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全体の約16%を占めるアメリカからのアクセス概要
1996年に設立され、現在、月間約180万人のユーザー*が閲覧している「ジャパンガイド」では、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、イギリスなどの 英語圏からのアクセスが上位を占めています 。前回は欧米豪の比較結果をご紹介しましたが、今回はアメリカからのアクセスに焦点をあてて、ユーザーの特徴や傾向を見ていきたいと思います。
『欧米人』と一括りにしていませんか?欧米豪でもこんなに違う!ジャパンガイドのアクセス解析でわかった国別訪日客の興味・関心の違い
1996年に設立され、現在、月間約180万人のユーザー*が閲覧している「ジャパンガイド 」では、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、イギリスなどの英語圏からのアクセスが上位を占めています。今回はJNTOで認定されている欧米豪主要9市場から 「アメリカ・オーストラリア・イギリス・カナダ・ドイツ・フランス」の6カ国をとりあげ、各国からのジャパンガイドへのアクセスデータをもとに、それぞれの国の特徴を比較 してみたいと思います。目次ゴールデンルート以外に「高山」、「高野山」などがランクイン 国...
ジャパンガイドでアメリカからのアクセスが占める割合は全体の 16.3% で、日本からのアクセス(訪日旅行中の外国人ユーザーからのアクセスがメイン)に次いで2位。アメリカからのセッション数の前年度比は 9.66%増 で、新規ユーザー(指定した期間中の初回ユーザーの人数)は 21.74% を占めています。デスクトップ、モバイル、タブレットそれぞれのディバイスの割合は以下のとおり。全体と比較するとアメリカではまだデスクトップを使用している割合が少し高めです。
(表1)
なぜカリフォルニア州からのアクセスが多いのか?
アメリカ国内でもっともジャパンガイドにアクセスしている地域を調べてみると、1位はカリフォルニア州 でした。カリフォルニア州からのアクセスはアメリカ全土のうち 25.58% を占め、2位のニューヨーク州は7.8%、3位のテキサス州は7.43%となっています。
JNTOが発表している「米国市場における主要ターゲット」の「重点地域」を見ると、1位カリフォルニア州(32.6%)、2位ニューヨーク州(9.9%)と、上位2位まではジャパンガイドのデータと類似 しています。また「強化地域」にはジャパンガイドで3位にランクインしているテキサス州が入っています。6位のフロリダ州、9位のジョージア州も強化地域に含まれているため、今後ジャパンガイドでの順位も上がってくる可能性が考えられます。
(表2)
(表3)アメリカからの年間セッション数 州別順位
地域 | セッション |
---|---|
California | 1645421 |
New York | 501517 |
Texas | 478082 |
Hawaii | 315707 |
Illinois | 295407 |
Florida | 266495 |
Washington | 236205 |
Pennsylvania | 153751 |
Georgia | 152813 |
Massachusetts | 151001 |
Virginia | 145648 |
New Jersey | 142375 |
Oregon | 129865 |
Michigan | 127333 |
North Carolina | 120153 |
Ohio | 117197 |
Missouri | 113856 |
Colorado | 107434 |
Arizona | 100373 |
Minnesota | 86971 |
カリフォルニア州からのアクセスがもっとも多い理由としては、
- ニューヨーク州のように、アメリカ横断のための飛行時間(6時間以上)がないという点
- カリフォルニア州でアジア人人口が約14%(Census2016調べ)を占めており、日系アメリカ人が定期的に母国となる日本を訪問している可能性
などが予測できます。
また、西海岸と東海岸では旅行の目的地としてのトレンドが異なっている という背景もあります。SimilarWebが発表しているデータによると、カリフォルニア州 では「Flight to Japan」、「LAX to Thailand」など、アジア圏を目的地とした検索キーワード が使われていますが、対して ニューヨーク州 では「NYC to London」、「NYC to Barcelona」、「NYC to Vienna」など、ヨーロッパ方面へのフライトがよく検索されています 。またニューヨーク州からパリへの直行便は多くて安いが、日本への直行便就航が少ないという空路事情も関係していると考えられます。
カリフォルニアとニューヨークで異なる日本への関心分野
1位のカリフォルニアと2位のニューヨーク州に焦点をあてて、各州のユーザーがジャパンガイドのどのページを見ているかPV数をもとに比較してみると面白いことがわかりました。
(表4)地域を紹介しているページ(ジャパンガイドのページカテゴリー「Destination」)の人気順位
順位 | カリフォルニア | ニューヨーク州 |
---|---|---|
1 | 東京 | 東京 |
2 | 京都 | 京都 |
3 | 大阪 | 大阪 |
4 | 箱根 | 富士登山 |
5 | 築地 | 築地 |
6 | 日光 | 奈良 |
7 | 富士登山 | 伏見稲荷 |
8 | 秋葉原 | 箱根 |
9 | 奈良 | 富士山 |
10 | 伏見稲荷 | 日光 |
(表5)旅行計画やテーマ別に紹介しているページ
(ジャパンガイドのページカテゴリー「Plan a Trip」)「Interests」)の人気順位
順位 | カリフォルニア | ニューヨーク |
---|---|---|
1 | Shinkansen | When to travel to Japan - Travel Weather |
2 | When to travel to Japan - Travel Weather | Shinkansen (Japanese Bullet Train) |
3 | Japan Rail Pass (JR Pass) | Japan Rail Pass (JR Pass) |
4 | Tokyo Travel: Suggested Itineraries and Side Trips | Japanese Food |
5 | Japan Travel: Suggested Itineraries | Japan Travel: Suggested Itineraries |
6 | 2017 Cherry Blossom Forecast | Tokyo Travel: Suggested Itineraries and Side Trips |
7 | Japanese Food | Tokaido Shinkansen |
8 | Japan Sightseeing Guide | Kyoto Travel: Suggested Itineraries and Side Trips |
9 | Tokaido Shinkansen | Japan Sightseeing Guide |
10 | Electricity in Japan | Transportation in Japan |
まず 「表4」 を見てみると、ご覧のとおり 「東京・京都・大阪」のゴールデンルートが人気 であることは共通点ですが、4位からは人気のページが異なっています。この表をみると、カリフォルニア州のユーザーは関東圏のページを中心に閲覧 していて、ニューヨーク州のユーザーは奈良や伏見稲荷など、歴史を感じさせるエリアのページをより多く見ている ことがわかります。
また、カリフォルニア州では8位にランクインしている秋葉原が、ニューヨーク州では10位以内にランクインしていないことも特徴的です。秋葉原といえばアニメのイメージが強く、この点についても日系アメリカ人人口が世界一のホノルルに次いで多いカリフォルニア州のサンフランシスコ、サクラメント、サンノゼなどの都市による影響力が考えられます。
「表5」 では旅行計画やテーマ別に日本を紹介しているページを選出し、関心分野を比較しました。カリフォルニア州では「桜」に関連するページが6位にランクイン。ニューヨーク州では「日本食」への関心が4位にランクイン しており、それぞれの州の興味対象の違いが表れています。
ジャパンガイドで毎年全国の桜開花状況をリポートしている「Cherry Blossom Reports」では、主にアジア圏からのアクセスが上位を占めているため、やはり アジア系アメリカ人人口の多さが少なからず順位に影響 している可能性があります。
ニューヨーク州 ではアジア系にかかわらず 日本食のブーム が続いていますが、2013年9月から2017年8月にGoogleで「Sushi」というキーワードが検索された回数を比較してみると、総数としてはカリフォルニア州での検索回数が依然として多いものの、カリフォルニア州の増加率は743%増、ニューヨーク州では912%増となっており、伸び率についてはニューヨーク州のほうが高く、ここ数年で日本食人気が急上昇している様子がうかがえます。
まとめ:州によって異なるアクセス数と興味エリア
今回、ジャパンガイドを使ったデータを見ることで、一言で「アメリカ」といってもトップ2のカリフォルニア州とニューヨーク州では全くアクセス数が異なり、日本で関心のある対象も異なっている ことがわかりました。最近は欧米豪へのプロモーションを強化する動きがあり、アメリカは今後もインバウンドにおいて欠かすことのできない市場になると考えられます。アメリカを対象とする際により効果的なコンテンツを打ち出せるよう、このように州別の違いについても把握しておくことが今後は重要になってくるかもしれません。
<参照>
- Google Analytics 2016/09/01-2017/08/31データ参照
- 第18回JNTOインバウンド旅行進振興フォーラム
- SimilarWeb’s US Travel Trends & Insights 2017
- United States Census Bureau
* ジャパンガイドのアクセス集計方法
- Google Analytics参照
- bot、クローラー、および関係者からのアクセスをすべて除外して算出
- 日本語コンテンツへのアクセス数は除外しています。
- Facebook等ソーシャルメディアへのアクセス数は含んでおりません。
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