インバウンドで成功を収めている企業はどのような対策をし、どのような成功・失敗例があるのでしょうか。シリーズ「インバウンドの中の人」は、まさしくインバウンド業界の渦中にいるキーパーソンを対象にお話を伺います。
今回は、着物レンタルとかんざし販売で日本最大級株式会社和心の代表取締役社長 森 智宏氏(以下敬称略)にお話を伺いました。
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「株式会社和心」について
『日本のカルチャーを世界へ』
――まずは株式会社和心(以下、和心)について教えてください
森:
和心は「日本のカルチャーを世界へ」という理念のもと、和アクセサリー、かんざし、和傘、浴衣などをオリジナルブランドで展開する小売事業と、着物レンタル・着付けを提供するエクスペリエンス事業の2つ事業を主軸としています。
かんざしの年間売上は2015年度実績で20万本突破、着物レンタル着付け人数は今年の3月で1万人を突破し、どちらも順調に成長しています。
横の繋がり強化とインバウンドの活性化:インバウンドベンチャー会
――2015年からは「インバウンドベンチャー会」を発足していますが、これはどのようなものですか?
森:
インバウンドが盛り上がり始めてきたのもあって、仲間内で勉強会を始めたんですよ。最初は本当に仲間内だけだったんで、20人ぐらい。毎回テーマを決めて、インバウンドの勉強をしよう、というのと、日本の観光業、なかでもインバウンドってまだまだ横の繋がりが弱いじゃないですか。それをつなげて、インバウンドを盛り上げていけたらという目的ですね。だんだん参加人数も増えてきて、次回(第7回)は100名参加を見込んでいます。
インバウンドについて
「外国人向け」は禁句
――インバウンド効果はどうでしょうか。
森:
丁度世間でもインバウンドが話題になった3年ぐらい前から伸びました。売上比率が地域によってかなり変動しました。熊本や静岡なんかは外国人売上比率は1%以下なんですけど、浅草だと50%を超えます。京都は35%ぐらいですね。
――京都が35%というのは意外ですね。
森:
やっぱり基本は日本人なんですよ。和心では「外国人向け」ってのは禁句なんです。基本はやっぱり日本人。日本人向けに商売していて、インバウンドは、あくまでアドオンなんです。
外国人向けに商売をしようとするから失敗する。でも、日本人向けを基本としていたら、もしもインバウンドで失敗しても大丈夫じゃないですか。実際、着物レンタルの全売上での比率でいったら、日本人が9割なんですよ。
――なるほど。お客さんの国籍比率はどうですか。
森:
中国、台湾が多いですね。全体的な割合でいったらJNTOが出しているオフィシャルな割合とほぼ同じぐらいになります。「和」のものって、東アジアの人たちは嫌がるって思われているフシがあるんですが、実際の所全然そんなことないですね。
――接客する上で言語対応はどうしていますか。
森:
現場を見に行くと、(販売員が)めちゃくちゃ英語できるようになってるんですよ。和心の業態の場合、実線で英語を鍛えられることが多いですね。だって、和小物で傘売ろうとしたら「You can open! Cool!!」で良いわけですよ(笑)。で、着物着付けも、体をつかってコミュニケーションできるわけですよ。
実際に海外に行くなり、電話かけるなりすれば良い
――プロモーションはどうしていますか。
森:
今日本のオフィスだけで外国人スタッフを10人以上雇っています。でも、言語対応しようと思って雇ったわけじゃなくて、それぞれマーケティングや、生産管理、商品管理を担当してもらうために採用しました。
それで、外国人スタッフでインバウンド委員会をやってもらって、それぞれの国に行ったり、旅行代理店に電話をかけたり、それぞれの国ごとのマーケティングをしている感じです。
――現地の旅行代理店に電話で営業ですか。その反応はどうですか。
森:
着物レンタルを団体旅行に組み込んでもらえないかという営業なんですけど、だいたい反応は良いですね。どうしても着物レンタルを組み込むことの旅行代理店にとってのメリット伝わらなくて苦労したこともありました。
というのも、実際にFIT(個人旅行)のお客さんはわんさか来ていて、それなりに知名度がある。なのに旅行代理店がその実態を知らなかったんですよね。だからメリットが伝わらなかった。
でも、それぞれの国のスタッフを雇っていますし、ガンガン電話かけたり、実際に現地に出向いて交渉したりすることで、団体旅行に組み込んでもらうことに成功しています。あとは、インフルエンサーマーケティングもやっていて、この前はインドネシア向けに動画をYouTubeでアップロードしました。
今後の意気込み
着物を着させるのは自分にしか出来ないという自負
――最後に、今後の意気込みを教えてください。
森:
着物は今すごく伸びてきています。ここまで海外向けにちゃんとマーケティングしてプロモーションしているのって和心しか出来ないと思っているし、日本人や訪日外国人に着物を着させるのは自分しかできないという自負もあります。
あと、インバウンドベンチャー会も大きくしていきたいですね。次回のお知らせや情報などFacebookページやブログで随時発信していくので、是非チェックして下さい。
インタビュイープロフィール
株式会社和心 代表取締役社長 森 智宏(もり ともひろ)
78年生/いて座/B型/
國學院大学卒業
好きなもの:餃子、白菜の漬物、ヨーグレット
嫌いなもの:ザ京都人
座右の銘:「最低でも日本で一番」
2016年テーマ:「革命を起こす」
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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