急速な増加を続ける免税店:訪日外国人観光客の利便性を意識した制度改正の取り組みも

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観光庁が2016年4月1日時点での免税店の店舗数を発表。詳しくは以下で解説しますが、これを見ると2014年頃から免税店が急速な増加を続けていることが分かります。また、2016年5月1日には消費税免税制度の改正も行われ、利便性が向上しました。

さらに訪日外国人観光客数が飛躍的な増加を続けていることを考慮すると、今後も免税店の需要は衰えないのではないでしょうか。こちらの記事では、免税店制度に関する動向をご紹介します。

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急速な増加を続ける免税店:2015年から1年間で約2倍に

免税店数の推移(環境庁)

免税店数の推移(環境庁)

観光庁は2016年5月18日、同年4月1日時点での免税店の都道府県別分布を発表しました。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県からなる三大都市圏に約21,693店舗、それ以外の地域に約13,509店舗あり、全国の店舗数は約35,202件となっています。

この全国店舗数は2012年同日の店舗数(4,173件)の約8.5倍、2015年同日(18,779件)の約2倍に相当し、免税店が急速に増加していることが伺えます。観光庁が発表したデータによれば、免税店の店舗数が増え始めたのは2014年頃から。その流れは、現在も続いているようです。

免税店の基礎知識

そもそも免税店とは、訪日外国人観光客をはじめとした非居住者に消費税を免除して販売する店舗のこと。外国人でも「日本国内にある事務所に勤務」「入国後6か月以上経過」していると例外的に居住者として扱われますが、訪日外国人観光客に商品を提供する限り、あまり気にしなくてよいでしょう。

免税店になるには、納税地を所轄する税務署への申請が必要で、以下のものが必要になります。

  • 許可を受ける販売場の見取図
  • 許可を受ける販売場の取扱商品が分かる一覧表など
  • 社内の免税販売マニュアル
  • 申請者の事業内容が分かるもの

また、販売する際にもパスポートの提示依頼、購入記録表の作成、購入者誓約書の保存などの手続きが必要です。

対象となる商品は家電製品やカバン、靴、洋服、民芸品などの「一般物品」、食品や化粧品、飲料、医薬品などの「消耗品」の2種類。消耗品は、出国まで開封できないように特殊なシールで包装します。

以上の申請方法、販売方法の詳細は、観光庁によるポータルサイト「消費税免税店サイト」でご確認ください。免税制度について英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、タイ語の5ヶ国語で解説した説明シートの配布なども行われており、非常に役立つはずです。

2016年5月1日に制度改正:訪日外国人観光客により使いやすく

2016年5月1日に消費税免税制度が改正されました。訪日外国人観光客の利便性を意識したもので、免税店がより使いやすくなると思われます。

最低購入金額の引き下げ

消費税免税の対象となる最低購入金額が、一般物品、消耗品ともに5000円まで引き下げられました。単価の低い民芸品、伝統工芸品などでも免税を受けやすくなります。電化製品などの高価な商品の需要があまり期待できない地域の事業者には、特に影響が大きいと思われます。

簡便な海外直送手続きの導入

免税店で購入した商品を直接海外の自宅、空港などに配送する際、訪日外国人観光客によるパスポートの提示、運送契約書の写しの提出だけで免税を受けられる制度が導入されました。購入記録票の作成が不要で、免税手続きも大幅に簡略化されています。

免税制度がより簡単に利用できることから、物品を持ち歩かない「手ぶら観光」の促進が期待されています。

免税手続を行うカウンターの利便性向上

商店街の店舗、ショッピングセンターで購入した商品を合算して、免税手続きカウンターで処理できるようになります。たとえば、商店街とショッピングセンターで3000円ずつ一般物品を購入した場合でも、免税を受けられます。

対象となるのは、商店街の組合員がショッピングセンターを設置している場合。事前に税務署長の承認が必要となります。

免税手続を行うカウンターの利便性向上

免税店には、購入者から提出される購入者誓約書を7年間保存する義務があります。この購入者誓約書が電磁的記録(コンピュータで処理できるデジタルデータ)で提出、保存できるようになります。

まとめ:訪日外国人観光客が買い物しやすい環境づくりが進む

行政による制度改正、多言語対応のサポートなどを通じて、免税店の利便性は高まっています。訪日外国人観光客にとって利用しやすい環境づくりが進めば、日本をもっと楽しんでもらえるようになり、より多くの消費額も期待できます。

免税店の店舗数は数年間にわたって増加を続けていますが、この傾向は今後も続くのではないでしょうか。この流れに乗り遅れることのないようにしたいものです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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