日本でも今後さらに増えると予想されているムスリム訪日外国人観光客。日本各地でムスリム観光客受け入れのための対策が進んでいますが、その中でも 鳥取、兵庫、和歌山、徳島、滋賀、京都、大阪、奈良など地域全体で「ムスリムフレンドリー」を謳っている関西の取り組み をご紹介します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
大阪観光局「イスラム教徒向けの飲食店・宿泊施設のマップ配布」
大阪観光局は2014年1月、宗教上の制約に従った「ハラル」やそれに準じる料理を提供する店やホテルを紹介するA4判の冊子「ハラル&ムスリムフレンドリーマップ」を英語で作成。9月に発行した第2号では、マレーシア料理などの外国料理の店が大半だった第1号と比べ、多数の和食店も紹介するなど掲載施設が約100に増加。第1号発行後に掲載してほしいとの飲食店からの申し込みや対応を始めたという施設からの報告が相次いだといいます。
このフレンドリーマップは使いやすいハンディ版サイズ。国内では関空の観光案内所などに設置。海外での観光展では、ムスリムの団体旅行を組む東南アジアの旅行会社から「ムスリムを歓迎する大阪の人たちの気持ちが伝わってくる」と好評。スマートフォンアプリも近くリリース予定とのこと。
ムスリムフレンドリー京都(京都府)
ムスリムフレンドリー京都では、宗教法人京都ムスリム協会による認証を得たレストランやムスリム観光客に配慮したレストラン、宿泊施設、お祈りの場所などの紹介に加えて、京都の観光名所、京都ならではの食文化の紹介、ムスリム旅行者が安心して京都で過ごせるような情報を提供しています。
ムスリムフレンドリーデスティネーション イン 神戸(兵庫県)
ムスリムフレンドリーデスティネーション イン 神戸では神戸市内にあるモスクの案内、ムスリムフレンドリーなレストラン、ホテルなどを紹介。また観光名所の紹介や観光のためのモデルコースなどを紹介。
大阪ステーションシティ(JR大阪駅)(大阪府)
大阪ステーションシティでは、JR大阪駅直結「南ゲート広場」に祈祷室を開設し、宗派を問わず利用可能な施設となっています。また、ホテルグランヴィア大阪19F(2店舗「フルーヴ」「浮橋」)ではムスリムフレンドリーメニューを、サウスゲートビル「うまいものプラザ」16F(3店舗「銀座ハゲ天」「うを佐」「豆富百珍 八かく庵」)では、ノンポークメニューを提供。
関西国際空港(大阪府)
関西の空の玄関である関西国際空港はムスリム訪日外国人観光客対策に特に力を入れています。ムスリム旅行者にとって欠かせない祈祷室は、第1ターミナルビル3階のほか、国際線出国エリアに2か所接地。室内は全て「男女別室」となっており、礼拝前に身体を清めるための「小浄施設」も設置。お祈りを行う方向が簡単にわかる「キブラ」の他、礼拝マットや礼拝衣装などを用意し、24時間誰でも利用可能となっています。
また、ムスリム旅行者が安心して食事を楽しめるようにハラール料理を提供するレストラン、厨房で製造されるメニューが全てハラールであるハラール認証レストランも接地。空港内15店舗の飲食店にて、「ポークフリー・アルコールフリーメニュー」を設定しています。
まとめ:ムスリム旅行者向け対応はハラルフードだけでなく祈祷室も重要
最近話題となることが多く、各レストランで対応も進んでいるハラルフードに加えて、日本を旅行する際にムスリム旅行者の方が心配するものの1つが祈祷室です。ムスリムの方は1日5回メッカの方角に向かってお祈りをしますが、こうした設備の有無がムスリムの方にとっての旅の楽しみにおいては大きな意味を持ってきます。その点「ムスリムフレンドリー」を謳う関西では、大阪国際空港、大阪駅などでも祈祷室が設置されています。
マレーシアやインドネシアなどムスリムの方が多い国からの旅行者が増えるのに合わせて、今後日本各地でこうした動きが必要になってくるといえるのではないでしょうか。
<参考>
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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