訪日外国人観光客が実際にどのような消費行動をしているのか、実際に何を求めているのかを知るのに有効なのがアンケート調査です。特に、日本の玄関口となる空港で行う調査は、実際の訪日外国人観光客の姿がリアルにわかる極めて信憑性の高い調査であると言えます。
株式会社三菱総合研究所は、関西国際空港から出国した外国人旅行者に対するアンケート調査 を行ないました。対象となったのは関西国際空港から出国した訪日外国人観光客で、中国・韓国・台湾・香港・欧州・米国・タイ・タイを除くASEAN諸国の主要9カ国の4000人に関西の観光地の認知度や再訪に関する意志、宿泊先を聞いたものです。
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2016年の関西圏の主要観光地・エリアを合計すると京都より大阪のほうが人気
株式会社三菱総合研究所の推計によると、梅田・大阪駅周辺、心斎橋、難波などを中心とする大阪の観光地、京都駅周辺、東山、河原町・烏丸・四条などの京都の観光地を比較した時、大阪の主要観光地を訪れたのは合計で3574万人 であったのに対し、京都の主要観光地を訪れたのは2004万人 という結果でした。
一般的な感覚からすると日本観光と言えば京都、訪日外国人観光客と言えば京都というイメージが先行しがちですが、実態としては大阪の観光地のほうが全体的には訪日外国人観光客にとっては魅力的な場所が多いということでしょう。
この中で大阪で人気にあった観光地は 心斎橋、難波が共に702万人、梅田・大阪駅周辺が551万人、大阪城が443万人、日本橋が420万人、訪日外国人観光客にも人気が高いというイメージのユニバーサル・スタジオジャパンは293万人 と、大阪の中では6番目に人気の観光地となりました。京都の中で最も人気が高かったのは 東山で480万人、京都駅周辺が371万人、金閣寺周辺が274万人 となりました。この結果を見ても観光地全体だけでなく、個別の観光地でも大阪のほうが人気があった ということがわかります。
また、訪日外国人観光客の流動量を推計したところ大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀、三重、大阪の関西県での合計は9658万人となり、大阪府内だけで5796万人が移動 をしています。異なる府県の間では、やはり大阪、京都間の移動が多く、大阪、京都間だけで2525万人訪日外国人観光客が移動 していることがわかりました。
通常は大きな差が出る国籍別の滞在日数は、関西圏では大きな差とはならない
国別に日本への滞在日数を見ていくと、オーストリア、欧州出身の訪日外国人観光客は14日以上日本滞在を楽しみ、中国、台湾、香港、韓国などのアジア圏出身の訪日外国人観光客は7日以上滞在することが極めて稀で、6〜7日、もしくは4〜5日の滞在が最も多くなります。
しかし、これを関西圏に限って見ていくと、オーストラリアを除く全ての国と地域出身の訪日外国人観光客で5日前後の滞在日数が最も多く 、これを大阪だけに限って見ていくと、国や地域に関わらず、ほとんどの訪日外国人観光客が 4日〜5日大阪に滞在 しているということがわかりました。
大阪で最も多くの訪日外国人観光客が訪れるのは心斎橋と難波だが、再訪意向が最も高いのはUSJ、京都は銀閣寺の再訪意向が特筆して高い
エリア別に訪問人数とそれぞれの再訪意向を調べたところ、大坂で最も訪日外国人観光客が訪れている心斎橋と難波を、ユニバーサル・スタジオジャパンが再訪意向で上回っていることが明らかになりました。同じ見方をすると、心斎橋と難波に関しては一度訪れた後に、わざわざ観光地としてもう一度訪れようと考えている人の割合が少ない といえるでしょう。
一方京都では 清水寺、祇園、金閣寺 などの人気の観光地に訪れた訪日外国人観光客は再訪意向はあるものの、そこまで強い再訪意向を持っているわけではない ようです。対象的に、訪問人数は少ないながらも訪日外国人観光客の再訪意向が極めて高いのが 銀閣寺・哲学の道 です。また 嵐山・嵯峨野、伏見稲荷大社 などはそもそも訪れる訪日外国人観光客の数も多いながら、再訪意向も極めて高い観光地となっています。
これらの訪問人数と再訪意向の関係性から、訪日外国人観光客がその観光地に「一度行けばいいや」と思っているのか「一度訪れてもまた行きたい」と思っているのかどうかが良くわかります。
まとめ:訪日外国人観光客に対面で行うアンケート調査からは意外な結果が明らかになることも
今回、株式会社三菱総合研究所は関西国際空港から出国した外国人旅行者にアンケート調査を行ないましたが、訪日外国人観光客には人気が高いと思われている京都よりも、推計としては大阪のほうが多くの訪日外国人観光客が訪れていること、同様に人気と思われている清水寺、金閣寺は、そこまで再訪意欲が持たれていないなど、イメージだけで考えていると予想もつかないような結果となっています。
こうしたことからも、インバウンド施策を練る上では、まずはしっかりとした実地調査、アンケートなどを行ない、現状把握を行ない対策を取る事が重要だとあらためて言えるでしょう。
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