訪日外国人観光客の増加から、インバウンド需要が増えている飲食業界。2016年8月25日の日本政府観光局(JNTO)のプレスリリースによると、JNTOは、「Los Angeles Times」が主催する食のイベント『The Taste』のブースに「日本食」を紹介するコーナーを出店します。
これは、訪日アメリカ人観光客からも関心が高い「日本食」を使って、訪日外国人観光客の誘致に、取り組むためです。このイベントには約8,000人の来場が見込まれます。
「食」は訪日外国人観光客にとって、旅行時の楽しみの一つでもあるため、飲食店にとってインバウンド対策を進めることは重要なことです。
先日の記事(アサヒ「飲食店おもてなし ヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策①集客編)、(「アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド 対策②準備編)に続く最終編として、今回は飲食店のインバウンド対策・料理、接客編について解説。
「飲食店おもてなし ヒントブック」内で紹介されていた、飲食店のインバウンド対策事例に加え関連情報をご紹介します。
<関連リンク>
アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策①集客編
訪日外国人観光客増加に伴って様々な取り組みを始めている飲食業界。8月24日の日本経済新聞によると、岐阜県高山市のまちづくり推進会社「まちづくり飛騨高山」は市内に訪日外国人観光客を対象とした飲食施設を建設すると発表しました。飲食×インバウンドの動きは全国各地で見ることができます。アサヒビール株式会社からは、全国の飲食店へインバウンド対策を提起するため「飲食店 おもてなしヒントブック」という資料が配信されています。「海外から日本に訪れるお客さまをおもてなしするためのノウハウ集」と題して作成され...
アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策②準備編
訪日外国人観光客の増加を背景に、様々なインバウンド対策を行っている飲食業界。2016年7月27日の株式会社JR東日本都市開発のプレスリリースによると、JR東日本は今年11月下旬までに、JR両国駅に「-両国- 江戸NOREN」を開業します。これは、「味」「素材」「料理人」のこだわりを楽しめる複合飲食施設。「江戸」をコンセプトにした建物内で日本食を楽しむことができ、「日本食」に関心の高い訪日外国人観光客の集客を狙うとのことです。他にもこのように、「日本食」を訪日外国人観光客に楽しんでもらう動き...
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飲食店のインバウンド対策・料理、接客編:ポイントは「日本文化体験の提供」「食の制限への配慮」「接客英会話の習得」の3つ
飲食店が訪日外国人観光客の料理、接客に関するインバウンド対策をする場合、「日本文化体験の提供」「食の制限への配慮」「接客英会話の習得」の3つがポイントです。
訪日外国人観光客の集客に向け、既にインバウンド対策に取り組んでいる飲食店の事例を参考に、この3つについて説明していきます。
「日本文化体験の提供」によるインバウンド対策例:しゃぶしゃぶ・すし 八山
東京都港区六本木に位置する「しゃぶしゃぶ・すし 八山」では、「六本木」という立地の関係か、多くの訪日外国人観光客が来店。
「少しでも日本の文化を知っていただきたい」という思いから、インバウンド対策として「寿司握り体験」を開催しています。
初めに紙芝居で簡単に寿司の歴史を紹介した後、実際に訪日外国人観光客に握ってもらうとのこと。
レシピの提供も行っており、店外でも訪日外国人観光客に日本文化を楽しんでもらえるようにしています。
TripAdvisorでも高評価を獲得。店主が全てのレビューに返信。
こうした「しゃぶしゃぶ・すし 八山」は訪日外国人観光客に好評となっています。
観光口コミサイト「TripAdvisor」のレビュー欄を見てみると、概ね星4~5の高評価。訪日外国人観光客による感想を多数みることができます。
また、全ての訪日外国人観光客のレビューに対して店主から返信がしてあり、こうしたところにも「おもてなし」の心を見ることができます。
「食の制限への配慮」によるインバウンド対策例:「大地の贈り物」
東京都台東区上野に位置する本格和食ビュッフェ専門店「大地の贈り物」。「和」を意識した新鮮な有機野菜を中心にした和食がメインで、季節を感じさせる期間限定のメニューの提供も行っています。
同店では、宗教上の理由や、ベジタリアンなど思想上の理由で、特定の食材を楽しむことができない訪日外国人観光客のために、使用している食材によってビュッフェコーナーを分けています。
料理情報や店内情報の英語表記も併せて行っており、多くの訪日外国人観光客のニーズに応えるために努力をしています。
観光庁からは「食文化・食習慣に関するインバウンド対策マニュアル」が配信:安心して訪日外国人観光客に「日本食」を楽しんでもらうことが目的
観光庁からは、飲食店のインバウンド対策向けに「多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル」が配信されています。
これは、訪日外国人観光客に安心して「日本食」を楽しんでもらうために作成されました。訪日外国人観光客接客時のマナー、宗教上タブーになっている食材のリスト、ベジタリアンなど食に対しての信条の理解などが記載されています。飲食店のインバウンド対策において参考になります。
「接客英会話の習得」によるインバウンド対策例:「水たき玄海」
水炊きや、鳥料理などの「和食」を提供する「水たき玄海 本店」は東京都新宿に本店を構えます。前回の記事「アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド 対策②準備編では、多言語対応注文端末によるインバウンド対策をご紹介しました。
しかし、「水たき玄海 本店」では、接客英会話の導入により訪日外国人観光客とのコミュニケーション不足解消へ力を注いでいます。
店舗から代表者を集め、接客英会話を受講。店員役、訪日外国人観光客役に分かれて接客のロールプレイングをしています。現場ですぐにでも使える英会話を学べる点が醍醐味です。
英検では通信講座で「おもてなし 英会話入門」を提供。接客時のインバウンド対策に有効
「英検」で有名な公益財団法人「日本英語協会検定」。通信講座の一環として「~お客様は外国人~ おもてなし英会話入門」を提供しています。
この通信講座は、英検4級から3級の英語学習者向けでこれは、中学生レベルの英語力にあたります。訪日外国人観光客が求める情報を理解し、おもてなしの心を英語で伝える力をマスターできるとのことです。
2カ月の受講で15,120円となっており、費用もお手ごろなので、スタッフの接客英会話の取得を目指す飲食店には良いサービスです。
まとめ:訪日外国人観光客の料理、接客に関するインバウンド対策のポイントは「日本文化体験の提供」「食の制限への配慮」「接客英会話の習得」
先述の通り、飲食店が訪日外国人観光客の料理、接客に関するインバウンド対策をする場合、
- 「日本文化体験の提供」
- 「食の制限への配慮」
- 「接客英会話の習得」
の3つがポイントです。
この3つになります。これらに加え、観光庁から配信されている「多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル」の確認、「おもてなし英会話入門」など接客英会話学習ツールの活用もポイントになるでしょう。
今回で最後になるアサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策シリーズ。下記リンクから集客編、準備編もご覧いただけます。
<関連リンク>
アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策①集客編
訪日外国人観光客増加に伴って様々な取り組みを始めている飲食業界。8月24日の日本経済新聞によると、岐阜県高山市のまちづくり推進会社「まちづくり飛騨高山」は市内に訪日外国人観光客を対象とした飲食施設を建設すると発表しました。飲食×インバウンドの動きは全国各地で見ることができます。アサヒビール株式会社からは、全国の飲食店へインバウンド対策を提起するため「飲食店 おもてなしヒントブック」という資料が配信されています。「海外から日本に訪れるお客さまをおもてなしするためのノウハウ集」と題して作成され...
アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策②準備編
訪日外国人観光客の増加を背景に、様々なインバウンド対策を行っている飲食業界。2016年7月27日の株式会社JR東日本都市開発のプレスリリースによると、JR東日本は今年11月下旬までに、JR両国駅に「-両国- 江戸NOREN」を開業します。これは、「味」「素材」「料理人」のこだわりを楽しめる複合飲食施設。「江戸」をコンセプトにした建物内で日本食を楽しむことができ、「日本食」に関心の高い訪日外国人観光客の集客を狙うとのことです。他にもこのように、「日本食」を訪日外国人観光客に楽しんでもらう動き...
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2024年も残りわずかとなりました。来年2025年は大阪・関西万博が開催されるほか、中国市場の回復などもあり、今年以上の盛り上がりが予想されています。2025年に向けて、訪日旅行者へ向けたマーケティング戦略を強化していきたいと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。
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