総務省、訪日外国人向けプリペイドSIMの発行、販売状況を発表 2020年にはプリペイドSIM年間発行数200万枚を目指す

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総務省は、平成26年6月12日に公表した「SAQ2(サクサク) JAPAN Project」などの施策を踏まえ、関係団体・事業者とともに、インバウンド向けプリペイドSIMの発行数と販売拠点数の目標を設定、これによって、訪日外国人観光客が国内発行SIMカードへの差替えによってスマートフォン・携帯電話を円滑に利用できる環境の整備 に取り組んでいます。こうしたプリペイドSIMの発行数及び販売拠点数の目標について、総務省が発表しています。

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「SAQ2(サクサク) JAPAN Project」とは

「SAQ2(サクサク) JAPAN Project」とは、訪日外国人観光客が日本が誇る世界最高水準のICTを「サクサク」利用できるよう、選べて(Selectable)、使いやすく(Accessible)、高品質な(Quality)、ICT利用環境を実現することを目指したアクションプランです。

背景にあるのは2020年の東京オリンピック・パラリンピック。政府は今まで訪日外国人観光客数2000万を目指して様々な試みを行ってきましたが、2015年度には前年度と比べて45.6%増の2135万9000人を記録しました。この急激な増加をうけ、「SAQ2(サクサク) JAPAN Project」では、

  1. 無料Wi-Fiの整備促進と利用円滑化
  2. 国内発行SIMへの差替え等によるスマートフォン・携帯電話利用の円滑化
  3. 国際ローミング料金の低廉化
  4. 「言葉の壁」をなくす「グローバルコミュニケーション計画」の推進

を重点課題として様々な施策を行っています。

政府が定めた訪日外国人観光客向けプリペイドSIMの発行数及び販売拠点数の目標とは

政府は訪日外国人観光客向けプリペイドSIMの発行数及び販売拠点数の目標を定め、平成32年度(2020年度)における訪日外国人向けプリペイドSIMの年間発行数を200万枚 と定めています。また、販売拠点数の目標については、平成32年(2020年)までに、

  1. 複数国からの国際便が乗り入れる全ての空港(22箇所)
  2. 訪日外国人観光客が訪問する拠点の店舗数1500箇所(外国における拠点も含む)

訪日外国人観光客向けプリペイドSIMの販売拠点を設置するというものです。

2016年時点の訪日外国人向けプリペイドSIMの発行数及び販売拠点数

2016年時点の訪日外国人観光客向けプリペイドSIMの発行数は110.9万枚 となっており、2020年時点での目標である年間発行数200万枚に対しての進捗は55.4% となっています。また、訪日外国人観光客向けプリペイドSIMの販売拠点のうち、複数国からの国際便が乗り入れる空港は15箇所となっており、2020年時点での目標である22箇所に対しての進捗は68.2% となっています。訪日外国人が訪問する拠点の店舗数に関しては、全体で2672箇所となっており、2020年時点での目標である1500箇所に対しての進捗は目標を大きく上回る178.1% という結果です。

販売拠点のある空港に関して詳しく見ていくと、函館空港、新千歳空港、仙台空港、成田空港、羽田空港、富士山空港、中部国際空港、関西国際空港、富山空港、小松空港、岡山空港、福岡空港、九州佐賀国際空港、鹿児島空港、那覇空港となっており、全国の空港で訪日外国人観光客向けプリペイドSIMの販売が行われているということが良くわかります。

一方店舗数の内訳について詳しく見ていくと、この中で最も数が多いのが 「家電量販店:1617店舗」となっており、「小売店等:477店舗」「コンビニエンスストア:299店舗」 と続きます。あまり耳にする機会はありませんが、「航空機・船舶内販売:103」も一定数存在することがわかります。

2016年時点で訪日外国人観光客向けプリペイドSIMの主な販売拠点として機能しているのは、駅としては札幌駅、上野駅、東京駅、品川駅、金沢駅、 京都駅、新大阪駅、博多港などです。訪日外国人観光客にも人気の高い家電量販店に関してはヤマダ電機(928店舗)、 ケーズデンキ(177店舗)、コジマ(141店舗) ビックカメラ(42店舗)、ヨドバシカメラ(23店舗)など、コンビニエンスストアではセブンイレブン(100店舗)、 NewDays(73店舗)、ローソン(54店舗)、 ファミリーマート(50店舗)等があり、海外の空港では仁川国際空港(韓)、北京首都国際空港(中)、 台北国際空港(台)、メルボルン空港(豪)、 シドニー空港(豪) などが訪日外国人観光客向けプリペイドSIMの主要な販売拠点となっています。

まとめ:欧米を始めとする観光地と比較してWi-Fiの整備が遅れている日本にとっては、訪日外国人向けプリペイドSIMが救いの手となるか?

欧米などの海外の観光地では、フリーWiFiが様々なところに整備してあることが多く、未だに観光施設やホテルでのWi-Fi整備がこれからの課題としている日本とは大きな隔たりがあります。今後は観光地を訪れた訪日外国人観光客がソーシャルネットワーク(SNS)上に投稿する旅行の感想、写真などのコンテンツが、新たなる観光客の呼び込み、再訪問に繋がっていきますので、こうしたプリベイドSIM、一部自治体で始まっている無料SIMの配布などの重要性がさらに増していくでしょう。

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<参考> - 訪日外国人向けプリペイドSIMの発行数及び販売拠点数 - 訪日外国人向けプリペイドSIMの現況(平成28年度)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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