訪日中国人にとって「日本のコンビニで唐揚げを買う」ことは訪日旅行のハイライト!?背景にあるのは「中国国内の日系コンビニ普及」「宵夜」:日本での「食」最新トレンドをソーシャルから分析!

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こんにちは、トレンドExpress編集部です。本日は中国版Twitter、「新浪微博」より、8月1日までの1週間のクチコミを集計した「ランキング」をご紹介します。

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中国人観光客、日本での「食」最新トレンドをクチコミから

さてまずはTOP10を見てみましょう。

このランキングはトレンドExpress編集部で、中国トレンドExpress発足の2015年以来通年集計しており、例えば1位に輝いた「焼き鳥」のランキング順位の変動も、ランキング登場時からさかのぼって確認ができます。

「焼き鳥」 は昨年の6月〜9月頭まで1〜2位の座を保持していましたが、冬〜春にかけては5位〜7位、そして今年の春節でまたランクアップしたのち ほぼ一貫して1位 となっています。また2位の 和菓子 は、昨年5月に1位を記録し、そのあとはランキング順位を10位前後まで下げながらもTOP10を維持、今年は夏に入って初めて1位を獲得 しました。

反対に昨年は順位が振るわなかったものの、今年ぐんぐん順位を上げているのは今回5位の「日本のビール」です。 ランク順位のアップダウンを経過しながら、着実に順位を上げています。春節以降の盛り上がりののち、4月には再度順位を落としながらも6月、7月と徐々に順位を上げて、最高で2位を記録しました。

ランクインしたアイテムの中で しゃぶしゃぶ」「串カツ」 はこの1年ほどの定番ですが、「唐揚げ」は2アイテムとは異なり今年の5月から注目度を上げているアイテム です。昨年は40〜35位とあまり関心が寄せられていなかったことがわかります。

このように、同じランキング上位の食品でも、「注目され始めた時期」「どのくらいの期間注目を集めているのか」といった経緯が違いますし、それぞれの「注目されるきっかけ」だったり「好まれる理由」といった背景は異なることが予想できます。

では、実際にどういった視点で中国人は日本の食品に興味を抱いているのでしょうか? 実際のクチコミを見ていきます。

焼き鳥は人気者の地位確立! コンビニ、居酒屋、動画でも

「好きになるきっかけ」「好まれる理由」をランキング第一位に輝いた「焼き鳥」を例にとって調べてみました。

まずは一つ目の中国国内での生活の1シーンの書き込みです。「近所のローソンで焼き鳥のつくねとモモを買った、おいしい〜」というように、現地の日系コンビニでその存在と接触している 場合もあるようです。中国トレンドExpressのコラムでもお伝えしていますが、コンビニから、中国人消費者の日本文化への接触が始まる」 ということが起きています。現地日系コンビニでの消費が影響しての人気拡大には要注目と言えそうです。

【コラム】中国-日本コンビニシームレス時代 〜上海のコンビニから始まる日本体験が訪日消費を左右する?〜

また奈良の居酒屋と思しき店舗で、おでん、煮込み、焼き鳥を注文し「焼き鳥はものすごく味わい深い、大好き。飲み物の氷にも気泡が入っていなくてきれい」という書き込みをしている山東省の女性がいました。食品の作りこんだ味に感動していることがうかがえます。また 飲料の中の氷といった細かいところまでよく観察していて、旅行の一日一日を味わい尽くそうとしているかのよう です。

視点はずれますが、日本のSNSで人気を拡大している「料理動画」は中国SNSでも一定の支持を得ている と言われています。今回微博では焼き鳥の作り方の紹介動画がアップされていました。クチコミで人気となってきたのは上述の通りこの5月からですが、現在その地位はかなり確立しているとみてよさそうです。

コト消費と「宵夜(シャオイエ)」が拓く「コンビニグルメ」の世界

実際に日本のコンビニでも買われているのが「から揚げ」ですが、それだけに限らず コンビニグルメ」は人気を高めつつある ようです。「到着! いろいろ買いました」という書き込みでコンビニのホットスナック、おでん写真をアップして日本到着をアピールする投稿も。

中国でも日系コンビニは増えてきていますが、日本旅行の際に「コンビニグルメ」を味わう旅行客もいます。わざわざ投稿に「コンビニで買う」と書き込むあたり、コンビニでの購入が日本旅行の小さなハイライトとなっている可能性をうかがわせます。 コンビニで購入するのは「モノ」ですが、コンビニに立ち寄る」ことが魅力ある体験であるとするならば、コンビニでの食品購入は「コト消費の中のモノ消費」とでも言えるのではないでしょうか。

他には「コンビニで夜食の牛乳と温泉たまごを買ったよ!」という書き込みもありました。中国では夜食は「宵夜(シャオイエ)」と呼ばれ、よく見られる習慣です。夜食の調達には夜遅くもあいているコンビニがもってこいですね。

味わいだけでなく、背景知識へのニーズも併せて提供するのがこれからのグルメ

夏に順位を上げた和菓子ですが、日本関連の話題で「リツイート」数が多かったものの中に「ジュレのような見た目、でもジュレじゃない!日本の精巧に作られたお菓子、水信玄餅。こんな宝石みたいなビジュアル、スイーツを食べたくなってしまう!」というトピックがありました(集計期間:2017年7月19日〜7月25日)。

職人技が関心を集めいていることがわかります。また同期間には「フグ」の歴史やさばき方の動画も1,000回を超えてリツイートされていました。食はもはや単に味だけを楽しむのではなく、食材や調理に関する様々な知識へのニーズがあることも仮説として考えられます。

また6位の「お菓子」は、今年農林水産省が発表したデータでは訪日旅行客全体で購入額が増加していることが伝えられており、平成28年は菓子類の全購入額のうち約4割を中国人が占め最多となっています。ランキング順位の上昇にも納得です。

参考:農林水産省/訪日外国人旅行者、お土産に菓子1300億円購入

まとめ

訪日中国人の「日本でしたいこと」ランキングでは「日本料理を食べたい」はランキング上位です。絶えることのない日本食への関心、その関心のありかを正確に把握することで、飲食店だけでなくコンビニもスーパーもますます盛り上がっていくのではないでしょうか。

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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

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参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

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【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】

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中国トレンドExpress編集部。Webメディア中国トレンドExpressでは中国向けマーケティングに役立つ様々な情報を発信中。サイトコンセプトは「あなたの中国マーケティングコンシェルジュ」。本コーナーでは主に中国Twitterの「新浪微博」の日本関連の書き込み件数ランキングについてとりあげ、実際の書き込みを紹介しながら訪日中国人の消費者心理にせまります。

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