鳥取中部地震から約2週間 10月に最大震度6弱を記録した鳥取県、観光業への被害は?

鳥取中部地震から約2週間 10月に最大震度6弱を記録した鳥取県、観光業への被害は?

火山が多い日本は世界的にも有数の地震大国ですが、平成28年(2016年)は特に地震に頭を悩ませる年になりました。観光業への被害が懸念された熊本地震(最大震度7)が発生したのは4月14日。執筆現在から約半年前の出来事ですが、熊本城の損壊をはじめとした大規模な規模を取り上げた報道が今なお鮮明に思い出されるのではないでしょうか。

九州地方はアジア圏からの訪日外国人観光客に人気のあるエリアだけに、インバウンドビジネスへの影響が懸念されていました。24時間電話対応するコールセンターが速やかに用意され、夏には九州復興を目的とした割引キャンペーンが展開されるなど官民一体となった積極的な対応が見られました。なお、詳細は以下の記事でご紹介しています。

熊本地震に見る訪日外国人への災害対応

2016年(平成28年)4月14日21時26分頃に発生した熊本地震。熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5、最大震度7の地震で、更に4月16日1時25分頃に、同じく熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生しました。現在も余震が続いており、懸命な救助活動が続いています。4/18現在で死者43名にのぼり、今もなお、約9万4千人が避難している状況です。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆さまには衷心よりお悔やみを申し上げます...

熊本地震後の観光業の動向:桜により過去最高の旅行者数を記録、九州は早急な復興に動き出す

2016年(平成28年)4月14日に発生した熊本地震。熊本県、大分県では建造物や設備が損壊し、九州地方全域で訪日外国人観光客の旅行キャンセルが相次ぎました。インバウンドビジネスに対して与える影響は大きく、震災後には訪日外国人を対象とする避難所の開設、緊急通訳ダイヤル(多言語コールセンター)の無償提供などが行われました。詳細はこちらの記事(熊本地震に見る訪日外国人への災害対応:訪日ラボ)からご確認ください。地震から約2ヶ月経った現在は、どのような状況になっているのでしょうか。今回は訪日外...

さて、同年10月21日、鳥取中部地震が発生。こちらも最大震度6弱と規模の大きな地震で、観光業に対しネガティブな材料となっています。執筆時点(11月8日)で約2週間経っていますが、鳥取県の観光業はどのような状態になっているのでしょうか。

 

鳥取中部地震の被害規模は?

まずは鳥取中部地震の規模がどれほど大きいものだったのかを確認してみましょう。

最大震度6弱に及ぶ大規模な地震:数ヶ月以内に同規模の地震が発生する可能性も

時刻は午後2時7分、鳥取県中部の深さ約10キロの地点を震源とする地震が発生。マグニチュードの暫定値は(M)6.6と発表されています。倉吉市、湯梨浜町、北栄町で震度6弱、鳥取市、隠岐の島町などでも震度5弱~強を記録しました。他県にも波及し、兵庫県、島根県、岡山県をはじめとした周辺地域では震度4、関東地方でも震度1が観測されています。

鳥取県周辺では、大きな地震発生後に同様の規模地震が続発した事例が複数存在します。数ヶ月後に、再び大きな地震が発生する可能性は否定できません。

鳥取県内の文化財40か所以上に被害:営業再開の見通しが立たない施設も

鳥取県が11月8日に行った発表によると、把握されている人的被害は21人とあまり大きくはありませんが、損壊のあった建物は約1万2,003棟。ほぼすべてが一部損壊で、半壊~全壊は合計5棟です。

被害を受けた文化財は40か所以上が報告されており、兵庫、島根、岡山、広島の周辺4県を含めると計56件にのぼります。報道などで特に大きく扱われている文化財は以下の通り。

  • 三仏寺文殊堂:山の絶壁に建てられた平安密教建築「投入堂」(国宝)で有名。地盤の岩に亀裂が入りました。事故防止のため、入山禁止となっています
  • 大社湯:明治40年(1907年)から約100年にわたって営業されている銭湯。国の文化財として登録されています。明治時代の名残である浴室のタイルがはがれ落ち、修復可能かどうかは不明。このまま営業中止の可能性も
  • 打吹玉川(通称:白壁土蔵群):江戸時代~昭和に建造された蔵が並ぶエリア。国の重要伝統的建造物群保存地区に登録されています。漆喰の壁がはがれ落ちるなどの被害が発生
  • 銅造観世音菩薩立像:大山寺に保管されている国の重要文化財。地震の揺れで転倒し、首部分が折れました

そのほか、他県では間詰石(石垣の隙間に詰められている石)が落下した松江城(島根県)などで地震被害が発生しています。

軽微な被害で済んだ観光施設にも風評被害が発生する見込み

不幸中の幸いですが、震源近くに位置する鳥取県中央部以外では軽微な被害で済んでおり、漫画家・水木しげるさんが描いた妖怪などの銅像が多数設置されている「水木ロード」、鳥取砂丘などにはあまり影響がなかったといいます。11月にはズワイガニのおいしい時期になるため、まさにこれからがかき入れ時。
しかし、地震被害の常である風評被害が発生しており、鳥取県全体で観光客が減少しています。鳥取県によれば、地震発生から5日後の10月26日時点で、県内の宿泊施設で約1万人にのぼるキャンセルが発生しました。大きな震災の後には余震が発生するため、仕方のない部分もありますが、このような状態がいつまで続くのかが懸念されます。平井鳥取県知事は、安倍首相に同県への割引旅行プラン助成制度を要望するなど観光業の盛り返しに迎えた動きを見せています。

 

まとめ:風評被害を払拭し、鳥取観光が復活するのはいつ……?

10月21日、最大震度6の鳥取県中部地震が発生しました。一部損壊した建物は1万棟以上にのぼり、地震から2週間以上経っても避難生活を続けている高齢者などは300人以上にのぼります。また、三仏寺文殊堂や大社湯、打吹玉川(通称:白壁土蔵群)、銅造観世音菩薩立像などの文化財に被害があり、観光業にも大打撃を与えています。

不幸中の幸いで、水木ロードや鳥取砂丘などには大きな被害が見られませんでしたが、余震の懸念からか観光客は激減。数ヶ月のあいだは同規模の地震が発生する可能性があるとされていますが、タイミングを見た風評被害の払拭が期待されます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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