訪日米国人観光客向けにインバウンド対策をとるにあたって、米国人スタッフの存在はあらゆる面で戦力になることは間違いありません。しかし、雇用形態や給与の面で様々な認識の違いもあり一筋縄ではいかないようです。こちらの記事では訪日米国人観光客向けのインバウンド対策として米国人を採用する際の注意点をご紹介します。
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インバウンド対策のために外国人労働者を採用するメリットとは
外国人労働者を雇うことで得られるメリットは、第一に海外事業への貢献が挙げられます。例えば米国人を雇えば、母国の文化や習慣を理解しているため、訪日米国人観光客の求めていることや悩みなどが肌感覚で理解できます。たとえ英語が堪能な日本人でも他国の文化や習慣に精通するためには非常に長期にわたる訓練が必要でしょう。
外国人労働者を採用するデメリットとは
外国人労働者を雇用する際のデメリットとしてまず挙げられるのは、日本への滞在期間があるということです。永住権を取得していて日本に定住する人は別ですが、ほとんどの外国人労働者はいずれ本国に帰ることが多いです。
また、米国人労働者の場合は米国の流動性の高い労働環境を知っています。訪日米国人観光客向けのインバウンド対策のために手塩にかけて育てたところでキャリアアップのためにいきなり退職することは往々にしてあります。
愛知県観光局が募集した「忍者」にアメリカ人を採用
愛知県の観光局が観光PRのために6人の忍者をネット上で募集したところ、東京都在住の米国人男性・クリス・オニール(ChrisO’Neill)さんが採用されました。愛知県振興部観光局の自治体職員として勤務することになったクリスさんは、唯一の米国人忍者としてPRの場で活躍しています。
外国人労働者を採用することによる話題性つくり
愛知県振興部観光局の忍者として雇われたクリスさんのように、観光業界においてはPRスタッフとして米国人労働者を雇うことは、訪日米国人観光客のみならず、国内外の注目を集める手段として非常に有効だと言えます。
例えば、秋葉原で訪日外国人観光客を誘致したいと考えた場合、ロシアや欧米人などのハイレベルなコスプレイヤーを雇えば、訪日米国人観光客をはじめとした日外国人観光客のあいだで話題になり、インバウンド対策になるのではないでしょうか。
アメリカ人と日本人の採用に関する認識の違い
アメリカ人の雇用に関する認識は日本人とは大きく違い、終身雇用という概念があまりなく、非常に流動性に富んいるため会社にいる必要を感じなくなれば退社することは自然だと考えています。
そのため、日本人は長く働いてもらうことを前提に採用したところで、会社側が米国人労働者に対して価値を感じさせることができなくなれば他の会社に移ってしまうでしょう。
アメリカ人を採用する際の注意事項
アメリカ人新卒者を採用することを考えた場合、アメリカと日本の初任給の違いについて認識しておく必要があります。日本の新卒者の平均初任給は約20万円程度ですが、アメリカは約$44と日本の約1.8倍となります。
しかし、日本は新卒者であってもボーナスが支給されるところが少なくないですが、アメリカでは中間層以上であることが一般的です。そのため、初任給だけを提示してしまうと日本で働くことにメリットは感じてくれないでしょう。
まとめ:訪日米国人観光客のインバウンド誘致を考える際の米国人の採用
米国人観光客をインバウンド誘致することを考えた場合、米国人スタッフを迎え入れることは大きな戦力となると考えられます。しかし、採用に関してはハードルがあり、職種によっては非常に困難な場合があるでしょう。
今後、国内の観光関連企業にも外国人スタッフが増えてくると予想されますが、日本人の採用とは勝手が違う可能性があることを視野に入れて考える必要があります。
<参照>
- ライブドアニュース:愛知県の観光局が募集した「忍者」職 アメリカ人男性も選ばれる
- 一般財団法人 対日貿易投資交流促進協会:対日投資コラム - 外国人雇用専門の人材コンサルティング会社
- ERPナビ:第4回 アメリカ人が日本で就職する際の高い壁
- BLOGS:会社に尽くすアメリカ人、会社に居座る日本人
訪日米国人観光客インバウンドデータ集
データでわかる訪日アメリカ人観光客
ニューヨーク人口密度は1,800人/km2(日本でいうと東京の1/3くらい。埼玉と同じくらいの人口密度)。国全体の人口密度は33.7人/km2(日本でいうと東京の1/200くらい。北海道の1/2くらいの人口密度)
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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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