一週間に14時間youtubeを観ているというタイ人(出典:THAILAND ZOCIAL AWARDS 2016)。 確かに、移動中もスマホ画面では動画が再生されているタイ人を多く見かけます。彼らがみている動画とは一体どんな動画なのでしょうか。今回は、タイ人に聞いた「この1年以内にSNSのタイムラインによく表示された動画・よく見た動画」の特徴から、訪日タイ人観光客への動画プロモーションのトレンド・ポイントを考えたいと思います。
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- タイ人の生活に入り込む動画の特徴とは
- タイ人は動画に対してブランド名や商品スペックよりもストーリー性を重視している
- タイ人に人気の動画事例 その1:「The 1card」のPR動画
- タイ人に人気の動画事例 その2:大手スーパーのBIGCのキャンペーンの告知動画
- タイ人に人気の動画事例 その3:柔軟剤のPR動画
- タイ人に人気の動画事例 その4:監視カメラ会社のPR動画
- タイ人の旅行スタイルの特徴が分かる?
- 訪日タイ人観光客目線でプロモーション動画を作るキーポイントは?
- 訪日タイ人観光客向けインバウンド動画のキーポイント その1:子供が主役のストーリーを作ってみる
- 訪日タイ人観光客向けインバウンド動画のキーポイント その2:友達や家族とわいわい楽しそうに旅行しているシーンを盛り込み楽しそうな旅を連想させる
- 訪日タイ人観光客向けインバウンド動画のキーポイント その3:写真スポットでのセルフィー(自撮り)シーンとSNSへの投稿をリンクさせる
- まとめ:タイ人観光客の心をつかむ動画プロモーションのヒントはタイの動画から見つけよう
目次
タイ人の生活に入り込む動画の特徴とは
今回まとめたタイで人気のyoutube動画を見る前に、「タイ人の特性」 を知っているとより理解が深まると思います。実際日本に来るタイ人観光客と接している中でも思い返すとわかるポイントがあるのではないでしょうか。
◆Facebookが好き
年々成長しているタイのSNS人口。人口は日本の約半数(6,700万人)でありながら、特にFacebookのユーザー数は4700万。全人口の約70%のユーザー数 です。ユーザー数は全世界で9位。日本はというと、2700万人で14位。Facebookはタイ人にとっていかに日常のツール であるかが分かります。
◆子供が好き
タイと日本の優先席ステッカーを比べてみると分かるのですが、日本だと「優先席・専用席」と表記されているところが、タイだと「座席をゆずりましょう」という表記になっており、席を譲る対象者が「妊婦・お年寄り・僧侶・子供」というイラストになっています。タイでは子供が電車に乗ってきたら自然と席を譲る習慣がありますし、子供をとにかく大切にする文化がある と言われています。
◆活字を読まない文化
タイ人は活字を読まない とよく言われますが、映像のクオリティを見るとよくわかります。映像や音楽、表情での表現が多い背景にはそのような文化的な特徴があるかもしれません。
これらを踏まえて人気の動画を観てみましょう。
タイ人は動画に対してブランド名や商品スペックよりもストーリー性を重視している
タイ人に人気の動画事例 その1:「The 1card」のPR動画
ついつい見入ってしまうストーリー展開と商品やブランドについては最後のロゴのみ、デパートのポイントカード「The 1card」のPR動画です。(再生回数86万回)
- ポイント
- ストーリーのキーとしてFacebookが登場。天井に隠された指輪に気づくのもFacebookのメッセージを覗き見たから、という展開です。
- セルフィーで写真を撮って送るシーンが登場。写真好きなタイ人の特徴がよく出ています。
タイ人に人気の動画事例 その2:大手スーパーのBIGCのキャンペーンの告知動画
大手スーパーのBIGC スタンプを集めて食器をもらうキャンペーンの告知とは思えないほどのドラマ仕立てです。子供好きなタイ人に人気が出たのも納得出来ます。(再生回数347万回)
- ポイント
- 子供がメインで登場しており、ストーリーのキーとなっている。商品は大人が使用するものであっても、動画に子供を起用する例は多いです。
タイ人に人気の動画事例 その3:柔軟剤のPR動画
柔軟剤のジャッジを子供が行うという子供目線の展開。(再生回数238万回)
- ポイント
- こちらも2本目に続き子供が主役になっています。柔軟剤も子供の肌に優しいものを優先的に購入する層が増えてきていると言えるでしょう。
タイ人に人気の動画事例 その4:監視カメラ会社のPR動画
「タイ人にとってはみたことのある風景」に近い町の様子です。監視カメラ等を扱うVISERのプロモーション。セキュリティだけでなくビデオが残すのはもっと大事なことなのだと訴えかけるメッセージ性の強い動画です。(再生回数1909万回)
- ポイント
- 幅広い人々に共感される動画で、タイの日常風景を切り取ったような演出が響きました。タイは泣ける作品が多いと言われているのが分かる気がしますね。
この4本をみても、1はFacebookがキーポイントになっていますし、2,3は先述したタイ人の特徴の中の「子供が好き」というのも動画の特徴につながっています。
タイ人の旅行スタイルの特徴が分かる?
タイ人に人気の動画事例 その5:Facebookとリンクした観光PR動画
タイ人女性2名でハワイを旅しています。Facebookの投稿に合わせた場面展開がタイ人の観光スタイルを表現しています。細かなところですが、効果音の入り方も日本と違ってタイではよく耳にする効果音です。最後に商品の使用感を伝えるためビデオチャットをしているのも面白いです。(再生回数1026万回)
- ポイント
- Facebookの投稿が旅とリンクしている。冒頭からFacebookを思わせる投稿画面、コメント欄で旅の会話をすすめていく流れもタイ人の特徴ですね。旅行中もリアルタイムで動画を活用しながら配信しているので時系列がわかりやすいです。
- 旅先でのセルフィーとライブ配信の様子も登場しており、タイ人が旅行先でする行動を示してくれています。
タイ人に人気の動画事例 その6:タイの人気アーティストミュージックビデオ
タイの伝統的な伝統舞踊の衣装に合わせて人気アーティストが出演しているMVです。(再生回数521万回)
- ポイント
- 食・アクティビティ・景色・動物・伝統的なお寺などタイの良いところを一気に凝縮し、テンポよく紹介しています。
- 伝統舞踊の衣装を身に着けながら各地を回るので、タイにまだ行ったことが無い人も、何度も訪れている人も楽しくなります。
タイといえば、のバンコクやアユタヤだけでなく地方都市へ行ったり、ローカルな駅が登場するなどタイ全体への観光PR動画です。英語のディスクリプションがあるバージョンもあります。年間3000万人以上の外国人観光客が訪れる国であるインバウンド先進国のタイならではの、タイを味わうポイントが詰まっています。外国人観光客だけではなく、タイ人が国内旅行に行きたくなるような展開です。
訪日タイ人観光客目線でプロモーション動画を作るキーポイントは?
「タイムラインでよく見かける動画」という切り口で6種類ご紹介しました。これからタイ人向けの動画制作を検討している方は下記の要素を入れるとタイ国内での認知度が高まるかもしれません。
訪日タイ人観光客向けインバウンド動画のキーポイント その1:子供が主役のストーリーを作ってみる
動画開始3秒以上視聴してもらうために、引き込まれるストーリー展開とタイムラインで見かけた時に再生したくなるような子供が主役で登場する展開を作ってみるのも一つかもしれません。例えば、自治体などエリアで見どころを沢山盛り込みたい場合などはストーリー性がある動画の方が相性が良いでしょう。
訪日タイ人観光客向けインバウンド動画のキーポイント その2:友達や家族とわいわい楽しそうに旅行しているシーンを盛り込み楽しそうな旅を連想させる
タイ人観光客の多くが、家族や友人と3人以上で日本を訪れています。風景や食事のシーンももちろん良いですが、旅先で大人数で楽しそうに会話しているシーンがあると旅行への楽しみが具体的に想像できます。
訪日タイ人観光客向けインバウンド動画のキーポイント その3:写真スポットでのセルフィー(自撮り)シーンとSNSへの投稿をリンクさせる
写真撮影とSNS投稿が日常生活の中で当たり前となっているタイ人。日本に来たら日本でしか撮影できない写真スポットで撮影してSNSに投稿したいと考えています。定番の観光スポットだけでなく、まだ他の外国人観光客が注目していないスポットや夕暮れ時の10分しか撮影チャンスが無いというようなレアなスポットでのセルフィーシーンを入れるとイメージが湧きやすいです。
まとめ:タイ人観光客の心をつかむ動画プロモーションのヒントはタイの動画から見つけよう
タイ人観光客へのプロモーションの際、日本と違うタイ人の生活スタイルや特徴を理解することがローカライズのポイントです。プロモーション動画を活用して日本へ旅行しようと思っているタイ人の日常生活に入り込むためには、まず今タイで人気の動画チェックをしてから動画制作に入るのはいかがでしょうか?
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