バンコクは日本食の宝庫?!日本食に関心が高いタイ人に響くおもてなしとは何か

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日本へのビザ緩和が行われて訪日タイ人観光客が年間約90万人(平成28年)を越え、タイからの観光客があちこちで写真を撮ったり買い物をしている様子を見かける頻度が高くなりました。公共交通機関や宿泊施設の案内にも英語中国語・韓国語についでタイ語表記がある施設も増えてきています。

株式会社日本政策投資銀行 公益財団法人日本交通公社の調査によると、タイ人が「日本旅行をしたいと考えたきっかけ」は「日本食に関心があるから」が60% と、日本食への興味関心が旅行の1番の動機としてあげられています。

日本食の人気が高い国は多いですが、タイはほかの国と比較しても日本食に対する興味関心が特に強い国 と言えます。

今回は、なぜタイ人がここまで日本食に興味を持っているのかを紐解きながら「バンコクにある日本」という観点から、「タイ人が知っている日本」を使ったおもてなし方法について考えます。


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大手チェーンのタイ進出
「CoCo壱番屋」 「大戸屋」「吉野家」「牛角」「丸亀製麺」「世界の山ちゃん」・・全部バンコクにあります。

タイの総人口は約6700万人。バンコク都だけだと約586万人が生活しています。まさに一極集中していると言える、人口密度の高いバンコク。現在日本を訪れているタイ人の多くも、バンコク在住のタイ人がほとんどです。

タイには 8,890社の日系企業がある といわれており、在タイ日本人の数も多いことから、飲食店をはじめ多くの日本のサービスがバンコクに溢れています。

日本人が個人で経営をしているような、比較的小規模なレストランの多くは現地に在住している日本人をメインターゲットとしています。しかしながら近年の傾向として、日本の大手チェーン店は現地の財閥や大手企業などと提携してタイ人をメインターゲットとしたビジネスを展開しています。

例えば

「CoCo壱番屋」

駅直結のデパートで見かけることが多いCOCO ICHIBANYA。忙しい平日のランチにサラリーマンが駆け込むイメージが強い日本とは違って、デパート内のレストランフロアに入っています。内装もカラフルで、買い物途中のタイ人家族や近隣で働く若いタイ人が来ている印象です。価格は屋台フードに比べると2倍から3倍の価格です。

日本人にとってはホテルランチ、くらいの感覚でしょうか。

▽ココイチタイランドのCM

▽ココイチタイランドのFacebookページ

https://www.facebook.com/cocoichibanyathailand

カレーに続いてラーメンも不動の人気。

バンコクはラーメン激戦区 と言われており、大小問わずラーメン店が増えていますが、近年は全体の客層が変化してきているのを感じます。バンコク在住日本人が多いイメージがあった店舗にもタイ人の来店率が高まっているのです。ラーメン店の中でもいくつかにジャンル分けされており、ラーメンのみを出す店、サイドメニューにも力を入れてラーメンをメインとしたファミリーレストラン風など、立地や客層に合わせて様々なスタイルがあります。

「IPPUDO」

博多一風堂は現在タイに4店舗展開中で、タイラーメンジャンルでいうと、ラーメン以外のサイドメニューやデザートも充実しているレストランのような展開です。店内も広く、高級感のある作りになっています。

そのほか日本の地名がついているラーメン店の「熊本ラーメン」「札幌ラーメン」などは、日本に行って食べた経験があるタイ人の来店も増えてきています。

▽IPPUDO Facebookページ

https://www.facebook.com/IppudoThailand/?fref=ts

ラーメン・カレー以外にも大戸屋・吉野家・Pepper Lunch・・・のような大手チェーン店をはじめ、タイには寿司・天ぷら・しゃぶしゃぶ・すき焼き・うどん・そば・ラーメン・カレーなど幅広いジャンルのレストランが展開されており、タイ人が経営しているレストランもあわせると タイ国内に2,713店ほどあると言われています。

また、タイ人の「好みの外国料理」を見てみると67.9%が日本料理(和食)と回答しており、多くのタイ人にとって日本食(和食)は特別な存在ではなくなってきています。

多くのタイ人は日本食をタイのレストランで経験。次回は「日本旅行中に食べたい」

GMOリサーチ株式会社の「食の好みに関する実態調査」を見ると、日本食を経験しているタイ人9割が「タイのレストラン」で食べたと回答 しています。また「次回は日本旅行中に食べたい」と回答されている料理として「寿司」や「刺身」に次いで、「お好み焼き・たこ焼き」「うどん・そば」が上位にランクインしています。

上記のことからも タイ人がイメージしている「日本食」のバリエーションはかなり広く 必ずしも和食=寿司という訳ではないというのが現状です。

日本食に詳しいタイ人にだからこそ伝わりやすいポイントを活用

こんなに日本食が豊富なバンコクで暮らすタイ人を想定して日本での観光案内を考えると、活用できるポイントとしては例えば、

  • タイ人が多く宿泊するホテルのMAPには、郷土料理や日本食レストランの情報にプラスして、バンコクにもあるチェーン店の情報も入れてMAPを作る
  • タイ人に有名な日本食メニューが無い…というエリア・レストランでも、定番メニューのコスパの良さや期間限定メニューをアピールする
  • 居酒屋やビュッフェなどタイ人の知っている定番メニューが多くある場合は、飲食店では メニュー名の翻訳だけでなく料理の食べ合わせ効果などをPR
  • 観光スポットへのアクセス方法を解説するときに、タイ人にもなじみのある店や看板が近くにある場合は説明に引用する

などという活用方法も考えられるのではないでしょうか。

タイ人が知っている日本とまだ知らない日本を融合させてPRを

みなさんの想像以上にバンコクに「日本食」が溢れていることが伝わりましたでしょうか?

改めてタイから日本へ来るタイ人の日常を見つめてみると、彼らが普段よく見かける日系飲食店のロゴや店名が分かってきます。 また、彼らがいつも食べているメニューや価格についての情報 も、知っているのと知らないのとでは印象が変わってくると思います。

まとめ

タイから来る個人旅行客への地図を作成する際やタイ人にお薦めするメニューを考える時には、普段のタイ人の食生活に関わっている日本食を少し意識してみると、タイ人に優しいお店や街になるかもしれません。 タイを訪れた際には、日本食レストランに行ってみるのも重要な市場調査の一つ と言えるでしょう。

<参照> - DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(平成28年版) - 日本とタイの「食の好みに関する実態調査」を実施 〜タイでは日本食が広く浸透している結果に〜

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

GEAR8

GEAR8

Gear8 Thailand マネージャー梅木雄太・株式会社Gear8プランナー山田瑞希の2名で共同執筆中。2016年にタイ現地法人を設立し日本国内外のWebマーケティングを行っています。「TrippinoHOKKAIDO」というタイ語で北海道情報を発信するアプリの開発・運用してきた実績から得た「訪日を検討中のタイ人」の特徴を発信します。

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