訪日中国人観光客集客へ電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」の活用を:各地で進む導入の動き

公開日:2016年09月29日

訪日外国人観光客の増加から、日本国内の企業、自治体はインバウンド対策を進めています。

日本政策投資銀行より引用

日本政策投資銀行より引用

訪日中国人観光客は、訪日外国人観光客の出身国として最も割合が高いため、インバウンド対策を進めるにあたり大きなターゲットになります。

観光庁データによると、2013年は約130万人、2014年は約240万人、2015年は約500万人と、訪日中国人観光客数は年々伸びています。また、それに伴い訪日中国人観光客のインバウンド消費も、増加していることが確認できます。

こうした動きを受け、訪日中国人観光客を誘致するために、中国で広く普及している電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を活用する動きが出てきています。

 

杏林堂薬局がオリックスと共同で中国電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を導入:静岡県内の企業では初となる試み

YOMIURI ONLINEより引用

YOMIURI ONLINEより引用

2016年9月23日のYOMIURI ONLINEによると、ドラッグストアチェーン「株式会社杏林堂薬局」(以下、杏林堂薬局)は、総合リース企業「オリックス株式会社」(以下、オリックス)と共同で、中国電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」の導入を開始します。

杏林堂薬局は、静岡県西部・中部地区に展開するドラッグストア。食品・日用雑貨品も取り扱っています。

中国最大級の電子決済サービスを通じて、訪日中国人観光客に人気の商品である医薬品、日用雑貨品に関するインバウンド消費を促します。

支付宝(アリペイ)」の導入は、静岡県内で初。掛川花鳥園前店、富士松岡店、清水三保店、島田稲荷店、浜岡店の5店舗で導入が開始される予定です。

このように、訪日中国人観光客誘致へ導入が進んでいる「支付宝(アリペイ)」。一体どのようなサービスなのでしょうか?

 

「支付宝」は8億人が利用する中国最大級のオンライン決済サービス:商品購入時のQRコード利用+デビットカード型機能が特徴

PYMNETSより引用

PYMNETSより引用

支付宝(アリペイ)とは、「アリババグループ」が提供する中国最大級のオンライン決済サービスです。

もともと、クレジットカードが浸透していなかった中国では、「銀聯」のデビットカードが一般的に使われていました。そのような状況の中、近年急速に普及し始めているのが「支付宝(アリペイ)」です。

支付宝(アリペイ)」では登録した銀行口座から支払いを行います。世界的に有名なオンライン決済サービスPaypal(ペイパル)と非常に似たシステムで、利用登録者は約8億人にもなります。

店舗で商品を購入する場合は、スマートフォンに専用アプリをインストール、銀行口座情報を登録して、支払い時にQRコードを読み込んで決済します。

また、ネット決済時にも、登録された銀行口座からそのまま料金が支払われるシステムになっており、デビットカードに似た側面も持っています。

中国で普及が急速に進んでいる、オンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」の導入による訪日中国人観光客誘致への動きは、ほかの企業でも見ることができます。
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「支付宝(アリペイ)」導入例①:老舗百貨店「大丸松坂屋」

2016年9月18日の日本経済新聞によると、老舗百貨店「大丸松坂屋百貨店」では、訪日中国人観光客集客を目的に「支付宝(アリペイ)」を導入しています。

対象になるのは、訪日中国人観光客に人気の高い化粧品売り場です。利用状況を見ながら、対象店舗、対象エリアの拡大を図ります。

また、「大丸松坂屋百貨店」では、「支付宝(アリペイ)」の他にも「WeChat Payment」や「QQ Wallet」の導入など、訪日中国人観光客向けに決済手段を拡充しています。
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訪日中国人観光客が必携としているコミュニケーションツールをWeChat(微信)のほかにひとつだけ挙げるとしたら、それはテンセントQQ( 騰訊QQ、Tencent QQ; 以下、QQと略)だといえるでしょう。

「支付宝(アリペイ)」導入例②:大手コンビニエンスストア「ローソン」

2016年1月21日、株式会社ローソンは、「支付宝(アリペイ)」の取り扱いを開始することをニュースリリース上で発表しています。

多くの訪日中国人観光客の来客が見込まれる、中国の大型連休「春節」に合わせ、空港やホテル周辺など、インバウンド需要の高い9店舗に「支付宝(アリペイ)」を導入しました。

また、ローソンでは中国国内にも470店舗を展開しており、海外進出にも力を入れています。

「支付宝(アリペイ)」導入例③:「関西国際空港」

2016年9月24日の日本経済新聞によると、関西国際空港でも「支付宝(アリペイ)」の導入を実施するとのこと。

関西国際空港及び大阪国際空港を運営する関西エアポートは、増加する訪日中国人観光客を背景に、関西国際空港の免税店などに「支付宝(アリペイ)」を導入したと発表しました。

最初の段階として、国際線出国エリア8店舗で、導入を開始。月内には83店舗に広げ、10月下旬までには他のエリアを含む約150店ほぼ全てで、使えるようにする予定です。

 

まとめ:訪日中国人観光客集客へ「支付宝(アリペイ)」導入の検討を

今回ご紹介した通り、訪日中国人観光客誘致へ決済手段の拡充は大きなポイントになります。

例として取り上げた「杏林堂薬局」「ローソン」「大丸松坂屋」「関西国際空港」のように、急速に普及が進んでいる「支付宝(アリペイ)」を活用することで、訪日中国人観光客のインバウンド消費喚起につながります。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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