インバウンドビジネスにおいては、訪日外国人観光客に何が売れるのか、何が流行っているのかを掴むことは非常に重要です。
訪日外国人観光客の日本グッズブームの中には、企業が意図してプロモーションしたものもあれば、SNSなどでの拡散で自然発生的に生まれたもの、または全く想像のつかないところから発生することもあります。
例えば訪日タイ人観光客の間でアシックスのスニーカーブランド「オニツカタイガー」が流行したのは、若かりし頃の故・プミポン国王の着用写真がSNSで拡散したことがその発端と言われています。
オニツカタイガーとメロンパンが訪日タイ人観光客に大ヒットした理由とは?
次の人気商品は日本のスニーカーブランド「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」と花月堂のジャンボめろんぱんが訪日タイ観光客に人気を博しています。この記事では、スニーカーブランド「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」と花月堂のジャンボめろんぱんが訪日タイ観光客にヒットした理由をご紹介します。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査・リサーチ」の資料を...
タイのプミポン国王が死去…訪日タイ人、インバウンドビジネスへの影響は?
昨日10月13日、タイの国王「プミポン国王」が88歳で死去しました。現地時間午後3時52分(日本時間午後5時52分)に病院で息を引き取り、タイの国民は悲しみに包まれています。1964年に王位を継承し、在位期間は世界最長。死去のニュースは世界中に伝えられ、各国の首脳や国王などから弔意が伝えられています。今回は、タイの国民に愛されたプミポン国王と、その死去によるインバウンドビジネスへの影響を考えてみます。目次プミポン国王とは?プミポン国王の政治力の象徴「暗黒の5月事件」国民からの愛され方がすご...
この例に限らず、訪日外国人観光客や、彼らの母国での日本グッズブームの中には「なぜそれが今流行っているの?」と首をかしげたくなることも多々あります。
今回は、そのような日本ブームの一例として、アメリカで流行中のたい焼きに焦点をあてて、その流行の背景を解説していきます。
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アメリカでたい焼きが流行中
「社会の片隅で起きている 小さいけれど見過ごせない“事件”の数々 その、意外な真相をあぶり出す。」をキャッチコピーとするNHKの教養番組「所さん!大変ですよ」。その先日の放送では、アメリカを始めとした世界中で何故か巻き起こっているたい焼きブームについての追跡・調査をしています。
放送では、そのたい焼きブームの背景には、2006年の日本のアニメ「Kanon」があるとしています。
かっぱ橋道具街に、世界中からたい焼き機の注文が殺到
番組の冒頭では、かっぱ橋道具街のある店鋪に、世界中からたい焼きの調理器具の注文が殺到していることを紹介。
店鋪への取材によると、5年ほど前から「たい焼き機をオーダーしたい」との問い合わせが来るようになり、現在ではアメリカを中心に、年間40〜50件の問い合わせが来ている状況。
しかしながら、店主はその人気の理由がわからない、と取材で回答しています。
その背景には2006年の日本アニメ「Kanon」が
番組取材班は、調査を続行。すると、Twitter上で以下のツイートを発見します。

Twitter:アニメ「Kanon」の鯛焼きについて言及する投稿(https://twitter.com/daisuki_net/status/626285040570273792)
ツイートには「fans of the anime ‘Kanon’ should know what Taiyaki is. but Kanon fan ≠ average Anime fan I guess(「カノン」のファンならたい焼きを知ってるよね。でも「カノン」ファンは普通のアニメファンじゃないかも)」というテキストとともに、アニメ絵の少女がたい焼きを持っている画像が紹介されています。
その後、取材班はアメリカはロサンゼルスの有名アニメショップへ向かい、ショップ店員への質問により、この画像の意味を知ります。
ツイートにあった画像は、日本のテレビアニメ「Kanon」の1シーンだったのです。
アメリカでのたい焼きブームの原因は「Kanon」のヒロイン

Twitter:NHKで鯛焼きとアニメ「Kanon」の関係が報じられている様子を見た人の投稿(https://twitter.com/Kaworu_AIC/status/796678562665431040)
「Kanon」とは、2006年にBS-i(現BS-TBS)にて全24話で放映されたテレビアニメ。制作は「涼宮ハルヒの憂鬱」や聖地巡礼の発祥となったと言われる「らき☆すた」、最近では大ヒット映画「聲の形」を手掛けた京都アニメーションです。
訪日外国人の「聖地巡礼」とは? 約100万人のインバウンド観光客の満足度84.9%
「聖地巡礼」という俗語をご存知でしょうか?もともとは宗教上の聖地や霊場などを参拝して回ることを意味します。有名なものでは、イスラム教において人生のうち、1度はメッカを訪れなければならないとされている「ハッジ」ではないでしょうか。しかしながら、現在ではその「聖地巡礼」の原義から転じて『アニメや漫画などの舞台やモデルとなった場所や縁のある場所を「聖地」と呼び、その「聖地」を訪れる』という意味がメジャーとなってきています。いまやインバウンド需要においても重要な要素となりつつある、この意味での「聖...
本作のヒロインキャラクター「宮月あゆ」の好物がたい焼きであり、作中では毎回のようにヒロインがたい焼きを美味しそうに食べるシーンが登場します。
このシーンを見たアメリカのアニメファン達は「いったい(これは)何だろう?と食べたくなるんだ」「寒いなかでたい焼きを食べるのを見ると 幸せな気持ちになって誰もが食べたくなるの たい焼きが広まったのは彼女のうれしそうな笑顔のおかげよ」(番組でのショップ店員への取材コメント)といった感想をいだき、たい焼きに興味を持ち始めます。
アニメファンからネットユーザーへの広まり

日本での放送から送れること5年、2010年ごろから、アメリカのSNS上で、アニメファンによるたい焼きの投稿が見られる様になります。
そこからアニメファン以外の一般人ユーザーたちにも話題となり、実際に作って食べることが流行していきます。
しかも、たい焼きにアレンジが加えられ、日本とは違う独自の食べ物に進化していきます。
アメリカのシアトルの路面店で売られているたい焼きでは、ベーコン入りに”アメリカナイズド”され、またロシアではサーモンとクリームチーズのたい焼きに、そしてインドネシアではたい焼きにパン粉をつけて串揚げのように揚げて食べられるなど、たい焼きはそれぞれの国で独自の進化を遂げています。
まとめ:インバウンドで勝機をつかむには”インバウンドらしい”情報以外もチェック
今回ご紹介したたい焼きの例や、冒頭でも触れたタイでのオニツカタイガーの例など、日本の文化・商品が、日本人が想像もつかないプロセスで海外での人気を得るということがよくあります。
このような事例を調査・分析し、「なぜそれが流行しているのか」「どのような経路で広まったのか」を把握することで、プロモーションのヒントになる可能性があります。
そのため、インバウンドで勝機を掴むには、JNTOや観光庁が発表する訪日外国人観光客の動向や円為替相場の動きなどといった”インバウンドらしい”情報はもちろんのこと、海外での日本文化や商品に関連する流行についても、多角的にチェックしていく必要がありそうです。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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