MICE誘致に欠かせないユニークベニュー:歴史的建造物などを会議、レセプション会場に

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

サミット、見本市をはじめとするMICEは、開催地域に大きな経済効果をもたらすことで知られていますが、その誘致には、地域独特の体験ができる建造物や空間「ユニークベニュー」が重要だと言われています。アジアではMICE誘致の競争が激化しており、観光業の活性化に注力している日本でもユニークベニューの重要性が認識されるようになりました。今回は、そのユニークベニューについて、事例とともに紹介していきす。

<オススメ記事>
中国インバウンド 今後の動向は?【訪日ラボが徹底予測】

ユニークベニューとは:MICEの誘致に大きな効果

ユニークベニューとは、会議、レセプションを開催する際に特別感や地域特性を出せる歴史的建造物、文化施設や公的空間のこと。多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどのMICEの誘致に大きな効果があると言われています。

欧米では昔から国際会議などは、ユニークベニューで開催するべきだとされています。その国独自の文化や歴史、雰囲気に触れられるユニークベニューを活用することで、話しやすい環境を作り出すことができ、自由な意見交換、人脈作りを促せると考えられているためです。また、国際会議などの参加者には歴史や芸術に造詣が深い人が多く、会議へのモチベーション向上にも繋がるとも言われています。

アジアで誘致競争が激化

MICEを開催することで海外の人脈や知見を取り入れることができ、経済的な競争力を高めることができます。また、開催地域への経済効果も大きく、訪日外国人観光客の呼び込みにも有効です。近年、韓国や中国、シンガポールなどのアジア諸国がMICE誘致に向けた取り組みを強化しており、競争が激化しています。日本でも積極的な対応が必要とされています。

観光庁は2013年、「ユニークベニュー利用促進協議会」を開催しました。ユニークベニューとなりうる施設や空間の開発、制度改正などを進めています。また、富士通総研に委託した「MICEの誘致拡大に向けたユニークベニュー活用促進事業」も実施されています。同事業では、ユニークベニューを活用したレセプション、会議などの開催費用の支援が行われます。

ユニークベニューの事例:多様な施設、空間が利用可能

ユニークベニューとして活用できる施設、空間は博物館や美術館、神社仏閣、屋外空間など多岐にわたりますが、特徴としては観光資源であると同時に、歴史や芸術、民俗、産業などに関連があるという点が挙げられます。

また、ユニークベニューでは特別な体験をできることが重視されるため、一般人が利用できない文化財などが活用されることもあります。観光庁が紹介している事例をいくつか見てみましょう。

慶沢園 (大阪府大阪市)

慶沢園

慶沢園

住友財閥の15代・住友吉左衛門が造営した庭園。平安神宮神苑や円山公園、大原三千院などの庭園を手掛けたことで知られる7代・小川治兵衛(通称:植治)が設計、施工を担当しました。

最大収容人数は50人。展示会やイベント、交流会などに利用でき、料金は500円(3時間、100平方メートル)。ただし、大阪市公園条例により、料金がかからないケースもあります。

ガンガラーの谷 ケイブカフェ(沖縄県南城市)

ガンガラーの谷 ケイブカフェ

ガンガラーの谷 ケイブカフェ

サンゴ礁由来の石灰岩が浸食されてできた天然の鍾乳洞で、2014年には国内最古となる2万年前の貝の道具、化石が発見されました。発掘調査は現在も継続されています。

最大収容人数はコンサートで使用した場合、350~600人。レセプションや交流会の場合、75~100人です。料金は10万円(税抜)から。

クルーズ船「マリエラ」(福岡県福岡市)

マリエラ

マリエラ

結婚式、一般観光などにも利用されているクルーズ船で、博多湾をクルージングしながらフランス料理などを楽しむことができます。

レセプションや懇親会、交流会で使用でき、最大収容人数は180~270人。料金は4,100円から(2015年4月以降)。

###

八事山 興正寺(愛知県名古屋市)

八事山 興正寺

八事山 興正寺

1688年に創建された、尾張徳川家とゆかりのある寺院。「尾張高野」とも呼ばれています。境内には国の重要文化財に指定されている五重塔がそびえ、豊かな自然が広がっています。

最大収容人数は約120人。レセプションや懇親会、交流会で使用でき、料金は応相談。

宮城県知事公館 (宮城県仙台市)

宮城県知事公館

宮城県知事公館

大正中期に陸軍の官舎として建築された和洋折衷の歴史的建造物。正門は旧仙台城の門として、県の有形文化財に指定されています。海外の大使や皇族などをもてなす迎賓館、結婚式、食事会などの会場として利用されています。

会議やセミナー、学会などに使え、最大収容人数は20~35人。料金は応相談。

まとめ:今後も積極的なユニークベニューの開発が必要

ユニークベニューはMICEの誘致には欠かせない存在で、アジアでの競争激化に伴い日本でも重要性が認識されています。寺院や迎賓館、鍾乳洞、クルーズ船など多様な施設が利用でき、日本各地に点在します。

歴史や芸術、民俗、産業などに関連のある施設を会議、レセプションなどの開催場所として併用できるため、強力な観光資源になります。今後も、積極的な開発が望まれます。

 

関連ページ

訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボでは、インバウンド対策に課題を抱えるご担当者様向けに、お悩み・課題解決を支援すべく、最新レポートの公開や無料のオンラインセミナーを実施しています。

【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】


【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年3月版レポートから、2月〜3月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
 訪日客向け“相撲エンタメショーホール” 大阪にオープン / 2023年年間宿泊者数 1位は韓国【インバウンド情報まとめ 2024年3月】


今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」


スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに