爆買い終息にさらなる追い打ちか…1,000元(1.6万円)以上の海外でのカード利用は報告義務化に 海外メディアも中国人の消費落ち込みを懸念

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2017年5月の訪日中国人観光客数は、約51.7万人となっており、伸び率は前年同月比の102%と微増にとどまりましたが、2016年の訪日中国人によるインバウンド消費額は訪日外国人観光客として最も多い 1兆4,754億円と全体の39.4%を記録。 訪日中国人観光客は、依然として日本のインバウンド市場においてもっとも大きなターゲットとなっています。

しかし、日銀による「地域経済報告(さくらリポート)」では、訪日中国人観光客の大量消費行動を表す「爆買い」は終焉に向かっているとしており、訪日外国人観光客の「モノからコトへ」の流れも影響して、訪日中国人観光客によるインバウンド消費額は、減少していくことが予測されています。そんな現状に追い打ちをかけるような新制度が中国で始まろうとしています。

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中国、海外でのカード利用を報告義務化:1,000元(1.6万円)以上の利用が対象

中国国家外貨管理局は、6月2日、中国で発行された銀行カードを使った海外での現金の引き出し、また1,000元以上の消費行動について、銀行から外貨管理局への報告を義務付ける措置を導入すると発表 しました。この制度が導入されるのは、2017年9月1日からで、1日に引き出せる外貨の限度額にも変更はない とのこと。

外貨引き出し&1,000元(1.6万円)以上の利用が対象に

これにより、中国人が訪日旅行をしている最中に、中国の銀行カードで日本円を引き出した場合、もしくはカードを使って1,000元以上の買い物などを行った場合、これらの取引を中国の銀行は中国外貨管理局に報告しなくてはならなくなりました。

中国外貨管理局は、今回の新制度の導入は、資金洗浄や国外持ち逃げなど不当な取引を取り締まることが目的だとのこと。また、海外での消費行動に関する申告は、旅行者個人がするものではなく、銀行が同局にするものであるため、海外での中国人のカード利用料金には直接は影響してこないとのコメントを出しています。

銀行を介した海外との資金のやり取りで1~3月は差し引き約252億ドル(約2兆7千億円)が流出している中国は、流出超過を抑制するために海外への送金制限や企業買収の審査制導入など一連の資本規制強化などを進めており、今回の新制度の導入もその一環との見方もできますが、いずれにしろ中国人の観光中の消費活動に影響を与えるであろうこの新制度。今後、具体的にどのようなことが起こり得るのでしょうか?

国による監視でさらに中国人の消費が冷え込む?!

先述の通り、中国外貨管理局は報告の義務を請け負うのはあくまで旅行者ではなく銀行であることから直接的な海外での消費の冷え込みにはつながらないとしています。しかし、日本と同じように多くの中国人観光客にとって魅力的な観光地となっている韓国でも、今回の新制度導入に不安の声が上がっている模様です。

中国関連のニュースを配信するメディアであるレコードチャイナによると

韓国・朝鮮日報電子版は5日「この情報に対し韓国の観光業界では、中国人の韓国での消費がさらに制限されるのではないかと緊張が走った」と伝えている。(中略)「中国人観光客の7割はショッピングが目当て。国外での取引が監視されるようになれば、以前のような消費はできなくなるだろう。中国人たちが韓国に来なくなってしまう」との声がでているようだ。

としており、観光客の消費行動にまでも監視が行き届くことで将来的に現在のような消費活動は萎縮していくのではないかとの予測が立っています。これからも中国政府による元流出に歯止めを効かせる施策に関して、動向を払っていく必要があるでしょう。

まとめ:「モノ→コトへの流れ」に加え元流出策を進める中国 爆買いにも影響

中国国家外貨管理局は、6月2日、今年の9月1日より中国で発行された銀行カードを使った海外での現金の引き出し、また1,000元以上の消費行動について、銀行から外貨管理局への報告を義務付ける措置を導入すると発表しましたこれにより、中国人が訪日旅行をしている最中に、中国の銀行カードで日本円を引き出した場合、もしくはカードを使って1,000元以上の買い物などを行った場合、これらの取引を中国の銀行は中国外貨管理局に報告しなくてはならなくなりました。

この新制度は、訪日中国人観光客インバウンド消費にもネガティブな影響を与えるものであり、韓国など他国でも中国人による消費の冷え込みを懸念する声が上がっています。 「モノ→コト」の流れに加え、旅行客の消費行動にも監視の目が行き届くことで「爆買い」による訪日中国人観光客の消費活動は、ますます萎縮していくかもしれません。

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<参照> - Record China:中国人観光客が続々、日本でのカード使用はどれくらい?―中国紙 - TechCrunch Japan:モバイル決済利用率は日本6%、米国5.3%、そして中国では98.3%――日銀レポート - 日本銀行:モバイル決済の現状と課題 - エキサイトニュース:韓国観光業「ますます中国人が来なくなる」=中国の銀行カードの海外利用報告義務化に不安の声―韓国メディア - エキサイトニュース:海外での消費を厳しく監視へ 資金流出防ぐ狙い - 日本経済新聞:中国の資金流出に歯止め 1~3月

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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