で訪日、滞在期間も長い
    • 宿泊への支出は増加

インバウンドにおけるアメリカ市場の特徴とは

訪日アメリカ人数は2019年には約172万人でしたが、2022年には約32万人となりました。2022年、訪日アメリカ人は一人あたり29万6,279円を訪日旅行時に使っています。2023年第1四半期に訪日したアメリカ人を年齢・性別ごとに見てみると、男性は30代、女性は20代が最も大きな割合を占めています。また、訪日アメリカ人のインバウンド市場で特筆すべき点は「ハイシーズンは春〜夏」「個別手配の多さと滞在期間の長さ」「宿泊費の多さ」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。

訪日アメリカ人インバウンド市場、3つの特徴を解説

1. ハイシーズンは春〜夏、その前後の時期は大きく落ち込む

コロナ前2019年までの傾向では、訪日アメリカ人のハイシーズンは3月から7月ごろまでと、春季から初夏に訪問数が集中していました。春季の桜シーズンが人気となっています。また、6〜7月はアメリカの学校などの休暇期間にあたるため、家族旅行などで訪日旅行の需要が高まるということです。一方で、そのハイシーズンの前後の時期にあたる1~2月、および8~9月には、訪問数に大きな落ち込みが見られるのも特徴となっています。

2. 95%以上が個別手配で訪日、滞在期間も長い

2023年第1四半期のデータでは、訪日アメリカ人の95%以上が個別手配で日本を訪れており、団体ツアーの利用はほとんどありませんでした。また訪日アメリカ人は、全国籍の中でも特に滞在期間が長いという特徴もあります。長期の個人旅行の中に組み込んでもらえるような、高付加価値・高単価なアクティビティや商品を用意しておくことが有効であると考えられます。

3. 宿泊への支出は増加

滞在期間の長さに起因する訪日アメリカ人のもう一つの特徴として、支出に占める宿泊費の割合の多さが挙げられます。さらに昨今の円安ドル高の進行により、訪日アメリカ人の間では、よりランクの高い宿泊施設を選ぶ傾向も出てきているようです。それぞれの顧客に合わせてパーソナライズされた高付加価値・高単価なサービスを用意できるかが、訪日アメリカ人観光客の消費額上昇のカギだといえるでしょう。

アメリカ人の特徴

アメリカ人の性格・国民性

アメリカ人には、感情を表に出す性格の人が多く存在します。喜怒哀楽をきちんと表現し、議論の場では自分の意見をはっきりと主張する傾向にあります。また、アメリカの社会が実力主義であるゆえに勝ち負けを気にする人も多く、常に合理的な行動を心がけることを忘れません。

また、多くのアメリカ人が強い愛国心を持っており、オリンピックやワールドカップではバーやレストランに集まってアメリカ選手団を応援します。独立記念日には盛大なパーティーを開き、アメリカ人としてのアイデンティティを誇りに思っています。

信仰の篤い人も多く、大多数のアメリカ人はキリスト教を信仰し、日曜日には教会へ赴き礼拝を行います。例え外国にいても愛国心と信仰心を忘れない信念の強さを持っていると言えます。アニメの影響などもあり、特に若年層を中心に親日のアメリカ人が多く存在するようです。

アメリカ人と接するうえで気を付けておきたいマナー

アメリカは多民族国家であるため、アメリカ人全体として重んじられているマナーはあまり多くありません。 しかし、初対面同士でハグする人は少ない、伝えたいことははっきり伝える等の習慣は存在します。レディーファーストはかなり多くの人が実践しています。

また、歴史的背景が原因でアメリカ連合国の国旗やハーケンクロイツには特に敏感です。これらのデザインが入った服を着てアメリカ人と会うことはもちろん、日本では寺院を示す地図記号である「卍(まんじ)」も誤解を与えます。特に気をつけましょう。

アメリカ人の親日度・日本語学習者数

電通「ジャパンブランド調査」によると、アメリカは2019年時点で「親日度ランキング」全20か国のうち17位となっており、親日度が特別に高い訳ではないことが分かります。(*1) 国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によると、アメリカには2018年時点で1,445校の日本語教育機関と4,018人の日本語講師が存在し、166,565人が日本語を学習しています。(*2)

<参照>

(*1)電通 チーム・クールジャパン「ジャパンブランド調査2019」 (*2)国際交流基金 2018年度海外日本語教育機関調査結果(速報値)

アメリカ人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

アメリカはiOSがAndroidより人気で、約60%のシェアを持っています。Androidを開発するGoogle LLCやAOSP、そしてiOS及びiPhoneを販売するAppleも全てアメリカの企業及び団体です。アメリカ人の平均所得は世界的にも高いものであり、特に高所得層にはiPhoneが好まれているようです。

人気のSNSアプリはiOS・Android共にFacebook MessengerとWhatsAppがランクインしています。これらは共にアメリカ企業のSNSアプリです。また、Android第3位にランクインしているDiscordはアメリカ企業で開発されているゲーマー向けのオールインワン・コミュニケーションアプリです。

アメリカのイベント・祝日カレンダー(2022年・2023年)

2022年2023年
元日1月1日(土)1月1日(日)
キング牧師記念日1月17日(月)1月16日(月)
大統領記念日(ワシントン誕生日)2月21日(月)2月20日(月)
メモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)5月30日(月)5月29日(月)
ジューンティーンス独立記念日6月19日(日)6月19日(月)
独立記念日7月4日(月)7月4日(火)
レイバー・デー(勤労感謝の日)9月5日(月)9月4日(月)
コロンブス・デー(大陸発見記念日)10月10日(月)10月9日(月)
ベテランズ・デー(退役軍人の日)11月11日(金)11月11日(土)
サンクスギビング・デー(感謝祭)11月24日(木)11月23日(木)
クリスマス12月25日(日)12月25日(月)

(参照)日本政府観光局(JNTO) 訪日旅行データハンドブック 2022年より

アメリカの歴史

アメリカには元々多くの先住民族が存在しましたが、イギリスから入植した白人が1776年7月4日に建国宣言を発し、アメリカ合衆国を建国しました。

その後、イギリスとの戦争に勝利したアメリカ合衆国は東海岸から西海岸へ領土を広げ、1861年には南部で奴隷制を掲げていたアメリカ連合国と南北戦争を始め、1865年にはこれに勝利しました。1890年には西部開拓を終え、1898年にはハワイ王国を併合、第一次世界大戦では連合国として参戦し勝利を修めます。

その後世界恐慌を経て第二次世界大戦が勃発し、日本、イタリア、ドイツそしてソ連の台頭を懸念したアメリカ合衆国は第二次世界大戦にも参戦、日本軍を打ち負かし2発の原子爆弾を以て第二次世界大戦を集結させました。

その後ソ連との間で起こった冷戦では核兵器を数多く製造し、1991年にソ連が崩壊するまで世界を二分する国として君臨しました。その後は世界一の経済大国として君臨し続けていますが、現在では中華人民共和国との貿易摩擦が世間の話題となっており、力をつけつつある中華人民共和国との間で第2の冷戦が起こることを懸念する声もあります。

アメリカ宗教観

アメリカで最も多く信仰されている宗教はキリスト教です。キリスト教ではプロテスタントがカトリックを上回っています。合わせて主にユダヤ系アメリカ人の信仰するユダヤ教、主にアフリカ系アメリカ人の信仰するイスラム教、ユタ州で主に信仰されているモルモン教、更には先住民族の信仰する各種宗教が存在します。アメリカでは信仰の自由が保障されているため、どの宗教もコミュニティを作り活動していますが、歴史的背景からイスラム教を良く思っていないアメリカ人は多いようです。

このようにアメリカには多くの宗教が存在しますが社会はキリスト教を中心に作られており、街中には多くの教会が存在し、クリスマスやイースターなどのキリスト教の行事を国を挙げて祝います。