訪日タイ人観光客は、他の訪日外国人観光客と比べて、ホテルの利用率はあまり高くなく、その反面、旅館利用者が多くなっています。なぜ、このような傾向があるのでしょうか。今回は、訪日タイ人観光客の宿泊施設の利用の仕方について解説します。
インバウンド対策サービスを探している方必見!無料で資料DLできる「訪日コム」を見てみる
訪日タイ人観光客のホテル利用率
まずは訪日タイ人観光客のホテル利用率について見ていきましょう。訪日タイ人観光客のホテル利用率は79.0%となっており、ホテル利用率の高い訪日香港人観光客(91.9%)、訪日中国人観光客(88.2%)や、訪日外国人全体(84.4%)と比較しても決して高いとはいえません。
訪日タイ人観光客は意外と知人・親類宅に泊まるケースが多い
訪日タイ人観光客の宿泊先の特徴は親族・知人宅への宿泊が11.7%となっており、訪日外国人全体の7.7%と比較すると高い傾向にあります。
主な来訪目的(単一回答)によれば、訪日タイ人観光客は親族・知人訪問が6.1%と、全体(5.6%)と比較して多少高く、したがって知人を訪ねての訪問で知人宅に泊まるケースや、観光目的でも知人宅を利用するケースがあるものだと見られます。
とはいえ、大勢としては「訪日タイ人観光客が最も泊まるのはホテルである」ということは変わらず、「他の訪日外国人観光客と比較して、ホテル利用率が低い」という特徴がある、という印象です。
どうしてホテルの人気が低いのか
それでは、ホテルの人気が低いのであれば旅館はどうでしょうか?訪日タイ人観光客の旅館宿泊率は18.7%となっており、際立って高い数値とは言えません。
訪日タイ人観光客の訪日前に期待していたことの項目を見てみると
- 日本食を食べることが79.7%(全体69.7%)
- 日本の歴史・伝統文化体験が24.5%(全体16.7%)
- 日本の日常生活体験が20.8%(全体15.4%)
- 日本のポップカルチャーを楽しむ13.2%(全体9.2%)
と、日本文化を楽しみに訪問する傾向があることがわかります。また、タイ国内では日本のお菓子や食品などがコンビニでも手に入るほどに普及しており、日本ブームともいうべき状況になっています。
訪日タイ人観光客の買い物リストに必ず入る日本のお菓子:購入率・購入額は全訪日外国人の中でNo.1
訪日タイ人観光客は買い物を良くする観光客ですが、そんな訪日タイ人観光客がしていく人気のアイテムとして「お菓子」や「化粧品」があります。他にも訪日タイ人観光客ならではの独特な消費行動がありますが、このようなことを知っておけば訪日タイ人観光客をターゲットにする際にも役立ってきます。 目次菓子類は良く買い物されるアイテム日本のお菓子の人気度観光庁の調査でも菓子類の購入率は断トツの1位実際の訪日タイ人観光客によるお菓子の爆買いの様子化粧品も訪日タイ人観光客には大人気男性もよく買い物していく化粧品ま...
であるのにも関わらず、旅館も数値が低い。これはどのようなことなのでしょうか。
仮説:訪日タイ人観光客は1度の旅行で1種の宿泊施設しか泊まらない
観光庁の訪日外国人消費動向調査の宿泊先の項目は、回答方式が複数回答となっています。たとえば、1回の訪日旅行で1日目がホテル、2日目が旅館、といった場合には、ホテルと旅館双方に得票されることになります。
また、他の宿泊施設での宿泊率も、他の訪日外国人観光客と比較して際立って高い数値を示しているものはありません。
従って、訪日タイ人観光客は、1度の訪日旅行でホテルを利用するなら(宿泊地を変えたとしても)ホテルに泊まり続け、旅館に宿泊するなら旅館に泊まり続けるのではないかと考えられます。
まとめ:日本ならではの体験ができる宿泊施設を求める訪日タイ人観光客
訪日タイ人観光客は比較的ホテルの利用率が低い傾向にあります。かといって、旅館に集中しているわけでもなく、他の宿泊施設についても際立って宿泊率が高いわけでもありません。
そのため、調査の回答項目が複数回答であるという特徴から、訪日タイ人観光客は1度の訪日でホテルに泊まったならホテルに泊まり続ける特徴がある、とうことが見えてきます。
<参照>
訪日タイ人観光客インバウンドデータ集
データでわかる訪日タイ人観光客
タイ人は1人あたりGDPが6,000ドル弱で(世界94位)程度で、インバウンドが盛んな国の中ではそこまで経済力があるほうとは言えません。しかしながら、訪日タイ人は、そのあまり高くはない経済力に対してかなり高額の支出をしています。「豊かさ」を表すGDPを例にとって見てみましょう。
訪日タイ人の特徴・国民性・旅行スタイル
2013年のビザ発給要件緩和以降、円安効果とバーツ高効果もあり、近年急激にインバウンド消費において存在感を放つ訪日タイ人観光客。中国や台湾をはじめとした訪日ブームが加速している東南アジアの中でも、成長率が最も著しい国の一つです。タイは熱帯に位置しているため、年間を通じて気温が30℃ぐらいが平均です。
【6/11開催】欧米豪インバウンドに刺さる!“地域にどっぷり浸かる”ローカルイマーシブ観光とは?
本ウェビナーでは、株式会社movと株式会社大阪メトロ アドエラの共催により、欧米豪向けインバウンドをターゲットとした「ローカルイマーシブ “地域にどっぷり浸かる没入体験”の提供」をテーマに最新情報をお届けします。
2025年大阪・関西万博の開催を契機に、欧米豪を中心とした訪日外国人観光客が関西を中心に日本全国に訪れる機会が急増しています。
一方で、地域の受け入れ側には「英語対応が難しい」「どう関わればいいかわからない」「コンテンツや訴求方法がわからない」「対応できる人材がいない」といった課題も多く、せっかく外国人観光客が訪れても、地元に経済的な波及効果が十分届いていないのが現状です。
本セミナーでは、大阪メトロ アドエラが展開する欧米豪向けインバウンド事業「Osaka JOINER」をもとに“まち全体でインバウンド受け入れるスキーム”を通じた、インバウンドに関わる人と経済のパイを増やすための可能性を紹介します。
観光施策、まちづくりに携わる方にとって、明日から活かせるヒントが満載です。
<本セミナーのポイント>
- 欧米豪インバウンドに刺さる「ローカルイマーシブ観光」の実践例がわかる!
- 多様な人材や事業者を巻き込む”まち全体”に経済効果を波及させる仕組みがわかる!
- 旅行者目線を徹底し、英語対応が難しくても、無理なくインバウンドを受け入れる方法が学べる!
- 旅行者満足度を獲得することで、マーケティング・プロモーションなど、広がる可能性がわかる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→欧米豪インバウンドに刺さる!“地域にどっぷり浸かる”ローカルイマーシブ観光とは?【6/11開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!