残された道は新法だけ!|簡易宿泊所も特区民泊も諦めたホストに向けた新法民泊運営のポイント

民泊新法施行にあわせて、新規参入を検討しているホストの卵、または新法施行に合わせて合法物件化を検討している現役ホストの皆様。立地や建物の条件的に簡易宿泊所免許の取得・特区民泊での運営が難しい!という方がたくさんいらっしゃると思います。今回は、住宅宿泊事業法に則った民泊(以下、新法民泊)運営の注意点についてまとめます。

合法に運営されているのは1割強?

2016年10〜12月に厚生労働相で全国民泊実態調査が行われました。その調査において、確実に営業許可を取得しており、合法に運営されている物件は16.5% という結果が出ています。

民泊仲介サイトに掲載されている多くの物件は住所の特定ができず、調査対象の半数が許可状況不明ではあったものの、グレー民泊の規模を感じることができる結果です。

出典:厚生労働省『全国民泊実態調査の結果について』

出典:厚生労働省『全国民泊実態調査の結果について』

3種類の合法民泊

合法で運営されている物件が非常に少ない現在の民泊市場ですが、住宅宿泊事業法が施行(*1)されることにより、グレーな運営を続けることはできなくなります。 物件の立地・特性に合わせて、「旅館業法の許可を取得する」「特区で認定を受ける」「新法に則って届出を行なう」 、いずれかの形で合法的な運営が求められることになります。

*1 早ければ2018年1月に施行予定。

まずここを抑えよう!

ここからやっと本題に入ります。

立地や建物の特性的に「旅館業法の許可」も「特区の認定」も受けられない!という方向けに、新法に対応させて運営していくためにまず抑えたいポイントです。

転貸借の許可

これは、物件がどんな建物かは関係なく、賃貸で借りている物件で民泊運営を行う場合に必ず抑えていただきたいポイント です。

通常の賃貸借契約では、転貸つまり 物件の又貸しや契約した用途以外での利用は禁止されており、違反すると即時契約解除となる 場合もあります。

新法対応の民泊運用を行う場合、民泊で運用することができない185日間をどのように収益化するかが大きな課題になります。その際に、貸主から転貸借の許可がとれておらず、住居としての利用許可しか取れていない場合、185日間の運用が非常に困難になります。

賃貸で借りている物件で合法運営を目指す場合には、民泊新法を遵守しているだけでなく、貸主との賃貸借契約上も問題がないように、契約条件を整えましょう。

管理規約

これは、運営する物件が分譲マンションという方に気をつけていただきたいポイントです。

分譲マンションには、マンションのルールを定めた、管理規約があります。それぞれの分譲マンションごとに管理規約があるのですが、多くの管理規約において、「専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」という表記があります。つまり、家主不在型で投機的に運営する場合、「住宅」の用途以外での使用にあたるため、規約違反となってしまいます。

また、現在管理規約の雛形である、「標準管理規約」の内容を新法民泊に対応して改正しようという動きがあります。この改正が実際に行われれば、管理規約に民泊を行っていいかどうかが明記される ことになります。今後一般的な分譲マンションでの運営は難しくなっていきそうです。

参考:国土交通省「新法民泊に伴うマンション標準管理規約の改正等について」

新法施行に向けて今から考えておきたいポイント

新法の施行後、ホストは都道府県知事(保健所設置市はその首長)に対して届出をすることで、民泊を運営することが可能となります。しかしながら、届出だけで今まで通り運営ができるわけではありません。新法対応の運営のために頭にいれておきたいポイントをご紹介します。   ### 家主不在型運営の場合

民泊には、ホストが居住している自宅の一部を旅行者に貸し出すタイプの 「家主居住型(ホームステイ型)」 と、ホストは不在で部屋をまるごと民泊専用に貸し出す 「家主不在型(投資型)」 があります。

家主不在型民泊については、民泊の管理を管理者に委託する必要があります(ただ、ホストが管理者としての登録を受けることも可能)。今まで代行会社に委託することなく運営してきた方、代行会社なしで運営していこうと思っている方は、事業者としての登録の他に管理者としての登録も必要になる ので、注意が必要です。

ちなみに、住宅宿泊管理業者の登録には、登録免許税として9万円かかる予定です(免許は5年ごとに更新)。

上乗せ条例による規制

新法において、年間180日の営業日数上限をはじめ、規制が設けられていますが、法案の条文に 具体的な数字はほとんど記載されていません。 各自治体が条例により引き下げることが可能で、具体的な基準はまだ未定なものの、今後政令や省令などで定める予定です。

つまり、政省令が出揃うまで、どこの自治体でどれくらい厳しい規制が行われるか判断することができません。 営業日数がさらに引き下げられると収益が成り立たなくなる場合もあります。今後、運営を検討している自治体の政省令は必ず確認するようにしましょう。

ただ、都道府県が条例を用いて民泊を制限できるのは騒音など生活環境の悪化防止が必要だと認められる区域のみで、かつ観光客の需要への対応に支障をきたす恐れがないケースに限られることにはなっています。

まとめ

まだ規制の具体的な数字が出揃っていないこともあり、運営スタイルを決めかねている方も多いと思います。引き続き追加情報に目を光らせていきましょう!

今回はそもそも合法運営をするために必要な要件にフォーカスしていましたが、旅館業免許や特区での認定を受けられない物件の場合、営業上限日数を超えた期間の収益化が最大のポイントです。合法運営の目処がたったら、収益化についても並行して検討していきましょう。

<参考>

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この記事の筆者

matsuri technologies株式会社

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Matsuri ​technologies株式会社代表吉田と広報企画担当河田2名にて執筆中。法人利用数No.1の民泊物件管理ツール「m2m ​Systems」,民泊メッセージ代行サービス「m2m ​Basic」,「民泊+短期賃貸」の組み合わせで貸し出しを行う集客支援ツール 「nimomin」などを自社サービスとして運営しており民泊運営から得たノウハウを中心に情報発信していきます。