訪日外国人政策の現在の課題と国内外の実践例について

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あらゆるメディアで毎日取沙汰される様に、訪日外国人数は年々増加の一途を辿っています。

過去の推移を見てみても、平成24年度には800万人であった訪日数は、平成26年度には大台の1000万人を突破して1300万人にまで膨れ上がっており、東京オリンピックに向けて更なる伸長が見込まれています。(参照:観光庁:訪日外国人旅行者数(平成26年度4月)
しかしながら、都内・関西圏近郊の観光地や街のいたるところで多くの外国人が路頭に迷っている姿をみかけます。インバウンドでの消費拡大が叫ばれている昨今、日本で対応が出来ていないことは一体何なのでしょうか。今回は、国内外の実例を挙げて比較してみたいと思います。

 

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日本の観光地・名所が抱える、「文化資源の活用不足」と「人員の未配置」

「国宝消滅」で最近話題となっているデービッド・アトキンソン氏の著書等でも触れられている通り、日本の歴史的な名所は
> 「単に古い建物や工法の『器』になっていて、『人間文化』を紹介する施設にはなっていない」―デービッド・アトキンソン(2016年)「国宝消滅」/60ページより引用
といった現状があります。

日本人であっても、多言語解説ボードも案内係も常駐していないただの古い建物があるだけでは、自ら勉強している人でない限り、歴史の概要は把握出来ていない事が大半ではないでしょう。まして海の向こうからやってきた外国人からすれば、そもそも施設のどこを特に見学するべきなのか、或いはどのような日本人の営みが有ったのかといった事が想像できないのです。

このインバウンド受け入れに未対応の状況や、人材確保が難しいといった課題は人口減少で悩む地方都市へ行くほど顕著な問題として取り上げられています。

参考→ダイヤモンドオンライン:日本の国宝を守る「伝説の英国人アナリスト」が提言 「観光立国を実現すれば雇用が生み出され経済成長ができる」

次の項目では、このような問題の解決策として国内外で実践されている例をご紹介します。

 

「解決策例」

これらの問題を解決するためには、通訳案内士レベルまでいかずとも日常会話レベルの外国語で対応できる人員配置が必要となります。例えば三越伊勢丹ホールディングスが打ち出したように、外国語対応が可能なスタッフを配置することが、今後の明暗を分けると言っても過言ではないでしょう。

買い物で自社店舗にやってくる外国人に商品の詳細を理解して貰う、或いは外国語でのサービスが受けられる事を客に掲示できれば、継続的に店舗へ足を運んで貰えるリピーター層の獲得に繋がります。

参考→三越伊勢丹ホールディングス:海外からのお客さまにも、真心を込めた日本のおもてなしを

 

「国外の例」

更に国外での例を挙げると、赤毛のアンで有名なカナダのプリンスエドワード島では州政府公認の観光ツアーや留学プログラムサービスを展開しています。北米大陸からは切り離されたこの島では、現地の住民が一体となって移植当時の文化を再現し、単に国内外の別を問わず訪れる来訪者に体験してもらえる運用となっています。

特に観光の中心となるグリーンゲイブルズ(赤毛のアンの家)に関しては、日本語のHPを活用して情報を発信したり、現地でも当時の営みを感じさせる生活用品をそのまま再現しており、来訪者自身で文化・歴史の情報を得て体感することが可能です。

こういった運用の結果観光スポットとしての評価は高められ、島の文化を継続していくために必要なリピーター客を生み出すことが可能です。

参考1→FunPEI(プリンスエドワード島公認観光・留学プログラム)
参考2→プリンスエドワード島
参考3→フォートラベル

今後のインバウンド事業の展望を考えた場合、現状の買い物中心の消費を誘致することに終始せず、文化的な側面でのリピーターを生み出す仕組みを整える事の必要性を感じます。

まずは今国内に潜在する人材と文化資源の活用について、様々な意見を取り入れより一層の議論を進めていくべきではないでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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