飲食店のための宗教別インバウンド対策・おもてなしポイント:仏教編

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

飲食店が訪日外国人観光客をおもてなしするためのインバウンド対策を考える際に、相手の立場に立つと 「食べることが出来ないもの」「食べてはいけないもの」「食べたくないもの」 でそのニーズを整理することが出来ます。

特に世界の宗教の中には 「食べてはいけないもの」 を定めた宗教も数多く存在します。その中でも日本でも馴染みが深いながらも、意外とその詳細を知らない 仏教徒訪日外国人観光客向けインバウンド対策をする際に、飲食店が気をつけるべきポイントは何なのでしょうか?

<オススメ記事>
中国インバウンド 今後の動向は?【訪日ラボが徹底予測】

宗教別インバウンド対策基礎知識:仏教徒の分布

仏教だけを信仰している国というのは世界でもあまり多くありません。仏教をメインの宗教として信仰している代表的な国としてはインド、ネパール、チベット、カンボジア、ブータン、モンゴル、タイ、ミャンマー、ラオス、ベトナム、中国、台湾、韓国などがあります。

宗教別インバウンド対策基礎知識:仏教徒が食べてはいけないものとは

仏教は 他の宗教と比較すると厳しい戒律は少なく、食に関する禁止事項が存在するのは、一部の僧侶と厳格な信者だけに限られます 。とりわけ、仏教徒が戒律によって食べる事を禁じられているのは、動物性の食材(仏教の戒律で殺生が禁じられているとうことに加え、大乗仏教では肉食が禁じられている)と、五葷(ごくん:ニンニク、 ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)と呼ばれるネギ科の植物です。これは臭いが強いため修行のさまたげになるというのが禁止される理由だと言われています。

こうした厳格な信者の多くは東アジア(中国、台湾、韓国、ベトナムなど)、中央アジア(チベット、モンゴルなど)など、大乗仏教が広まっている地域に多くみられるのが特徴であり、これらの地域の仏教徒向けのインバウンド対策としては、イスラム教ほどではないものの配慮が必要だといえるでしょう。

宗教別インベウンド対策基礎知識:仏教と精進料理

日本でもよく知られる精進料理ですが、これは 仏教の戒律で殺生が禁じられているということに加え、大乗仏教では肉食が禁じられているために生まれたもの で、野菜や豆類、穀物などを工夫して調理されます。

しかし、タイ、ミャンマー、カンボジア、ラオスといった上座部仏教圏では、三種の浄肉(僧侶が殺された現場を見なかった、僧侶のために殺されたと聞かなかった、この2つの疑いがない肉)であれば食べる事が許されているため、 菜食を基本とする精進料理は一般的ではありません 。それに対し、 中国、朝鮮、日本、ベトナムなどの大乗仏教圏 では肉食が禁じられたため、 菜食を基本とする精進料理が発達し一般的になっています

 

宗教別インバウンド対策実践編:飲食店が注意すべき点

大乗仏教では肉食を避ける傾向が強く、ベジタリアンと同じような食事を求められる場合もあります 。厳格な仏教徒の中には、肉食だけでなく、先述の五葷(ごくん:ニンニク、 ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)を食べることが禁じられている人もいます。仏教は多彩な宗派があることが特徴で、その宗派によって食べ物に禁止事項が存在します、例えば、中国系で観音信仰の人は牛肉を食べない場合もあります。よって、インバウンド対策として仏教徒に配慮する場合は、以下の点に注意しつつ、事前のヒアリングをしておくことが重要だと言えるでしょう。

宗教別インバウンド対策実践編食材別に注意すべき点

仏教における「 ブイヨン類

ブイヨンやゼラチン、各種の肉エキスには鶏・牛・豚・魚の肉や骨が使われているため、調理時に注意が必要。提供する前にこうしたものを使用しているが大丈夫であるかを確認したほうが良い。

仏教における「動物性油脂類」

バター、ラード、ヘット、魚油、馬油なども調理時に注意が必要。こうした動物性油脂が使用出来ない場合は、植物油で代用する。

 

まとめ:仏教徒向けインバウンド対策とは

イスラム教をはじめとした他の宗教に比べると、食べ物に関する戒律が比較的緩い仏教。三種の浄肉であれば食べることが許されている上座部仏教圏、肉食が禁じられている大乗仏教圏と違いをしっかりと理解して、肉食に関して注意が必要であることを認識するのが、仏教徒向けインバウンド対策の第一歩と言えるでしょう。

ただし、仏教は派生宗派が多いことが特徴であり、宗派によって戒律が異なります。よって、いずれの場合も予約時や食事の提供前に、何を食べる事が出来ないのかを確認することがインバウンド対策として重要となります。

<参考>

訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボでは、インバウンド対策に課題を抱えるご担当者様向けに、お悩み・課題解決を支援すべく、最新レポートの公開や無料のオンラインセミナーを実施しています。

【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】

【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年3月版レポートから、2月〜3月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
 訪日客向け“相撲エンタメショーホール” 大阪にオープン / 2023年年間宿泊者数 1位は韓国【インバウンド情報まとめ 2024年3月】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに