東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、日本国内ではますます訪日外国人観光客が増えることが予測されています。
インバウンド誘致・集客を行うにあたって、 訪日外国人観光客が実際に旅行中に困ったことに耳を傾けること も重要なことです。以前、訪日ラボの記事でもご紹介したように訪日外国人観光客は、日本国内の多言語表示やコミュニケーションがとれないという点に不満を感じており、この点に関してはインバウンド業界全体で取り組んでいかなければいけない課題でしょう。
その他に訪日外国人観光客は、日本を観光する際、どのようなことに困っているのでしょうか?
「訪日客が旅行中に困ったこと」ここ3年でどう変わった?観光庁のアンケート調査をまとめてわかった意外な事実
クールジャパン戦略の甲斐もあってか、訪日外国人観光客数はここ数年順調に伸びており、昨年には史上最多となる2,400万人の外国人観光客が日本を訪れました。東京オリンピック・パラリンピックが行われる2020年までに年間4,000万人の訪日外国人観光客を誘致することを目標に、政府や自治体、企業などはインバウンド対策を着々と進めてきました。 こうした背景から、少なくとも年々、訪日外国人観光客にとって訪日旅行は快適なものになっているのではないかと予想はできますが、実際、訪日外国人観光客は現在の...
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
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訪日外国人観光客は日本国内のコインロッカーの少なさに困っている
観光庁が発表した「外国人旅行者の日本の受入環境に対する不便・不満」によると、訪日外国人観光客が訪日旅行中に困ったこととして、「コインロッカーの少なさ」 が挙げられています。
訪日外国人観光客は、訪日旅行中に移動をする際に、スーツケースなど大型な荷物を持ち運びます。当然、観光する際に、これらの荷物は邪魔であり自由で快適な旅行の妨げになっています。
しかし、上記で紹介した観光庁の調査の通り、訪日外国人観光客にとって コインロッカーなど荷物を保管する場所は、なかなか見つからない のが現状です。
そこで注目されているのが「手ぶら観光」:観光庁が進めるハンズフリーの旅行形態
「手ぶら観光」 とは文字のごとく訪日外国人観光客が旅行時、 荷物を持たずに観光すること を指します。
観光庁では、この「手ぶら観光」を促進するために、全国80箇所に「手ぶら観光カウンター」を設置しています。上記がその共通ロゴマークにあたります。
訪日外国人の「手ぶら観光」の促進へ 国交省「手ぶら観光カウンター」を大幅に拡充 地方におけるインバウンド効果に期待
平成28年8月17日の発表によると、国土交通省は訪日外国人観光客の「手ぶら観光」を推進するため、整備や機能強化をおこなう民間事業の2次募集を行っています。認定された事業には国から経費の1/3が支給される予定です。これから整備が進んでいくであろうインバウンド対策「手ぶら観光」。一体どのようなシステムなのでしょうか?手ぶら観光・受け入れ環境整備で注目浴びる「荷物預かり」サービスについてより詳しい資料のダウンロードはこちら「荷物預かり」の資料をDLして詳しく見てみる目次「手ぶら観光カウンター」で...
近年では、この手ぶら観光を促進するために、国内のスタートアップや運輸会社がさまざまなサービスを提供しています。
その筆頭がecbo cloak!荷物を預けたいインバウンドと荷物を預かることができる店舗をつなぐサービス!
旅行荷物取り扱いサービス ecbo cloak は、2017年7月に朝日新聞など各種大手メディアに取り上げられ、最近注目を集めています。
ecbo cloakとは、 旅行先で荷物を預けたい観光客と荷物を預かることができるスペースをもつ美容院やカフェなどの店舗をつなぐサービス です。
記事の冒頭でもご紹介した通り、訪日外国人観光客は旅行中に大荷物を持って移動するにもかかわらず、日本国内ではコインロッカーが見つからずに困っているという現状があります。
ecbo cloakのアプリを訪日外国人観光客がダウンロードし、空きスペースをもつカフェや美容院を荷物の保管場所として予約することで、 訪日外国人観光客は手ぶらで観光をすることができる ようになります。
料金は、荷物の最大辺が45cm未満の「手荷物プラン」が1日300円、最大辺が45cm以上の「スーツケースプラン」が1日600円とのこと。一般的なコインロッカーと比べて一概に安いとは言えませんが、観光客のコインロッカーに関する 「どこにあるのか分からない」「空いていない」「大型の荷物が入らない」 などの課題を解消できるものではないかと考えられます。
その他にも多くの手ぶら観光促進サービスが登場!
現在注目のサービスとしてeco cloakを紹介しましたが、その他にも大手運輸会社やスタートアップ企業がさまざまな方法で訪日外国人観光客の手ぶら観光を促進しています。
[佐川急便&ヤマト運輸]インバウンド向け配送サービスを提供
大手運輸会社である 佐川急便とヤマト運輸 は、インバウンド向けの配送サービスを提供しています。
ヤマト運輸は中部国際空港(別名:セントレア)と共同で「SAME DAY BAGGAGE DELIVERY」という訪日外国人観光客に向けた配送サービスを行っています。午前11時までの受付で当日中(18~21時)に手荷物が指定のホテル・旅館へ配送されます。(愛知県、岐阜県、三重県のみ)英語・中国語・韓国語3か国語に対応。英語併記の専用送り状も用意してあり、作成時もサポートしてくれます。
佐川急便でも「ホテル即配」、「空港受け取り」のほかに「手荷物一時預かりサービス」など同様のサービスを東京エリア近辺で提供しています。英語・中国語・韓国語に対応しており、荷物のサイズに関係なく一律料金で預けることができます。
訪日外国人の「手ぶら観光」の促進へ 国交省「手ぶら観光カウンター」を大幅に拡充 地方におけるインバウンド効果に期待
平成28年8月17日の発表によると、国土交通省は訪日外国人観光客の「手ぶら観光」を推進するため、整備や機能強化をおこなう民間事業の2次募集を行っています。認定された事業には国から経費の1/3が支給される予定です。これから整備が進んでいくであろうインバウンド対策「手ぶら観光」。一体どのようなシステムなのでしょうか?手ぶら観光・受け入れ環境整備で注目浴びる「荷物預かり」サービスについてより詳しい資料のダウンロードはこちら「荷物預かり」の資料をDLして詳しく見てみる目次「手ぶら観光カウンター」で...
[Airporter]民泊専用の当日配送サービス!訪日客の手荷物を民泊物件まで配送
Airporterは、 民泊サービス利用者専用の手荷物配送サービス。
Airporterは、Airport(空港)とPorter(運搬人)をかけ合わせた造語です。
フライト時刻の都合で「レイトチェックアウトしたい(荷物を預けたい)ゲスト」と、清掃の都合で「レイトチェックアウトさせられない(荷物を預かれない)ホスト」のジレンマを解消するために開発された、 空港-民泊施設間限定の当日配送運搬サービス です。Airporterは、すでに都内300カ所に導入されており、Airbnbなど民泊サービスを利用する訪日外国人観光客の手ぶら観光を実現しています。
世界初!民泊専用!「手ぶら観光」をスマホで注文!当日配送サービス"Airporter"が正式リリース
観光難民を「0」に[株式会社G Property]インバウンド関連事業を行う株式会社G Property(本社:東京都港区六本木、代表取締役:竹井佑介)は、手ぶら観光を支援する、空港と民泊施設間に特化した民泊専用の当日配送サービスAirporterを2017年4月10日より開始いたします。▼ Airporter(エアポーター) https://airporter.delivery/jpnl/目次【Airporterとは】【使い方】【Airporterが誕生するまでの背景】【Airporte...
「手ぶら観光」をスマホで注文!手荷物当日配送サービス『Airporter』が、1ヵ月で急速拡大!
2017年6月1日より東京ディズニーリゾートエリアや大阪など人気エリアを追加、旅行客の要望に対するおもてなしで「手ぶら観光」を実現![株式会社G Property]インバウンド関連事業を行う株式会社G Property(本社:東京都港区六本木、代表取締役:竹井佑介)は、旅行客の「手ぶら観光」を支援する、空港と宿泊施設間の手荷物当日配送サービスAirporter(エアポーター)を、2017年4月に正式リリースしました。僅か1か月強で民泊施設の提携数が都内300物件から3倍以上の1,000物件...
[バーチャル・ロッカー]移送型のロッカーサービス!店頭や駅改札からユニフォームを来たスタッフが荷物を集荷
バーチャル・ロッカーとは、株式会社C&Hが提供するインバウンドにも対応した 移送型のロッカーサービス。
バーチャルロッカーは、訪日外国人観光客が、電話やアプリから 予約をすることでユニフォームを着た社員が店頭や駅の改札まで手荷物を預かりにきてくれる といったサービスを提供しており、預かった荷物は、ロッカーの中に保管されて運ばれます。手荷物は店頭や駅の改札で受け取りとることができるため、訪日外国人観光客は手ぶらで観光をすることができます。東京23区内でサービスを展開中。
まとめ:手ぶら観光促進へ国内ではさまざまなサービスが登場
今回ご紹介してきたように、訪日外国人観光客の記録的増加から、観光地付近では訪日外国人観光客が手荷物を預けるためのコインロッカーが不足しており、2020年に向けて4,000万人のインバウンド誘致を目指すうえで、大きな課題になっていました。
しかし、最近では今回ご紹介した一連のサービスが提供され始めており、これからは訪日外国人観光客にとってより快適な観光が実現していきそうです。
<参照>
- 朝日新聞:美容室でスーツケース預かります 訪日客急増で新事業
- ecbo:[ホームページ][https://ecbo.io/services/]
- バーチャルロッカー:ホームページ
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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