東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、日本国内ではますます訪日外国人観光客が増えることが予測されています。
インバウンド誘致・集客を行うにあたって、 訪日外国人観光客が実際に旅行中に困ったことに耳を傾けること も重要なことです。以前、訪日ラボの記事でもご紹介したように訪日外国人観光客は、日本国内の多言語表示やコミュニケーションがとれないという点に不満を感じており、この点に関してはインバウンド業界全体で取り組んでいかなければいけない課題でしょう。
その他に訪日外国人観光客は、日本を観光する際、どのようなことに困っているのでしょうか?
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訪日外国人観光客は日本国内のコインロッカーの少なさに困っている
観光庁が発表した「外国人旅行者の日本の受入環境に対する不便・不満」によると、訪日外国人観光客が訪日旅行中に困ったこととして、「コインロッカーの少なさ」 が挙げられています。
訪日外国人観光客は、訪日旅行中に移動をする際に、スーツケースなど大型な荷物を持ち運びます。当然、観光する際に、これらの荷物は邪魔であり自由で快適な旅行の妨げになっています。
しかし、上記で紹介した観光庁の調査の通り、訪日外国人観光客にとって コインロッカーなど荷物を保管する場所は、なかなか見つからない のが現状です。
そこで注目されているのが「手ぶら観光」:観光庁が進めるハンズフリーの旅行形態
「手ぶら観光」 とは文字のごとく訪日外国人観光客が旅行時、 荷物を持たずに観光すること を指します。
観光庁では、この「手ぶら観光」を促進するために、全国80箇所に「手ぶら観光カウンター」を設置しています。上記がその共通ロゴマークにあたります。
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近年では、この手ぶら観光を促進するために、国内のスタートアップや運輸会社がさまざまなサービスを提供しています。
その筆頭がecbo cloak!荷物を預けたいインバウンドと荷物を預かることができる店舗をつなぐサービス!
旅行荷物取り扱いサービス ecbo cloak は、2017年7月に朝日新聞など各種大手メディアに取り上げられ、最近注目を集めています。
ecbo cloakとは、 旅行先で荷物を預けたい観光客と荷物を預かることができるスペースをもつ美容院やカフェなどの店舗をつなぐサービス です。
記事の冒頭でもご紹介した通り、訪日外国人観光客は旅行中に大荷物を持って移動するにもかかわらず、日本国内ではコインロッカーが見つからずに困っているという現状があります。
ecbo cloakのアプリを訪日外国人観光客がダウンロードし、空きスペースをもつカフェや美容院を荷物の保管場所として予約することで、 訪日外国人観光客は手ぶらで観光をすることができる ようになります。
料金は、荷物の最大辺が45cm未満の「手荷物プラン」が1日300円、最大辺が45cm以上の「スーツケースプラン」が1日600円とのこと。一般的なコインロッカーと比べて一概に安いとは言えませんが、観光客のコインロッカーに関する 「どこにあるのか分からない」「空いていない」「大型の荷物が入らない」 などの課題を解消できるものではないかと考えられます。
その他にも多くの手ぶら観光促進サービスが登場!
現在注目のサービスとしてeco cloakを紹介しましたが、その他にも大手運輸会社やスタートアップ企業がさまざまな方法で訪日外国人観光客の手ぶら観光を促進しています。
[佐川急便&ヤマト運輸]インバウンド向け配送サービスを提供
大手運輸会社である 佐川急便とヤマト運輸 は、インバウンド向けの配送サービスを提供しています。
ヤマト運輸は中部国際空港(別名:セントレア)と共同で「SAME DAY BAGGAGE DELIVERY」という訪日外国人観光客に向けた配送サービスを行っています。午前11時までの受付で当日中(18~21時)に手荷物が指定のホテル・旅館へ配送されます。(愛知県、岐阜県、三重県のみ)英語・中国語・韓国語3か国語に対応。英語併記の専用送り状も用意してあり、作成時もサポートしてくれます。
佐川急便でも「ホテル即配」、「空港受け取り」のほかに「手荷物一時預かりサービス」など同様のサービスを東京エリア近辺で提供しています。英語・中国語・韓国語に対応しており、荷物のサイズに関係なく一律料金で預けることができます。
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[Airporter]民泊専用の当日配送サービス!訪日客の手荷物を民泊物件まで配送
Airporterは、 民泊サービス利用者専用の手荷物配送サービス。
Airporterは、Airport(空港)とPorter(運搬人)をかけ合わせた造語です。
フライト時刻の都合で「レイトチェックアウトしたい(荷物を預けたい)ゲスト」と、清掃の都合で「レイトチェックアウトさせられない(荷物を預かれない)ホスト」のジレンマを解消するために開発された、 空港-民泊施設間限定の当日配送運搬サービス です。Airporterは、すでに都内300カ所に導入されており、Airbnbなど民泊サービスを利用する訪日外国人観光客の手ぶら観光を実現しています。
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[バーチャル・ロッカー]移送型のロッカーサービス!店頭や駅改札からユニフォームを来たスタッフが荷物を集荷
バーチャル・ロッカーとは、株式会社C&Hが提供するインバウンドにも対応した 移送型のロッカーサービス。
バーチャルロッカーは、訪日外国人観光客が、電話やアプリから 予約をすることでユニフォームを着た社員が店頭や駅の改札まで手荷物を預かりにきてくれる といったサービスを提供しており、預かった荷物は、ロッカーの中に保管されて運ばれます。手荷物は店頭や駅の改札で受け取りとることができるため、訪日外国人観光客は手ぶらで観光をすることができます。東京23区内でサービスを展開中。
まとめ:手ぶら観光促進へ国内ではさまざまなサービスが登場
今回ご紹介してきたように、訪日外国人観光客の記録的増加から、観光地付近では訪日外国人観光客が手荷物を預けるためのコインロッカーが不足しており、2020年に向けて4,000万人のインバウンド誘致を目指すうえで、大きな課題になっていました。
しかし、最近では今回ご紹介した一連のサービスが提供され始めており、これからは訪日外国人観光客にとってより快適な観光が実現していきそうです。
<参照>
- 朝日新聞:美容室でスーツケース預かります 訪日客急増で新事業
- ecbo:[ホームページ][https://ecbo.io/services/]
- バーチャルロッカー:ホームページ
【2023年インバウンド最新動向を予測】国・地域別デジタルマーケティング戦略
2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。
未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。
では、今やるべきインバウンド対策とはなんでしょうか。そしてそれを国・地域別に見ると、どういった違いがあるのでしょうか。
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