格安航空会社(LCC)の普及や、中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和、また円安が進んだことなどを理由に、訪日外国人観光客の数が増え続けています。また、それを受け国内の企業、自治体がインバウンド対策を進めています。
訪日外国人観光客を集客、もしくは誘致する際に、やはり大きなターゲットになってくるのは訪日中国人観光客。
訪日外国人観光客数の中で、もっとも大きな割合を占めるのが訪日中国人観光客であり、右の表を見てみると、訪日中国人観光客数は東日本大震災のあった2011年を除いて、年々大きな伸び率を記録していることが確認できます。
こうした背景から、訪日中国人観光客を誘致するために、中国で広く普及している電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を活用する国内企業の動きが出てきています。
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データでわかる訪日中国人観光客
爆買いという流行も後押しし、2015年の中国人訪日外客数は前年の約2倍となる499万人となりました。また、2015年の訪日中国人によるインバウンド消費額は約23万円で前年比10%増程度ですが、訪日外客数増加の後押しをうけ、訪日中国人全体のインバウンド消費額はなんと5,583億円。
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「支付宝」は8億人が利用する中国最大級のオンライン決済サービス:商品購入時のQRコード利用+デビットカード型機能が特徴
支付宝(アリペイ)とは、「アリババグループ」が提供する中国最大級のオンライン決済サービスです。
もともと、クレジットカードが浸透していなかった中国では、「銀聯」のデビットカードが一般的に使われていました。そのような状況の中、近年急速に普及し始めているのが「支付宝(アリペイ)」です。
「支付宝(アリペイ)」では登録した銀行口座から支払いを行います。世界的に有名なオンライン決済サービスPaypal(ペイパル)と非常に似たシステムで、利用登録者は約8億人にもなります。
店舗で商品を購入する場合は、スマートフォンに専用アプリをインストール、銀行口座情報を登録して、支払い時にQRコードを読み込んで決済します。
また、ネット決済時にも、登録された銀行口座からそのまま料金が支払われるシステムになっており、デビットカードに似た側面も持っています。
中国で普及しているオンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」。多くのインバウンド消費が見込まれる日本各地のアウトレット施設でも導入が始まっています。
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取引額153兆円の中国電子決済サービスとは:Alipay、WeChat Payの2大巨頭
中国では驚異的な速さで電子マネーが普及しています。その中でもAlipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)という2つの電子決済サービスが市場争いを繰り広げています。ネット通販から始まった決済サービスが実店舗へも広がり、取引額はおよそ日本の30倍以上。今回は、現在中国で支払いのスタンダードとなりつつある電子決済サービスについてご紹介します。関連記事Alipay(アリペイ・支付宝)とはQR決済WeChat PayとはAlipayとWeChat Payのシェア(2019年)Alipay...
御殿場、りんくうプレミアム・アウトレットで「支付宝(アリペイ)」の導入が開始
日本各地でアウトレット施設を運営する企業「三菱地所・サイモン株式会社」(以下、サイモン)は、中国の電子決済サービス大手Alipayが提供する「支付宝」(以下、アリペイ)と提携している企業「オリックス株式会社」(以下、オリックス)と共同で、サイモンが運営するアウトレット施設においてアリペイの導入を開始します。
アリペイ導入の対象となるアウトレット施設は、大阪府泉佐野市に位置する「りんくうプレミアム・アウトレット」と、静岡県御殿場市に位置する「御殿場プレミアム・アウトレット」の2施設です。
11月より計400店舗で順次導入予定:訪日中国人観光客にとって快適な決済環境が実現
「りんくうプレミアム・アウトレット」では2016年11月7日から、「御殿場プレミアム・アウトレット」では2016年11月28日からアリペイの導入が始まります。
導入店舗数は、一部店舗を除く、約400店舗が予定されています。
今回のアウトレット施設におけるアリペイによる決済制度導入で、訪日中国人観光客にとって、商品購入時において支払いが楽になることから、より快適な決済環境が実現します。
サイモンが運営する全国9カ所のプレミアム・アウトレットでは、年間で約150万人の訪日外国人観光客の来場を記録。
インバウンド対策として、アリペイ導入のほかにも、免税対応や、外国語対応の拡充、施設内における無料Wi-Fiの整備なども進めており、訪日外国人観光客集客に注力しています。
まとめ:訪日中国人観光客集客に「支付宝(アリペイ)」導入の検討を
訪日中国人観光客の増加から、中国国内で普及しているオンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」を店舗に導入することで、訪日中国人観光客のさらなるインバウンド消費を喚起することができます。
サイモンのインバウンド誘致に向けた取り組みのように、アウトレットのような大型商業施設で、訪日外国人観光客が頻繁に利用する決済サービスの導入を実施することは、インバウンド消費を喚起するうえで非常に理に適っているといえます。
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】
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