以前まで、中国人観光客の爆買いが大きなトレンドになっていましたが、それもう過去の話。今では「コト消費」に変化しつつあるなかでインバウンドでのアクティビティの注目度が年々上昇しています。旅先でのアクティビティ体験は、旅人に新たな世界を見せるキッカケになったり、そのアクティビティ体験から趣味へと変わったり、旅人にとって未知の体験を提供する場合があります。インバウンドにおいて、どういったターゲットがどんなアクティビティ体験を好むか を弊社の知見などを交えて紹介していきます。
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アジア圏訪日客のコト消費化で活性化するアクティビティ市場
上記グラフをご覧ください。観光庁が発行する「訪日外国人消費動向調査」の2016年版の一部です。グラフをみると 中華圏や東南アジアがコト消費に注目している ことがわかります。
そして、主要都市以外にも 地方も様々な体験コンテンツを期待されており 、各アクティビティ提供者(アクティビティプロバイダー)もより一層力をいれています。弊社は、そうしたアクティビティプロバイダーのアグリゲーター(集積者)であるため、そうした会社を中立的な立場で情報取得できる立場にあるといえます。その強みを活かし、各アクティビティープロバイダーの動向を公開できる範囲で述べて行きたいと思います。
アジア圏では日系vs現地でアクティビティプロバイダー間の競争が激化
ベルトラ、i.JTB、Voyagin、HISのアクティビティジャパン、Yokoso Japan(近畿日本ツーリスト)。その多くのアクティビティプロバイダーは、 コト消費へシフトしてきている上記の中国、韓国、台湾、香港などの東アジア諸国や、東南アジアへのサービス提供に注力しています。
これら日系アクティビティプロバイダーに加え、それぞれの現地プロバイダーが存在しています。例えば、香港のKLOOK、台湾のkkday、ベトナムのTriipなどです。これらの現地プロバイダーと日系プロバイダー間の競争はここ数年で激化してきています。
それゆえ各社共に、その差別化を図り、新たなアクティビティ発掘を行ったり、またはアクティビティ説明をより詳細にしたりと、商品開発や集客を強化していっています。
日本の文化体験を期待する欧米圏では顧客単価の高さが特徴
一方、欧米圏訪日外国人は 日本の文化体験 を期待しており、また同時にラグジュアリー観光が注目されてきている状況にあります。
一例として、弊社がアグリゲート(集積)していくサービスの一社Omakaseのケースを見てみましょう。Omakaseでは、他の多くの体験提供会社とは異なり、主なターゲットを欧米諸国の観光客 にしています。さらに、他社がやっていないような、バリアフリー体験 や、ムスリム専用のツアー を企画しています。1人あたり消費額の高い欧米圏にターゲットを絞っている分、顧客単価は高くなります。このように今後の拡大するマーケットに対してアプローチする会社も少なくはありません。
トリップアドバイザーグループのViatorも、欧米圏顧客をメインターゲットにしていますが、今後はその欧米圏顧客向けに訪日コンテンツの提供を、より重視していくと先月プレスリリースで報じています。
欧米人とアジア人ではアクティビティに求めるものが違う:アジア人はシーズンごとのイベントに興味あり
欧米人とアジア圏ではやはり趣味嗜好は大きく異なってきています。特にアジア圏に関しては、日本人の旅行時の体験活動と類似している部分が多くあります。ランドマークとなるスポットへの訪問、名勝への訪問など、ガイドを必要とするような体験活動への参加率が圧倒的に高い という特徴があります。特に台湾人は、春夏秋冬のシーズンごとの体験 、例えばお花見や雪まつりなど、現地では味わえない日本らしさを求める傾向 にあります。
その他で言えば、春といえば、花見関連のアクティビティ、夏ですとマリンスポーツなど。アジア圏の人たちは、四季やライフスタイルに関するアクティビティを好む傾向があるようです。
欧米圏は歴史的コンテンツが好き:長期滞在型が多く地方にチャンスか
多くの企業や自治体は、「欧米人訪日客」の顧客流入を狙い施策を講じていますが、なかなか成果に結びついてない事例をよくみます。しかしながら、アクティビティを活用した欧米人訪日客の誘致 の場合は、少し事情が異なります。
アクティビティコンテンツで欧米人に人気なものは、歴史や文化的背景を感じ取れる「コト」体験が人気のようです。例えば、谷中や鎌倉などの 歴史的背景を感じ取れる地域への参加率が極めて高い 傾向にあります。特に谷中を拠点として活動する比率が高く、成田からのアクセスが良いこと、江戸城の城下町として栄えた背景があること、そして長期滞在をする上で都心よりも落ち着いた空間であることなどが人気の理由のようです。この事例からも、欧米人訪日客はゆっくりとバケーションできる環境を好む 傾向があることが伺えます。
まとめ
前回からも述べていることと重複する部分もありますが、訪日市場は成長過程であり、今後一層のマーケット拡大が予想されます。そういった中、アジア圏・欧米圏へのアプローチを提供していく頻度が増える一方、選択側(訪日外国人)にとっても選択肢が増えていきます。
こういった状況下で、ユーザーに未知なる体験を提供する、もしくはもっと日本に魅了されるような提供方法に注力していければと弊社も考えています。
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