格安航空会社(LCC)の普及や、中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和、また円安が進んだことなどを理由に、訪日外国人観光客の数が増え続けています。
また、観光庁による「訪日外国人消費動向調査」によると、訪日外国人観光客増加に伴い、インバウンド消費額も増えています。
このような背景を受け、国内の企業や自治体は、訪日外国人観光客集客を狙って「〇〇放題」を通じた新たなインバウンドビジネスを続々と開始しています。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
800円で関西のミュージアム18施設が入り放題に:「KANSAI 18 MUSEUM 3-DAY FREE PASS」の発行が始まる
「ミュージアムぐるっとパス・関西」実行委員会は10月13日、訪日外国人観光客向けに「KANSAI 18 MUSEUM 3-DAY FREE PASS」の発行を開始しました。これは、800円を払うことで訪日外国人観光客が3日間、対象となるミュージアムに何度でも入場できるというパス。
対象となるのは国公私立のミュージアム18施設で、京都国立博物館、国立国際美術館、大阪市立美術館、京都国立近代美術館、上方浮世絵館などがリストに入っています。
従来であれば、関西圏在住者をターゲットとして、同様のパスの発行を行っていましたが、インバウンド誘致を目的に、今回訪日外国人観光客にもターゲットを拡大しました。初年度は5000冊限定の発行。上記の18施設のほか、旅行会社、一部の書店やホテルで「KANSAI 18 MUSEUM 3-DAY FREE PASS」の販売をするとのこと。
「WeChat」が使い放題に:FREETELより訪日中国人観光客向けプリペイドSIMが発売
東京都港区に本社を置く「プラスワン・マーケティング株式会社」は、運営するMVNO(*)サービス「FREETEL」において、一部のSNSが使い放題となるプリペイドSIMカード「FREETEL Prepaid Data SIM for Japan」微信(WeChat)版を発売しました。
「FREETEL Prepaid Data SIM for Japan」微信(WeChat)版は、訪日中国人観光客を主なターゲットとしたSIMカード。利用者が、中国最大のLINE型SNS「WeChat」や、Facebook、LINE、WhatsApp、KAKAO TALKといったアプリを利用する場合、通信量がカウントされず無制限で利用できることから、訪日外国人観光客にとって使い勝手の良いシステムです。
利用期間は7日と30日の2つのオプションから選ぶことができ、価格はそれぞれ1,780円、2,780円です。日本全国で利用が可能。SNSの利用が無制限になるSIMカードサービスを提供することで、ネットリテラシーの高い訪日中国人観光客の集客を狙います。
*MVNO:無線通信回線設備を開設・運用せずに、自社ブランドで携帯電話やPHSなどの移動体通信サービスを行う事業者のこと
2万円で1週間高速バスが乗り放題に:「JAPAN BUS LINES協議会」は「JBLパス」を販売
訪日外国人観光客の高速バス利用促進を目的に高速バス事業者59社によって設立された団体「JAPAN BUS LINES協議会」は、訪日外国人観光客向けに「JBLパス」を販売しています。
これは、日本全国の予約制の高速バスが乗り放題で利用できるもの。約100路線を対象としており、北海道から九州まで移動することができます。
価格は7日間で2万円、14日間で2万8000円。団体旅行やパッケージツアーではなく、FIT(*)が主なターゲットです。
*FIT:Foreign Independent Tourの略。団体旅行やパッケージツアーを利用することなく個人で行く海外旅行のこと
<関連記事>
全国の高速バス59社による「JAPAN BUS LINES協議会」発足:訪日外国人観光客の利便性向上へ
2016年7月20日、「JAPAN BUS LINES協議会」が正式に設立したことが発表されました。これは日本全国59社の高速バス事業者からなる団体で、訪日外国人観光客に使いやすい仕組みづくりを推進することで、高速バスの利用拡大を目指しています。高速バスは比較的安価に利用でき、鉄道、航空では行きにくい地域まで足を運ぶことができます。JAPAN BUS LINES協議会の登場により、訪日外国人観光客の動きに変化が現れるかもしれません。今回は、このJAPAN BUS LINES協議会の趣旨、今...
乗り降り自由チケットで高速バス、鉄道を使いやすく! 交通機関で進められているインバウンド対策
訪日外国人観光客の旅行ルートに大きく影響する交通機関。駅や空港では多言語対応、旅行しやすいチケットの販売などが進められています。訪日外国人観光客は言うまでもなく日本のルールや言葉に不慣れなため、利用促進をはかるうえでは非常に重要な取り組みです。平成28年(2016年)7月20日、日本全国の高速バス事業者の提携による「JAPAN BUS LINES協議会」が設立され、高速バスでも積極的なインバウンド対策が行われるようになりました。鉄道や航空機とは異なり、バスには訪日外国人観光客の増加に合わせ...
新宿「六歌仙」では肉料理の食べ放題プランが訪日外国人観光客に人気:100件のリアクションとともに8.6/10の好評価を獲得
西新宿にある最高級焼き肉店「六歌仙」でも焼きの肉食べ放題プランを通じて訪日外国人観光客誘致に成功しています。
米ニューヨークに本社発祥の口コミサービス「FOURSQUARE」の「六歌仙」のページには、世界各国からの訪日外国人観光客のレビューや写真が投稿されています。
約100件のリアクションが寄せられており、8.6/10の評価を獲得。レビュー欄を確認すると、おおむね食べ放題プランが好評なことがわかります。
公式ホームページも日本語、英語、中国語、タイ語、ベトナム語で運営されており、言語面という観点からもインバウンド対策に注力しています。
まとめ:〇〇放題で訪日外国人観光客集客を狙う事業が増加。わかりやすさ、使い勝手の良さからこれから注目が集まる
訪日外国人観光客集客のあらたなアプローチとして「〇〇放題」というシステムが注目され始めています。
外国語対応の遅れなどの理由から、訪日外国人観光客にとって商品やサービスの購入はしばしばストレスにもなります。「〇〇放題」というシステムは、わかりやすく使い勝手が良いため、訪日外国人観光客にとって気軽に利用できるサービスになります。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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