先日訪日ラボでもご紹介した「インバウンドレポート2016 2016年1月〜12月」。ナイトレイの「inbound insight(インバウンドインサイト)」を活用し、ナイトレイとRJCリサーチの共同調査で発表されました。
ディズニーよりUSJのほうが人気!SNS分析でわかったインバウンドの人気観光スポット
先日訪日ラボでもご紹介したナイトレイの「inbound insight(インバウンドインサイト)」を活用した「インバウンドレポート2016 2016年1月〜12月」が、ナイトレイとRJCリサーチの共同調査で発表されました。SNSを活用した位置・移動情報のビッグデータを収集・解析する「inbound insight(インバウンドインサイト)」で見る昨年2016年のインバウンド、つまり「訪日外国人観光客はどこにいっていたの?」はどのようなものだったのでしょうか。インバウンドの中心が関東から関西...
前回はサマリーとして「2016年訪日外国人観光客はどこにいっていたのか」という視点で、SNS投稿データの多かったインバウンドの人気観光スポットTOP100についてご紹介しましたが、今回はその詳細について見ていきましょう。
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前回のおさらい 2016年インバウンドの人気観光スポット年間総合ランキング
まずは前回のおさらいとしてインバウンドの人気観光スポット年間総合ランキングTOP100を見てみましょう。このインバウンド人気ランキングは、2016年の1年間でTwitterやWeibo(微博/中国版Twitter)といったSNSでの投稿を「inbound insight(インバウンドインサイト)」を活用して分析・作成されたものです。
「SNS投稿量スコア」とは、「inbound insight(インバウンドインサイト)」により取得された各投稿の構成要素(テキスト、イメージ、プレイス情報の有無)を合計し、情報量を測る指標としてスコア化したものです。
その観光スポットが気に入ったのであれば、自然にSNSに投稿する情報量は増えるものと考えられ、したがって、このスコアが高ければ高いほど、訪日客からの人気の高さを窺い知れるものとなっています。
ランキングを見てみると、1位のUSJ、2位の東京ディズニーランドが断トツでSNS投稿数とSNS投稿量スコアが大きくなっており、3位の富士山のおよそ2倍弱となっています。SNS投稿との相性の良さからか、USJ、ディズニーを始めとしたプレイスポット(観覧・体験型の有料施設などの観光スポット)や、富士山、上野公園などの自然スポット(自然などの景観を楽しめる観光スポット)、東京タワーや大阪城などの見物スポット(歴史的建造物やランドマークを見て楽しめる観光スポット)が上位を占めています。
それではカテゴリー別に詳しく見ていきましょう。
インバウンド人気プレイスポットTOP10
プレイスポット(観覧・体験型の有料施設などの観光スポット)部門のTOP10は以下の通りです。
部門内順位 |
スポット名 |
場所 |
SNS投稿数 |
SNS投稿量スコア |
1 |
USJ |
大阪府大阪市此花区 |
8,456 |
22,555 |
2 |
東京ディズニーランド |
千葉県浦安市 |
7,237 |
19,178 |
3 |
東京ディズニーシー |
千葉県浦安市 |
3,565 |
9,127 |
4 |
東京ドーム |
東京都文京区 |
2,294 |
6,083 |
5 |
幕張メッセ |
千葉県千葉市美浜区 |
1,292 |
3,388 |
6 |
沖縄美ら海水族館 |
沖縄県本部町 |
1,209 |
3,191 |
7 |
海遊館 |
大阪府大阪市港区 |
1,099 |
2,902 |
8 |
東京ビッグサイト |
東京都江東区 |
921 |
2,479 |
9 |
白い恋人パーク |
北海道札幌市西区 |
663 |
1,771 |
10 |
三鷹の森ジブリ美術館 |
東京都三鷹市 |
577 |
1,563 |
プレイスポット部門では総合順位と同様、「USJ」が第1位で、投稿数8,456件/投稿量スコア22,555ptとなっております。その後僅差で「東京ディズニーランド」が2位、第3位の「東京ディズニーシー」はディズニーランドに約2倍の差をつけられてのランクインとなっています。
インバウンド人気プレイスポットのSNS投稿量スコアの月別の推移
季節変動少なく安定した集客のUSJ、ディズニー
続いて各インバウンド人気スポットの月別の推移SNS投稿量スコアの推移を見てみましょう。TOP3を占める「USJ」「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」といったテーマパークは季節変動が小さく、年間を通して安定した人気を集めています。
強いて言えば、訪日需要が増加するシーズンである7月の夏休みシーズンが増加傾向にあると言えます。また、USJは国慶節のシーズンである10月に比較的伸びを見せていることから、訪日中国人観光客からの人気の高さを裏付ける結果となったと言えるでしょう。
大規模イベントの開催によって変動の大きい東京ドーム、メッセ、ビッグサイト
4位「東京ドーム」や5位「幕張メッセ」、8位の「東京ビッグサイト」は、それぞれ大規模イベントの開催月が突出しています。
4位の「東京ドーム」では、11月と12月に大きな伸びを見せており、これは11月に中国で人気の高い韓国音楽グループ「BIGBANG」のコンサートが11/5〜11/6に開催、そして12月中旬から関ジャニ∞、KinKi Kids、嵐、HeySayJUMPといった中国でも人気の高いジャニーズグループのコンサートが連続して開催。さらに年末にジャニーズカウントダウンイベントがあったことが11月、12月の投稿量スコア増に貢献したものと考えられます。
5位の「幕張メッセ」は9月に突出して増加。これは国際的なゲームイベント「東京ゲームショウ2016」が9/15〜9/18に開催されていたことが影響したものと思われます。
さらに8位の「ビッグサイト」は3月と8月に顕著な伸びが見られ、これは3/25〜3/26に開催された国際的モーターイベント「第43回東京モーターサイクルショー」、そして
53万人を動員する今や同人誌即売会にとどまらず国際的な”オタクイベント”となった「コミックマーケット90」が8/12〜8/14に開催されたことが影響しているものと思われます。
インバウンド人気見物スポットTOP10
見物スポット(観覧・体験型の有料施設などの観光スポット)部門のTOP10は以下の通り。
部門内順位 |
スポット名 |
場所 |
SNS投稿数 |
SNS投稿量スコア |
1 |
東京タワー |
東京都港区 |
4,332 |
11,373 |
2 |
大阪城 |
大阪府大阪市中央区 |
4,184 |
10,713 |
3 |
浅草寺 |
東京都台東区 |
4,012 |
10,197 |
4 |
東京スカイツリー |
東京都墨田区 |
3,346 |
8,581 |
5 |
伏見稲荷大社 |
京都府京都市伏見区 |
3,300 |
8,516 |
6 |
明治神宮 |
東京都渋谷区 |
2,759 |
7,177 |
7 |
清水寺 |
京都府京都市伏見区 |
2,634 |
6,764 |
8 |
金閣寺 |
京都府京都市北区 |
2,046 |
5,431 |
9 |
琉球王国遺跡 |
沖縄県那覇市ほか |
1,649 |
4,548 |
10 |
渋谷交差点 |
東京都渋谷区 |
1,803 |
4,314 |
見物スポット部門では、「東京タワー」が投稿数4,332件/投稿量スコア11,373ptで第1位に。続いて僅差で2位に「大阪城」、3位「浅草寺」と続きます。4位には「東京スカイツリー」が入り込むものの、インバウンドでの「東京タワー vs. 東京スカイツリー」という”新旧東京ランドマーク”対決では「東京タワー」の圧勝という結果に。
インバウンド人気見物スポットのSNS投稿量スコアの月別の推移
「東京タワー」「浅草寺」「東京スカイツリー」は季節変動少なく安定
見物スポット部門上位層のうち、1位の「東京タワー」、3位の「浅草寺」、4位の「東京スカイツリー」、さらに10位の「渋谷交差点」は比較的季節変動が見られません。
これらの見物スポットの特徴は、季節による”見頃”の変化がない、ということです。したがって季節による需要の増減がないものだと考えられます。前述のプレイスポット同様、強いて言うのであれば、訪日客が増加する夏休みシーズンに若干の伸びを見せています。
大阪城、伏見稲荷、明治神宮などのキーワードは桜・緑・紅葉
上記に対して、2位の「大阪城」は顕著に4月、7月、11月に伸びを見せています。「大阪城」の景観は”天守閣”と”自然”で構成されており、したがって自然が”桜・緑・紅葉”で美しくなる春・夏・秋に人気が上昇することを伺わせる結果に。
同様に季節要因が見られるのは5位「伏見稲荷大社」です。紅葉シーズンの10月・11月にピークを迎えており、鳥居と紅葉の朱に染まった光景が訪日外国人観光客に人気の模様。また、「明治神宮」は秋と夏に、「清水寺」は春と秋にピークを迎えるなど、やはり”桜・緑・紅葉”がキーワードになる観光スポットは季節変動が大きい傾向が見られます。
まとめ:「どの時期に」「どこが」「どれくらい」インバウンド集客するのかを把握し、自社インバウンドビジネスに活かす
今回は「インバウンドレポート2016 2016年1月〜12月」から、プレイスポット(観覧・体験型の有料施設などの観光スポット)部門と見物スポット(観覧・体験型の有料施設などの観光スポット)部門でのインバウンド動向データを深掘りしてご紹介しました。
「どの時期に」「どこが」「どれくらい」インバウンド集客するのかを把握することで、自社ビジネスへのインバウンド取り込みがどれくらい望めるのかを推測することが出来る他、「なぜそうなっているのか」を考えることで、自社のインバウンドビジネスを加速させる企画を生み出すことが出来るのではないでしょうか。
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<参考>
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