2016年8月17日、日本政府観光局(JNTO)より2016年7月の訪日外客数が発表されました。
JNTOによると、2016年7月の訪日外客数は、前年同月比19.7%増の229.7万人で、7月として過去最高だった前年同月を超え、さらに、単月としても過去最高であった2016年4月も超えており、ダブルで過去最高となる月となりました。
多くの市場で夏期休暇シーズンとなり、訪日旅行需要がピークを迎えた7月。クルーズ船の大幅な寄港増加や航空路線の新規就航・増便に加え、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションの効果により、絶好調だった7月の各市場の様子をご紹介します。
<先月のJNTOプレスリリースまとめはこちら>
【2016年6月版】訪日外客数198.6万人、訪日中国人が3ヶ月連続で50万人突破!:JNTO訪日外客数プレスリリースまとめ
2016年7月20日、日本政府観光局(JNTO)より2016年6月および1月〜6月上半期の訪日外客数が発表されました。JNTOによると、2016年6月の訪日外客数は、前年同月比23.9%増の198.6万人だったとのこと。昨年5月の160.2万人を38万人上回り、6月として過去最高の記録となりました。2016年4月に発生した熊本地震の影響や夏休みシーズンの狭間ということも心配されていた6月でしたが、台湾、香港、米国が単月として過去最高を記録するなど、全体的に好調だった6月について、各トピック...
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
単月訪日外客数200万人を大幅に超え、229.7万人で過去最高達成!
先月のJNTOプレスリリースまとめでも触れたとおり、7月は各国のバケーション需要が重なり、インバウンド需要がピークを迎えた模様。今年7月の訪日外客数229.7万人という数字は、7月として過去最高だった前年同月の191.8万人を30万人弱超過、さらに、単月としても過去最高であった2016年4月の208.2万人も20万人超で超えるものです。
この増加トレンドは8月も続く模様:各国の夏休みシーズンは8月まで
今回の8月の訪日外客数の増加は、7〜8月の各国の夏休みシーズンによるバケーション需要が後押ししたものと見られます。このトレンドは引き続き8月まで続くものと見られ、来月も200万人突破はほぼ確実と思われます。
8月も夏休み期間が続く訪日主要国は以下のとおり。
- 中国:7月〜8月下旬
- 韓国:7月下旬〜8月下旬
- 台湾:7月〜8月末
- 香港:7月中旬〜8月末
- アメリカ:6月中旬〜8月末
今年の1月〜7月までの訪日外客数は、主に中国・台湾・香港市場にて順調な伸びを見せており、それぞれの訪日外客数および前年比増加率は、
- 中国:3,807,900人(38.2%増)
- 台湾:2,552,800人(18.5%増)
- 香港:1,052,800人(23.8%増)
となっています。
各市場の様子:中国が4ヶ月連続で50万人オーバー!
中国市場では前年同月比26.8%増の731,400人で、全体同様7月として&単月として過去最高であり、今回の7月の全体市場の好調を牽引した結果となりました。
4月以降の推移は
- 4月:514,867人(前年同月比26.9%増)
- 5月:507,200人( 〃 31.0%増)
- 6月:507,200人( 〃 26.0%増)
- 7月:731,400人( 〃 26.8%増)
と、4月以降から3ヶ月連続で50万人超えの推移をしており、7月はそれを大幅に超える外客数を獲得しました。
要因は中国の夏休みシーズンのピークを迎えたことと、クルーズ船の寄港増加が訪日中国人観光客数の増加に大きく寄与。また個人旅行(FIT)需要も堅調とのこと。
クルーズ船需要については以下の記事で詳細に説明しています。
クルーズ船が世界的なブームになっている理由とは:2015年には日本での利用者数が100万人を突破
日本政府観光局(JNTO)は毎月、訪日外国人観光客数の推計値を発表しています。訪日外国人観光客観客数は年々増加しており右肩上がりの好調子なのですが、その理由として必ずといっていいほど挙げられているのは、クルーズ船の寄港増加です。なぜ飛行機よりも時間のかかるクルーズ船が、これほどまでに大きな影響を及ぼしているのでしょうか。また、官公庁はどのような施策を行っているのでしょうか。今回は、訪日外国人観光客の誘致に高い効果を発揮しているクルーズ船の動向についてご紹介します。 目次クルーズ船がインバウ...
韓国市場も先月に続き堅調な伸びで30%増の44.7万人
7月において、訪日中国人観光客の次に訪日客が多かったのは韓国市場です。前年同月比30%増の44.7万人を記録し、6月につづいて前年比30%超増加を果たしました。
熊本地震の影響を受け、今年5月は2014年6月以来初のマイナス成長をし、今後の影響が心配されていたものの、熊本地震以前の成長水準まで復活。熊本地震で運休していた航空戦の再開や新規就航、増便などが追い風になりました。
さらに、夏休み旅行期間の九州旅行者を対象に最大70%OFFになる「九州ふっこう割」を活用した旅行商品が、7月末から韓国にて販売されたこともあり、8月以降の韓国市場の推移には注目です。
まとめ:8月も引き続き順調な伸びが見込める
訪日外客数を牽引する東アジアの国々は8月も夏休みシーズンが続きます。そのため、7月に引き続き8月もバケーション需要による順調な伸びが続くものと見られ、前年8月が181.7万人であったことを考えると200万人超えは必至の見込み。
8月において注目すべきはクルーズ船需要が好調の中国と、「九州ふっこう割」を活用した旅行商品による韓国への影響でしょう。また、リオオリンピック閉幕式での東京五輪PR「トーキョーショー」が世界中で話題になったことから、多少なりとも8月の訪日外客数に影響する可能性は高いと思われます。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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