大分県別府市がYouTube上に公開した動画「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」が世界的な人気を集めています。
「100万回再生されたら、動画内で描かれた温泉一体型テーマパークを実現する」というタイトルを読んで分かるとおりの内容なのですが、公開からわずか3日間で目標を達成しました。あまりの早さに、長野恭紘市長が「やってしまった」とコメントしたことも注目の的となっています。
さて、動画では最初から最後までタオル1枚の男女が遊園地内を楽しんでいる描写が続きます。温泉、銭湯といった大衆浴場が根づいている日本文化からは、(非現実的とはいえ)あまり違和感なく見ることができます。しかし、異なる文化を持つ海外ではどのように見られているのでしょうか。
今回は、「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」に対する海外の反響をご紹介していきましょう。
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市長による「スパミューズメントパーク」の開設宣言に、世界中が注目
動画タイトルは「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画! “1 Million Views Make it a Reality!” Beppu City Spamusement Park Project!」と日本語、英語を併記。説明文も同様の多言語対応を行っていることから、当初から国内外で視聴されることを想定していたことが分かります。
https://www.youtube.com/watch?v=UbMmhQYoAsM
内容は以下の通り。人が入れる温泉として世界一の湧出量を誇る大分県別府市をPRする内容となっています。
- 冒頭で「湯~園地計画」「spamusement(spa、amusementを組み合わせた造語)park project」とコンセプトを紹介
- 利用者がタオル1枚で、アイスなどを販売する店舗の前を歩く描写
- 山中の遊園地へとつながる大きな橋
- 老若男女がジェットコースターやメリーゴーランドなどのアトラクションを満喫
- タオル姿で入る屋外プール(おそらく温泉を利用)、小さな浴槽が座席になった列車などが登場
- 長野恭紘市長が「遊べる温泉都市構想」の第一弾として、動画100万再生のあかつきには、この施設を実現すると宣言
前述の通り、この動画は11月20~23日の3日間で100万再生を記録。その後も再生数を伸ばし続け、29日には200万回を突破しました。国内外のメディアで大々的に取り上げられており、動画によるプロモーションとしては類を見ないほどの大成功です。
温泉文化を持たない海外では、どう受け止められているのか
国内ではおもしろい話題として受け止められていますが、温泉文化を共有しない国外の人々にはどのように取り上げられているのでしょうか。動画コメント欄、海外メディアを見てみましょう。
動画コメント欄の反応
-
肯定的な感想
- 作って!
- なんでタオルが落ちないの?
- 日本人はこういうクールなアイディアを実現する力がある
- 遊びにいく日が待ちきれない
- 200万再生いったけど、このテーマパークは2つ作るの?
-
否定的な感想
- うまくいくとは思わない。私は水が降ってくる場所でアイスを食べたくない(動画内にこのようなシーンがある)
- ここで緊急事態が起こったら、間抜けなことに裸で死ぬんだな
- すぐ病気が広まりそう
- アイディアはいいけど、もっと温泉に特化した施設を作ったほうが……(以下、現実的な提案)
動画コメント欄の書き込みを見ると、「作って!」「日本人のアイディアはすごい」と動画を賞賛する内容の多さに驚かされます。否定的な声もありますが、ほとんどが動画に対するツッコミのようなものです。
海外メディアの反応
20以上の英語圏のメディアが取り上げていますが、いずれも以下のような内容になっています。日本での取り上げられ方とほとんど変わりません。
- 動画内容の説明
- 市長が直々に「100万回再生したら実現化」と宣言(公開が遅い場合は「実現決定」と記載)
- 温泉など別府市の魅力を説明
「リラックスしながらスリリングの体験ができる」「いまだかつてないグレートなアイディア」「世界初の温泉一体型テーマパーク」「浴槽ジェットコースターを設置」と面白どころを伝えるフレーズは異なりますが、中核にあるものは同じでしょう。異なる文化を持つ海外にも、魅力はしっかりと伝わっているようです。
文化の違いを越えて、スパミューズメントパークの魅力が伝わった!
大分県別府市がYouTubeに投稿した動画「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」を公開。国内外で注目を集め、わずか3日で目標を達成してしまいました。海外の反応を見ると「作って!」「クールなアイディア」と好評のようです。
海外では、たとえ風呂であっても「人前で裸になること=悪いこと、恥ずかしいこと」として捉えられることがあります。しかし、今回の動画では文化摩擦による炎上は発生しなかったよう。否定的な意見はほとんど見られません。
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