日本のゲームキャラクターは訪日外国人にも高い人気を誇りますが、その中でも任天堂の人気タイトル「スーパーマリオシリーズ」はどの国でも高い認知度を誇るキャラクターです。「マリオシリーズ」の中でもカートで様々なコースを走行するレーグゲームである「マリオカート」は、レースという要素とマリオの面白さが合わさった人気タイトルです。
こうした人気を受け、訪日外国人向けに、公道を「マリオカート」さながらに走行出来るというサービスを手がけている事業者が東京の秋葉原を中心に存在しています。しかし近年では 訪日外国人観光客のマナーの悪さ、事故の増加が増えてきており、その危険性が指摘されています。
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「リアルマリオカート」とはどのようなサービスなのか?
この「リアルマリオカート」に関しては、訪日外国人観光客の利用を狙った企業が展開しているサービスで、訪日外国人観光客の急増とともに国内でも増加しています。 1時間、3000円程度から利用が可能なサービスで、国際免許で誰でも運転が可能、さらにヘルメットも不要なため、友人などと共にコスプレして街中を楽しみながら走れるという事で人気となっているサービスです。
任天堂訴訟へ 外国人観光客にも大人気の公道「マリカー」実は無許可だった…訪日プロモーションでも著作権には要注意
本日2月24日、任天堂株式会社(以下、任天堂)が「公道カートのレンタルサービスに伴う当社知的財産の利用行為に対する訴訟提起について」と銘打った発表をしました。任天堂によれば、特に訪日外国人観光客に人気の体験となっている公道マリオカートレンタルサービスを運営する株式会社マリカーを相手取り、訴訟を提起したとのことです。目次株式会社マリカー、任天堂に訴えられる不正競争行為・著作権侵害行為差止め&損害賠償1000万円請求の訴訟へインバウンド人気が高かった「マリカー」TripAdvisorでは397...
「リアルマリオカート」の運転は、法規上「ミニカー」扱い
これらの「リアルマリオカート」のサービスを手がける事業者が利用しているのは 「ミニカー」と呼ばれる車両 です。「ミニカー」とは道路交通法上は排気量20ccから50cc以下の普通自動車を指し、道路運送車両法においては自動車でなく原動機付自転車として扱われるものです。道路交通法上は普通自動車とされているため、二段階右折やヘルメット着用の義務はなく、法定速度は60km/hとされています。
一方、この大きさの原動機が付いた車両は、道路運送車両法上は原動機付自転車の扱いとなります。そのため道路運送車両の保安基準 第三章「原動機付自転車の保安基準」が適用され、大きさは「長さ二・五メートル、幅一・三メートル、高さ二メートルを超えてはならない」が、同法上は「自動車」ではないから、シートベルトの設置義務や車検は存在しません。また、免許に関しては普通自動車第一種免許があれば誰でも運転が可能で、訪日外国人の場合は国際免許で運転が可能となっています。
「リアルマリオカート」の法的要件の緩さ=事故多発の要因?
この「ミニカー」に関する法律上の規程を総合すると、「国際免許があれば誰でも運転が可能」「ヘルメットの着用義務なし」「2段階右折の必要なし」「シートベルトの着用義務なし」「法定速度は60km/h」 など、実際の道路を運転をするにあたっての条件がかなり緩い事がわかります。実際に走行する道路の交通事情に疎く、出身国によっては右側通行に不慣れ、さらには交通標識に対する理解も浅い訪日外国人がこれらのミニカーを運転するわけで、当然ざまざまな交通違反、事故が発生しています。
「リアルマリオカート」の利用者事故の外国人率は約77%!警察はどのような対応をしているのか?
警視庁によると 今年3月から5月に発生した公道カートのよる事故は13件 で、そのうち 10件が外国人観光客によって引き起こされた ものだったといいます。信号無視、走行中のスマートフォンによる撮影、集団で並んでの走行、道路上で停車して撮影会を始めるなど、様々な違反が指摘 されており、これを受けた警察は、都内に5つあるレンタルカート事業者に訪日外国人観光客に「信号待ちで車から降りる」、「運転しながらの自撮り」、「スマホなどの画面を注視」、「駐車禁止場所への駐車」、「蛇行運転」、「追従走行による信号無視」などをしないよう、カート利用者に指導をするように強く求めています。
まとめ:求められるのはサービス提供者、利用者のモラル
こうしたサービスが話題となって、インバウンド誘致につながっていることは確かですが、サービスを提供側は、訪日外国人観光客がどのような行動をとるかの予想はサービス提供開始時についたはずでしょうし、「ミニカー」ならではの危険性も把握していたはずです。
それを警察から指導が入るまで放置していた事の責任はあるでしょうし、訪日外国人側も観光地なら何をしても良いという気持ちでサービスを利用している客層が一定数いるようです。こうしたサービスも観光資源と考えると、サービス提供側、利用側ともに持続可能な形でサービスの提供、利用を意識したいものです。
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