ヘルシーさと味の良さ、美しい見た目から、和食が海外で注目されるようになったのは1970年代のこと。2013年末には、日本文化を体現するものとしてユネスコ無形文化遺産が登録され、和食ブームはさらに加熱しています。
これとともに、海外に市場を拡大しているのが日本酒。米国を中心に欧州、アジア諸国で人気を集め、2013年には輸出額が100億円を越えました。10年前の2003年と比較すると、約2.7倍にまで増加しています。今回は、欧米を中心に起きている日本酒ブームについてご紹介します。
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日本酒ブームの背景には、40年ちかく続く和食ブーム
前述した通り、海外の日本酒ブームの裏側には、約40年にわたる和食ブームがあります。米国政府は1977年、医療費削減を目的として「食生活改善指導」を発表。脂肪分やコレステロールが少なく、たんぱく質、炭水化物が多いメニューを、健康的な食事として推奨しました。これが和食とほぼ同じものだったことから、米国で日本料理が注目を集めるようになりました。
80年代初頭に全米各地で寿司ブームが起こり、それ以降、欧州や南米、オーストラリアでも流行。寿司以外の和食のメニューまで提供する日本食レストランが多かったことから、寿司ブームは和食一般のブームにまで発展したと言われています。
このような海外での和食受容を背景に、日本酒を飲む人も増加しました。現在では、多くの訪日外国人観光客が和食を食べること、日本酒を飲むことを旅行目的のひとつにしています。
海外での日本酒の楽しまれ方:ワイングラスで日本酒を

海外では、どのように日本酒が楽しまれているのでしょうか。欧米の日本酒好きはワイングラスに入れて、まるで高級ワインのように楽しんでいると言われています。おちょこと違って香りが立ちやすく、色味も確認できるため、テイスティングしやすいというのがその理由。自国の風習に合った飲み方で楽しまれているようです。
しかし、このような人々ばかりではありません。海外では「日本酒=自国にはないおちょこ、とっくりで飲むもの」というイメージが強く、あくまでも異国のお酒として認識している人が多いと言われています。多くの日本食レストランがとっくりに入れた状態で提供しており、ラベルを見ながら飲み比べをすることはできません。日本文化を体験することはできますが、舌の肥えた日本酒好きが現れ、日常的に親しまれる環境とは言いがたいでしょう。
また、日本食レストランに転換した中華レストランが、中国の白酒を日本酒と称し提供しているケースもあるそう。これは麦やエンドウなどから作る蒸留酒で、日本でいうところの焼酎のような飲み物だとされています。
日本酒ブームは日本でも
海外の日本酒ブームには、日本酒業界の変化も影響しています。近年、食文化の多様化を背景に国内の日本酒消費が冷え込んでおり、日本酒メーカーは海外市場の拡大に注力しています。米の生産量が多い米国カリフォルニア州に、海外工場を持つメーカーも現れています。
また、旨味成分に関する研究が進み、醸造技術が発展したこと、品質管理するための機械が開発されたこと、それらを積極的に取り入れる若手の職人が現れていることを背景に、日本酒自体が変化を遂げています。さまざまな料理に合い、女性でも飲みやすいものが製造されるようになり、日本の若者のあいだでもブームが起こっています。若手が経営する蔵元の日本酒だけを集めた試飲会なども開催されるようになりました。
政府、官庁も日本酒ブームを牽引
2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録、2020年には東京オリンピックが開催。日本に対して世界的な注目が集まっており、現在は日本文化のプロモーションにはまたとない機会だとして、日本政府は日本酒ブームを拡大させるための活動を行っています。2015年には、クールジャパン推進の一環として、國酒(日本酒、焼酎のこと)をはじめとする日本で作られたお酒の輸出環境を整備する「日本産酒類の輸出促進連絡会議」が発足されました。
2016年2月には自民党が「日本産酒類振興プロジェクトチーム」を発足。居酒屋「ワタミ」の創業者である渡邉美樹参議院議員が、幹事を務めています。同氏のブログによれば、日本で作られた日本酒やビール、ウィスキーなどのお酒の輸出額は390億円(2015年)。フランスのワイン(輸出額7,951億円)、イギリスのウィスキー(輸出額6,721億円/ともに2012年)と比較すると、市場規模は大きくありません。
この状況の改善のためには、日本酒の関税を低減するよう海外に促す、日本酒のブランディングに向けた支援を行う、自立した企業、蔵元を支援するなどの対策を、国が行う必要があるとしています。
まとめ:今後の日本酒ブームの進展に期待
ここ数年、マスコミ各社が海外での日本酒ブームを紹介しています。この背景には長年にわたる和食ブーム、メーカーによる輸出拡大戦略、日本酒の製造現場の変化などがあります。しかし、海外の日本酒受容には伸びしろがあり、官民ともに対応が求められています。
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