訪日台湾人観光客数は年々増えており、その経済効果も右肩上がりで目を見張るものがあります。どのような層が購入し、どのような商品が好まれているのか、訪日台湾人観光客の傾向を知ることは、インバウンド戦略に直結するでしょう。こちらの記事では、訪日台湾人観光客の買い物リストについてご紹介します。
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訪日台湾人観光客が一度の旅行で消費する額は?
平成27年の訪日台湾人観光客の旅行消費総額は前年比46.9%増で5,207億円。これは1位の中国(1.4兆円 )に次ぐ数字で、消費額でみたインバウンド市場の15.0%を占めます。
また、1人当たりの消費総額は前年比13.1%増で141,620円となり、この内約6万円程度が買い物代となっており、その支出割合は、同じく繁体字圏の訪日香港人観光客と非常に似通っています。
訪日台湾人観光客はネットや口コミを元に買い物リストを作成する
訪日台湾人観光客は、主にインターネットを利用して観光情報収集を行っています。旅行前の情報源として、「個人のブログ」が役に立ったとする回答が圧倒的に多く、他の訪日外国人観光客にはあまり見られない特徴的な点です。
旅行前情報ソースとして上位3位までがWEBサイトが占めており、旅行中も使用する端末はスマホが60.1%と特に多く、次いでパソコンが22.6%となっています。
以上の傾向から、買い物リストを作るときには、個人のブログを参考にしていることが伺えます。
訪日台湾人観光客の客層、購入率から見える買い物リストの内容
地理的に日本と近いことから、台湾からは気軽に日本旅行が楽しめます。そのため、訪日台湾人観光客は、一度の平均泊数も6.4泊と少なく、リピーター8割という特徴から、頻繁に訪れるリピーターが多いことが読み取れます。
性別・年代別に見ると、ボリュームゾーンは20〜40歳までの女性が多く、ショッピングやグルメを楽しみに何度も訪れます。
買い物ランキングでは、医薬品・健康グッズ・トイレタリーが購入率73.9%、購入者単価19,092円となっており、また満足度も高いことが特徴。
化粧品・香水は購入率39.4%で、購入者単価16,331円となっており、こういった消耗品については定期購入するため、長期的な顧客となるケースが多くなります。洋服や靴などは3万円程度、その他サブカル系のグッズは1万円程度となっています。
訪日台湾人観光客に特に人気を集める商品とは?
台湾ではケーブルテレビが大きな情報源です。100チャンネル以上ある番組の中には日本の番組もあり、日本の最新情報がリアルタイムに視聴できる環境にあります。そのため、普段から日本情報へのアンテナを張っている人が多いため、訪日台湾人観光客は、日本の商品に関する知識を豊富に持っています。
特に安全で効果の高い日本の化粧品や医薬品は人気が高く、自分用やお土産用として買い物していくのが定番となっています。例えば、「ウナコーワクール」や「チョコラBBプラス」などの日常的によく使うもののほか、「キャベジン」や「アリナミンンeX」なども人気があります。
お菓子類もよく購入され、「東京ばな奈」「ブラックサンダー」に加え、「白い恋人」も人気商品です。また、台湾国内では高価な日本酒をたくさん買い物していく人も少なくありません。
訪日台湾人観光客の欲しいものは台湾人に聞くのが早い
訪日台湾人観光客のインバウンド対策として、どのような商品が人気なのか知りたい場合、調査会社を利用することができます。しかしながら、前述の通り、情報源としてウェブ上やオフラインでの口コミの力が強いことから、実際に日本でショッピングを楽しんだ経験を持つ台湾人に聞いたり、ネットで口コミを調べたりするほうが早いかもしれません。
訪日台湾人観光客が語る日本で買ったものリスト
実際に日本旅行をした訪日台湾人観光客のブログ投稿を見てみましょう。
「去日本要買什麼、要逛什麼(意訳:日本で何を買うべきか、どこに行くべきか)」と題されたこちらのブログでは、買い物リストの参考になりうる医薬品・健康用品系のレビューが厚めに書かれています。
「【日本│必買】日本必買藥妝、伴手禮總整理一網打盡(意訳:日本で必ず買うべき医療品まとめ)」というタイトルのコチラのブログでは、医薬品・健康用品にかぎらず、キャラクターグッズやお菓子、ファッション用品についてもレビューされています。
こちらの2つのブログで紹介されている医薬品を見てみると、
-
医薬品
- 休息時間
- アリナミンEX
- 新キャベジンコーワ
- パブロンS
- カサムケア
- ロートリセ
- ペアアクネクリーム
- サロンシップ
- メンソレータム メディカルリップ
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医薬品のなかでもかゆみ止め系
- 新ウナクール コーワ
- 新ウナクール コーワ もろこしヘッド
- メンソレータムAD
- ムヒS
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健康商品系
- めぐりズム 蒸気でアイマスク
などがピックアップされています。両記事の公開日を見ると2009年、2013年となっているので、これらは買い物リスト常連の商品であることが伺えます。
特徴的なのが、どちらの記事でもかゆみ止め系の医薬品がピックアップされていること。訪日ラボ記事「訪日台湾人観光客に喜ばれる日本のお土産とは何か?」でも触れていますが、台湾では虫刺されが多く、また日本のかゆみ止め薬は効き目が良いということで支持されています。
<関連>
訪日台湾人観光客に喜ばれる日本のお土産とは何か?
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まとめ:訪日台湾人観光客向けのインバウンドビジネスを考えるならネット対策が一番
訪日台湾人観光客は日本を訪れる際には基本的にインターネットで情報を探し、買い物リストを作成しています。日本のサイトを見ることも多いため、可能であれば英語や繁体字を用いた翻訳サイトを用意しておくと高い効果が期待できると思われます。
<参照>
- 観光庁:訪日外国人消費動向調査 平成27年の年間値の推計
- JNTO:訪日旅行データハンドブック2016(世界20市場)
- 享受人生 小小女人:去日本要買什麼、要逛什麼
- Jason’s Life :: 痞客邦 PIXNET :::【日本│必買】日本必買藥妝、伴手禮總整理一網打盡
訪日台湾人観光客インバウンドデータ集
データでわかる訪日台湾人観光客
インバウンド施策をしていく上ではターゲットとなる方々がどのような特性や国民性を持っているのかを知るのは非常に重要です。このページでは台湾人は国として国民性としてどのような特徴や特性を持っているのか、訪日台湾人は日本国内でどのような行動を取っているのかを実際のデータを元に紐解いていきたいと思います。
訪日台湾人観光客の特徴
親日家が多いことで知られる台湾は、中国に次いで世界で2番目に日本観光が盛んな地域です。訪日台湾人観光客はテレビ番組などから日本の最新情報を入手していることが多く、人気のエンターテイメントや話題の商品についてよく知っています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年7月前編】「予言」の日7/5終了で訪日需要戻るか、6月の香港からの訪日客は33%減 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に7月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「予言」の日7/5終了で訪日需要戻るか、6月の香港からの訪日客は33%減 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年7月前編】
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