平成25年(2013)年に、世界無形文化遺産に登録された日本の伝統料理。農林水産省によれば、南北に長く表情豊かな自然が広がる国土のおかげで、多様な食材が用いられていること、ヘルシーで栄養バランスがよいこと、季節に合った器などを使い、見た目にも美しいことなどが、その魅力なのだそうです。
このような話を聞くと、つい料亭で出てくるような高級料理をイメージしてしまいますが、海外では「Bento(弁当)」も日本ならではの食事として理解されており、訪日外国人観光客向けにキャラ弁を作る料理教室のような取り組みも現れています。
今回は、海外で注目を集めている日本のお弁当文化についてご紹介します。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
クールジャパン×日本の食文化=キャラ弁
日本のお弁当は、海外でどのように受け止められているのでしょうか。まずは、英語版のWikipediaを見てみましょう。お弁当は「家で用意したり、テイクアウトしたりする食べ物で、一般的な日本料理」という位置づけで、「伝統的には米、肉(もしくは魚)、野菜などが入っており、四角いよく木に入れるのが一般的」とされています。
「History」の項目では、お弁当の起源は鎌倉時代にまでさかのぼり、江戸時代には「弁当文化が広まり、洗練された」、明治時代には「駅弁が売られるようになり」、大正時代には「アルミ製の弁当箱が高級品とされた」といった具合に、長い歴史のなかで変遷しつつも文化として残ってきたことを説明しています。
販売されている弁当についても触れられているものの、「日本では、母親が学校に行く子どものために作るのが一般的」「母親は多くの場合、お弁当でバランスの取れた食事を取り、食事を美的に楽しむことを期待している」と書かれており、日本独自の食育として認識されているようです。合理性を重んじる欧米諸国では、弁当作りに手間をかける風潮がないため、かなり珍しいやり方に見えるのでしょう。
また、特に「入念にアレンジされたものは”キャラ弁”(キャラクター弁当)」と呼ばれる。日本のアニメや漫画、ゲームのキャラクターのようにデコレーションするのが典型的」「(キャラクターではなく)、草花や山、建物、動物、人間のようにデコレーションしたものは”お絵描き弁”もしくは”ピクチャー弁当”」と紹介されています。
日本でキャラ弁が盛んに作られるようになったのは2003年からで、主婦がWeb上で募集、公開していたのが始まりだと言われています。広く知られるようになったのは関連書籍が登場した2005年以降。まだ国内でも約10年間の歴史しかありません。
しかし、欧米でもその見た目の美しさなどから有名になっており、「FACE FOOD」「Yum-Yum Bento Box」といった書籍が発売。まずフランスで火がつき、その後、欧米各国でも注目を集めるようになったとか。外食よりもヘルシーで、安上がりといった実用的な側面も評価ポイントになっているようです。栄養面、美しさあたりは、無形文化遺産となった「和食」と共通していますね。
キャラ弁を使ったインバウンドビジネスも登場
日本国内にキャラ弁ファンは多く、2015年には「一般社団法人日本キャラベニスト協会」が発足するほどの人気ぶり。同協会は「お弁当学マスター認定講座」などの資格を立ち上げており、お弁当、キャラ弁作りを仕事につなげる取り組みを行っています。
キャラ弁に対して「食べ物で遊んでいる」「栄養バランスが悪そう」といった具合に批判的に見る向きもありますが、食品衛生、栄養面の教育を行うことで、このネガティブなイメージを払拭することも目標のひとつになっているようです。
また、インバウンド業界に関連の深いところだと、外国人向け和食料理教室を運営している「わしょクック」が平成29年(2017年)から、外国人向けのキャラ弁教室「Anime Characters Lunchbox」をスタート。キャラ弁には、アニメ、和食、それからお弁当と、日本ならではの要素がいくつも含まれており、利用者から好評の声を集めているようです。
我々には当たり前になっている「タコさんウインナー」も、外国人には意外なアイディアらしく驚かれたとか。身近すぎて気付きにくい日本の魅力のひとつなのかもしれません。
まとめ:キャラ弁も日本の食文化のひとつ
日本料理が国際的に有名なのはご存知かと思いますが、最近ではお弁当文化や、アニメ、ゲームなどのキャラクターをデコレーションしたキャラ弁も注目を集めています。手間暇をかけてお弁当を作ったり、食べ物の見た目を気にしたりする日本人の食文化は国際的に見ると珍しいのだそうです。
キャラ弁はフランスで火がつき、その後、欧米各国に広まったと言われており、2017年には、日本国内に外国人向けのキャラ弁教室も登場。アニメ、和食、それから弁当と日本ならではの文化が組み合わさっているため、外国人には新鮮な体験ができ、好評を博しているようです。
<参考>
- Bento - Wikipedia
-
[「外国人向けキャラ弁教室」 Anime Characters Lunchbox – わしょクック 外国人に日本の家庭料理を教える講座](http://washocook.com/archives/1133) -
[トップ 一般社団法人 日本キャラベニスト協会](https://kyarabenist.jp/index.php)
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!