2020年の4,000万人の訪日外国人誘致を目指し、日本国内ではインバウンド観光市場に注目が集まっています。「外国人旅行客を日本に呼び込む」という観点から、日本国内の企業・自治体はさまざまなインバウンド誘致策に取り組んでいますが、そもそも世界規模での海外旅行市場は、どのようになっているのでしょうか?
UNWTO(国連世界観光機関)は、2017年7月14日、2017年1月から4月までの世界における海外旅行市場に関してまとめたレポートを発表 しています。今回は、その模様をお届けします。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
- 『3億6,900万人』…2017年の1月から4月の間に世界中で海外旅行をした旅行者数
- 『+2,100万人』…2016年の1月から4月と比べて増加した海外旅行者数
- 『28%』…1月から4月の海外旅行者数が、1年全体の旅行客数に占めるおおよその割合
- 地域ごとに見てみると?:どこの地域でもおおむね順調にインバウンド数は伸びている!
- <ヨーロッパ>:南欧と北欧で前年比+9%で外国人観光客数が伸びている
- <アジア・太平洋>:もっともインバウンドが増えたのは南アジアとの結果に』…前年比+14%
- <アメリカ>:北アメリカ・カリブ諸島は伸び悩み』…南アメリカと中央アメリカが好調
- まとめ:2017年も引き続きインバウンド観光市場は熱そう
目次
『3億6,900万人』…2017年の1月から4月の間に世界中で海外旅行をした旅行者数
2017年1月から4月の間に海外旅行した人の数は、全部で3億6,900万人を記録しました。 3億6,900万人という数字は、ここ十年で最高の数字です。
『+2,100万人』…2016年の1月から4月と比べて増加した海外旅行者数
2017年1月から4月の間に海外旅行した人数は、2016年の同時期と比べて 2,100万人増加 しました。これは、前年比+6% にあたります。
昨年の海外旅行市場で好調だった フランスやアメリカなどにおいて今年も順調に外国人観光客数が伸び続けている ことや、テロや治安悪化などの影響からここ数年、外国人観光客数が伸び悩んでいた国に観光客が戻ってきた ことが、この成長に起因している模様です。
『28%』…1月から4月の海外旅行者数が、1年全体の旅行客数に占めるおおよその割合
UNWTO(国連世界観光機関)の資料によると、1月から4月における海外旅行客数の割合は、中華圏のの旧正月やイースターなどの大きなバケーションがあるのにもかかわらず、基本的に1年全体の28%を占めるにとどまる傾向があるようです。
先述の通り、2017年1月から4月の間に海外旅行した人の数は、全部で3億6,900万人でした。この数から大体の予測をすると2017年の世界全体の海外旅行者数も、2016年と同様、おおよそ13億人前後で推移 するのではないでしょうか。
中国人が海外旅行で使ったお金は総額26兆円!13億5,000万人が海外に旅行した2016年の世界の観光市場 知っておくべき数値をまとめました
2020年の4,000万人の訪日外国人誘致を目指し、インバウンド観光市場が盛り上がっています。「外国人旅行客を日本に呼び込む」という視点から、日本国内の企業・自治体はさまざまなインバウンド誘致策に取り組んでいますが、そもそも世界規模での海外旅行市場は、どのようになっているのでしょうか?UNWTO(国連世界観光機関)では、毎年、World Tourism Barometerというアウトバウンド・ツーリズム(世界の海外旅行)に関するレポートを発行しています。今回は、2016年の世界での海外旅行...
地域ごとに見てみると?:どこの地域でもおおむね順調にインバウンド数は伸びている!
<ヨーロッパ>:南欧と北欧で前年比+9%で外国人観光客数が伸びている
2017年1月から4月までに ヨーロッパ圏を旅行した人の数は、前年の同時期と比べて6%増加しました。
特に 南ヨーロッパ(イタリア・フランス・スペインなど)では、前年の同時期と比べて9%伸びました。 2016年はわずか1%の伸びだったため、順調に外国人観光客が増えていることがわかります。
また、北ヨーロッパ(デンマーク・ノルウェー・スウェーデンなど)でも同じく前年の同時期と比べて外国人観光客数は9%の増加を記録 しました。
<アジア・太平洋>:もっともインバウンドが増えたのは南アジアとの結果に』…前年比+14%
2017年1月から4月までに南アジアを旅行した人の数は、前年の同時期と比べて14%の増加を記録 しました。
その次に大きな伸びを記録した地域は オセアニア地域、次いで東南アジア となっています。(それぞれ前年比+7%、+6%) 日本の所属する 北東アジア地域では前年比+5%となっており、他のアジアの地域と比べると若干の伸び悩みが見られます。
<アメリカ>:北アメリカ・カリブ諸島は伸び悩み』…南アメリカと中央アメリカが好調
アメリカ大陸のインバウンド観光市場に目を移すと、もっとも伸びた地域は南アメリカと中央アメリカ という結果になりました。どちらも 前年比+7% の外国人観光客が訪れています。
アメリカやカナダが所属する 北アメリカでは、前年比+3%増を記録。 北米出身の観光客にとって人気のバケーションスポットであるカリブ諸島も前年比+2%と若干、伸び悩みました。
まとめ:2017年も引き続きインバウンド観光市場は熱そう
UNWTO(国連世界観光機関)のレポートを基に2017年1月から4月における海外旅行市場の模様をご紹介してきました。 地域によっては若干の伸び悩みがある場合もありますが、おおむねインバウンド観光はどこの地域でも順調 なようです。
UNWTO(国連世界観光機関)は、海外旅行シーズンのピークである5月から8月、クリスマスや年末など大規模なイベントが多い9月から12月においても、インバウンド観光市場はこの調子で推移することを予測しており、海外旅行ブームは今年も続いていきそうです。
<参照>
- UNWTO(国連世界観光機関)』…Strong tourism results in the first part of 2017
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!