訪日タイ人観光客の旅行者人数の変遷:訪日促進重点国に指定&ビザ緩和、LCC増加や円安などの影響で大きく増加

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訪日タイ人観光客は2015年には約80万人で、全ての訪日外国人観光客のなかで第6位の人数です。2012年以降の増加率がとくに高くなってきており、増加率を鑑みれば、第5位の訪日米国人観光客人数を追い抜くのも時間の問題となってきています。1990年代以降の訪日タイ人観光客の人数の動向を調べてみました。

 

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人数の変動大きい1990年代の訪日タイ人観光客

1980年代の経済成長を受けて訪日タイ人観光客の人数は1993年には約7万人に達しますが、その後は政情不安もあり減少に転じます。94年以降は5万人〜6万人台での推移が続き、とくに1998年には前年のアジア通貨危機の影響もあり落ち込みが強く、政治・経済の状態が旅行意欲を削いだようです。

訪日タイ人観光客人数の2000年以降10年間の推移

他国に比べてアジア通貨危機後の経済停滞からいちはやく回復したこともあり、訪日タイ人観光客は2002年には93年以来の約7万人台に復帰、その後は国内の政情不安にもかかわらず日本旅行への意欲は強く着実に増加傾向を続けます。2004年には10万人を突破します。

東日本大震災以後の訪日タイ人観光客人数の推移

タイ人の外国旅行者数と訪日客数の推移(2006年〜 2015年):JNTOより引用

タイ人の外国旅行者数と訪日客数の推移(2006年〜 2015年):JNTOより引用

しかしながら2011年に発生した東日本大震災影響をうけ、訪日タイ人観光客の人数も減少し15万人台を割り込みますが、翌12年には過去最高の26万人を記録すると、その後は急速に増加します。13年には45万人、14年に66万人、15年は80万人と3年間で3倍の人数増加となります。

訪日タイ人観光客の人数増加の要因

訪日タイ人観光客の人数が増加した要因としては、日本政府が訪日外国人観光客の人数増加をはかるために行ったインバウンド政策が挙げられます。

ビジット・ジャパン・キャンペーンの訪日促進重点国として2005年にタイが指定され、2013年からは訪日タイ人観光客のビザが緩和されるようになりました。更にLCC格安航空会社)の増加、円安傾向などの外部要因、そしてミーハーな国民性とタイ国内での訪日旅行ブームも相まって、2015年まで飛躍的な増加を見せます。

 

訪日タイ人観光客の旅行スタイル

訪日タイ人観光客は家族連れ旅行が32.8%、友人と旅行する人が26.9%と高くなっており、それぞれ全国籍平均を上回っています。対して、ひとり旅は17.3%、夫婦・パートナー連れ8.8は%で、こちらは全国籍平均よりも低い傾向。

訪日タイ人観光客の平均滞在日数:JNTOより引用

訪日タイ人観光客の平均滞在日数:JNTOより引用

滞在日数は4〜6日間が最も多く47.6%となっており、7〜13日間が36.5%で、おおよそ1〜2週間程度の旅行スケジュールを組むケースが多いことがわかります。

訪日タイ人観光客の日本旅行の満足度

訪日タイ人観光客は日本旅行の満足度は高く「大変満足」という人が7割ほどで、全国籍平均の47.8%を大きく上回ります。「満足」・「やや満足」を加えると98.8%の訪日タイ人観光客が訪日旅行に満足しています。再訪意向も高く「必ず来たい」という人が65.8%となり、こちらも全訪日外国人観光客平均の57.9 %を大きく上回っています。

 

まとめ:リピーターが6割強の訪日タイ人観光客はまだまだ伸びしろがある

タイ国内の政情不安にもかかわらず、訪日タイ人観光客人数は2000年以降確実に増加しています。タイにとって日本は最大の貿易相手国であり、日産やホンダなど多くの企業が進出していることもありタイ人は親日的です。日本旅行への関心も満足度も高く、2回め以上の日本旅行経験者が63.6%に達します。

<参照>

訪日タイ人観光客インバウンドデータ集

データでわかる訪日タイ人観光客

タイ人は1人あたりGDPが6,000ドル弱で(世界94位)程度で、インバウンドが盛んな国の中ではそこまで経済力があるほうとは言えません。しかしながら、訪日タイ人は、そのあまり高くはない経済力に対してかなり高額の支出をしています。「豊かさ」を表すGDPを例にとって見てみましょう。

訪日タイ人の特徴・国民性・旅行スタイル

2013年のビザ発給要件緩和以降、円安効果とバーツ高効果もあり、近年急激にインバウンド消費において存在感を放つ訪日タイ人観光客。中国や台湾をはじめとした訪日ブームが加速している東南アジアの中でも、成長率が最も著しい国の一つです。タイは熱帯に位置しているため、年間を通じて気温が30℃ぐらいが平均です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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