インバウンド誘致へ必要性増すDMO 課題は「人材確保」に:観光庁のアンケート調査から把握できるDMO内部の実態とは

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さまざまな関係者と協業しながら魅力的な観光地域づくりを推し進め、地域の「稼ぐ力」を引き出す組織であるDMO 広域連携DMO、地域連携DMO、地域DMOの3種類に分かれており、現在日本国内には計123ものDMOが存在しています。

近頃の訪日外国人観光客の急増により、インバウンド誘致を促進するためにもDMOの必要性は増してきていますが、実際に組織として運営していくとなると、未だに多くの課題が存在している模様です。

公益社団法人 日本観光振興協会(*)が行ったアンケート調査によると、財源に関する問題に加えて、 DMOを運営するにあたって必要な人材不足も大きな問題になっている模様です。

*公益社団法人 日本観光振興協会:国内の観光時における安全確保・利便性向上などを通じて、日本の観光産業の普及発達を目的にする団体。地方自治体や観光協会などが加盟している。元国土交通省所管。

最近インバウンドで良く耳にするDMOって何?そもそもDMOとは何なのか、なぜ日本のインバウンドにもDMOが必要なのかを解説

インバウンドビジネスに関わる皆さんも、最近DMOという言葉を耳にする機会が多いのではないでしょうか?でも「そもそもDMOが何なのかわからない。」という方もいるかと思います。そんな方に向けてDMOとは何なのか?日本でのDMOについて解説していきます。目次DMOとは何か?DMOの目的インバウンドにおけるDMO:日本版DMOがなぜ必要なのか?インバウンドで日本版DMOが必要な理由その1:関係者の巻き込みが不十分インバウンドで日本版DMOが必要な理由その2:データの収集・分析が不十分インバウンドで...

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これまでのDMOにおける人材育成への取り組みとは?研修・セミナーの開催などが主に:しかし多くのDMOで人材確保に不安

人材の育成にどのように取り組んでいるのか(複数回答可):各DMOの回答:公益社団法人 日本観光振興協会「DMO候補法人の現状と課題について」から引用

人材の育成にどのように取り組んでいるのか(複数回答可):公益社団法人 日本観光振興協会「DMO候補法人の現状と課題について」から引用

公益社団法人 日本観光振興協会のアンケート調査に回答した日本版DMO候補法人97団体(広域連携DMO 2団体・地域連携DMO 44団体・地域DMO 51団体)では、DMO運営にあたって必要な人材の確保へ、「研修・セミナーの開催/参加支援」「講演会開催」などの取り組みを行ってきました。

上記3つの活動は、調査対象となったDMOのうち 約40%が実施 していたものです。そのほかにも、「国内視察研修」「講師の派遣」など、さまざまな取り組みが行われてきたことがわかります。

しかし、同調査によると 多くのDMOでは人材の不足に不安を感じているとのこと。

もっとも大きな課題として「中核人材の不足」を答えたDMOは全体の40%に:DMO運営へ「人材育成」は大きな課題に

DMOの取り組みにおいて課題だと思っていること:各DMOの回答(重要だと思う順に1、2、3と回答):公益社団法人 日本観光振興協会「DMO候補法人の現状と課題について」から引用

MOの取り組みにおいて課題だと思っていること:各DMOの回答(重要だと思う順に1、2、3と回答):公益社団法人 日本観光振興協会「DMO候補法人の現状と課題について」から引用

同アンケート調査では、調査対象となった日本版DMO候補法人97団体に「DMOについて取り組む上で、大変なこと(課題と考えること)はどのようなことですか。」との質問をしています。

「戦略の策定やDMOの活動をひっぱってゆく、組織の中核となる人材の不足 」をもっとも大きな課題であると答えた団体は、37団体にも及びます。

また、次に大変なものとして声が多かったのが「専門的な知識をもち責任者として事業を実施する専門人材の不足」との選択肢。 42の団体が同項目に対して大きな課題であると回答しています。加えて、「事業を実施してゆく運営スタッフの不足 」もDMOの運営効率化へ比較的大きな妨げに なっている模様です。

DMO内の人材育成はより多くのインバウンド誘致を行う上でも重要なポイントになってきます。 このような状況の中、日本国内の各DMOは、具体的にどのような施策を日本観光振興協会に対して求めているのでしょうか。

日本観光振興協会への要望も多数:DMO運営効率化へ講師の紹介・派遣を求める声も

日本観光振興協会に今後何を期待するか:各DMOの回答(複数回答可):公益社団法人 日本観光振興協会「DMO候補法人の現状と課題について」から引用

MOの取り組みにおいて課題だと思っていること:各DMOの回答(重要だと思う順に1、2、3と回答):公益社団法人 日本観光振興協会「DMO候補法人の現状と課題について」から引用

上記の表は、今回の調査対象となった日本版DMO候補法人97団体が、DMOの人材育成を促進するために公益社団法人 日本観光振興協会に求めることをまとめたものです。

もっとも多かった選択肢が「講師の紹介・派遣」との選択肢。全体の42%のDMOが同選択肢を回答しました。

「教材の開発・提供(39%)」「研修等の共同開催・支援(34%)」「不足人材のあっせん・派遣(34%)」なども、多くのDMOから求められる施策になりました。国内のDMOが公益社団法人 日本観光振興協会に求めることにおいても「人材不足の解消」に関するものが多く、これからのDMO運営において「人材確保」はキーポイントになってきそうです。

まとめ:インバウンド誘致に関してもDMOの整備は不可欠:人材不足は早急に解決されるべき課題にに

2020年の4,000万人のインバウンド誘致を目指す日本。観光分野は間違いなく伸びる分野であり、訪日外国人観光客の受け入れ体制を整備し、地域の「稼ぐ力」を向上させるにはDMOの運営効率化は必要不可欠です。

そのため、現時点で多くの不安の声があがっているDMO内の「人材不足」への懸念は、解消されるべき事案であり、今回のアンケート調査をもとに改善が期待されます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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